GALAXY Nexus レビュー その1 ―タッチパネル精度がiPhoneに追いつく

 

 NTTドコモから「世界最速レベルの販売」を追求して発売された、Android 4.0搭載「GALAXY Nexus SC-04D」を入手しましたので、ファーストインプレッションを掲載します。

 GALAXY Nexusを触って数時間、その中で感じたことは「iPhoneに十分対抗できる品質をAndroidは手に入れた」ということだ。特にタッチパネルの精度が大幅に向上している。その一方で、Android4.0から刷新されたユーザインターフェイス(UI)に関して、既存ユーザーからは戸惑いの声があがるであろう懸念事項も散見された。

 Part1では主に本体外観に関する部分とディスプレイ品質についてレポートを行う。なお、Part2ではAndroid4.0のソフトウェア的面に関して、Part3では性能比較テストを予定している。

■Google×SAMSUNGのタッグを感じさせるリファレンス機

 白をベースに、筐体デザインを全面に打ち出したシンプルな外箱は、iPhone 4Sの外箱と比較すると一回り以上大きい。印刷されている筐体の画面は7色のカラフルな壁紙ではなく、紫を基調としたライブ壁紙(本体収録)が映し出されていた。

 箱を開けてみると、端末を前面に見せる形で端末が入っている。内箱の縁取りはGoogleのコーポレートカラーである「青・赤・黄・緑」で塗られており、本機がリファレンス機であることを感じ取れる。


契約時に着信テスト操作等が必要なため、保護フィルムを外した状態で撮影。
撮影時、未開封の状況を再現した。したがって真の未開封の状態では前面・背面ともに保護フィルムが付いている。


 外箱の背面には「Google」と「SAMSUNG」のロゴが中央に印刷され、両社が育んできたパートナーシップの強さを感じさせられる。

 なお、NTTドコモが販売するGALAXY Nexusには「SC-04D」というドコモ特有の型番が割り振られているように、若干のローカライズが施されている。そのことは外箱にも見て取れ、背面上部にしっかりと「NTT docomo / SC-04D / docomo NEXT series 」と印刷されてある。GoogleとSAMSUNGのロゴよりも大きく表示されていることについては…ノーコメント。


一番大きく表示される「docomo」の文字

■アークデザインが美しい、持ちやすい本体

 筐体デザイン・写真については、すでにIT系ニュースサイト各社で詳しく扱われているので、ここでは実際に触ってみた感想を述べ、それらは扱わないことにする。

 1つ前の世代である「Nexus S」と同様に曲面ディスプレイが採用されている。まるでグラスに注がれた水が表面張力でくっついているかのように、ディスプレイガラスのエッジが丸く収められている点が美しい。全体的にゴツゴツしたデザインと大きさであるのに、前面を見ると、どこか柔らかさを感じられるのは丸く収められたディスプレイのおかげのようだ。ぜひ、その部分を店頭で確認していただきたい。


 普段、ドコモ端末ではGALAXY S2を常用しているのだが、持ってみて最初に感じたことは「持ちやすい」ということ。GALAXY S2は本体下部に多少重みがあるものの全体的に重みが均一であるのに対し、GALAXY Nexusは本体下部に大分重みがある。実は、このことは4インチを超えるディスプレイを搭載しているスマートフォンには重要なことであり、片手で持った時に「戻るボタン」や「ホームボタン」を親指で押すときに非常に安定するのである。iPhoneのサイズが手にフィットするベストサイズと考えていたが、「大型ディスプレイも悪くない」と思い始めてきた程である。

■やっぱりあると便利な通知LED



 日本の携帯電話(ガラケー)に当たり前のように搭載されている通知LED。GALAXY Nexusも本体前面下部に通知LEDを装備している。光り方は優しく蛍のように光るので上品さを感じられる。動画では純粋な白色に見えるが、実際は真珠が光るような色で点灯する。

■有機ELの質、気になるペンタイル配列は?

 GALAXY S2に対するマイナス評価の1つに「画面が緑っぽい(緑被り)」というものがある。これは管理人も常々感じていた事であり、iPhoneの画面を見た後にGALAXY S2の画面を見ると違和感を感じる程であった。サムスン製有機ELに起因するものとして捉えられていた問題であるが、GALAXY Nexusも有機ELを採用しているために緑被り問題を心配していた。

 しかし、そんな心配は全く必要のない仕上がりだった。発色が極めて良好であり、どの色もとても綺麗に表示される。また、色温度も日本人が好むであろう適切なものになっており、白色の表示も美しい。(※日本人向けに色温度がチューンされているワケではないはず)

 次に、GALAXY Nexusのディスプレイに対する一番の懸念事項であろう「ペンタイル配列」について取り上げる。

 結果から言ってしまうと、「ほとんど違和感がない」といった感じだ。その理由として、高解像度化を行うことで目立ち難くなったことに加え、サムスンが主張する「技術改良」の結果が寄与しているのかもしれない。ただし、粗さを全く感じられないわけではなく、初期のプラズマテレビのような粗さは僅かながら残っており、白に関連した表示で最もそれを強く感じられる。しかしながら、HTC DesireやGALAXY Sのペンタイル配列有機ELとは別次元であると言ってよい。

 iPhoneのRetinaディスプレイを常用している管理人が、まったく問題ないと判断するレベルであるので、大きな心配をする程ではないかと思う。正直な所、発色があまりに良すぎるため、「些細な程度」まで改善したペンタイル配列の特性はどうでもよくなるといったところだ。このあたりは好き好みが別れる部分であるので、購入前に展示端末(ホットモック)をじっくり触った上で判断して欲しい。

■タッチパネルの品質、ついにiPhoneに迫る

 AndroidとiPhoneを両方使っていて感じる決定的な違い。それは、タッチパネルの精度である。ハッキリ言って、Androidのタッチパネル精度は悪い。iPhoneと比較すると大幅に劣るレベルであると考えている。しかし、GALAXY Nexusではその常識が覆る結果になった。

 まず、フリック入力を高速に行った際にもミスタッチが大幅に低減された。個人的に、GALAXY S2のタッチパネル精度をもってもイライラさせられていただけに、大きな前進に思える。

 また、画面周囲を軽くタッチした際の「ビビリ現象」が無くなったと言える程になった。

 片手持ち操作の際、例えば、ウェブをスクロールした際に指の軌跡がキッチリ上下を描くことはない。人間の親指は可動域が横の動きのため、右利きの人が親指でスクロール操作した場合は、左下から右上にカーブを描いてスクロールするのが一般的だ。

その際、読みたい場所までスクロールした時に、ディスプレイ端で指を置いたままにしていることが多くなる傾向がある。その時、ディスプレイ端という悪条件に加えて、タッチの押し加減が弱いという悪条件が加わることで、タッチの誤認識状態が起こる。そうなると、画面が上下左右に痙攣するかのような挙動が起こる。

 GALAXY Nexusではこのようなビビリ現象がなくなり、画面端を軽くタッチしている状態でも正しく認識されるようになった。なお、iPhoneの場合は2代目iPhone 3Gの時点からこのような現象は発生していない。


●GALAXY S2で発生するエッジ部分での誤認識



●GALAXY Nexusでは改善したエッジ部分での誤認識


撮影品質は悪いものの、この2つの動画を見比べただけでも
GALAXY Nexusでは緑被りが無くなったことが分かる。

■ドコモの姿勢を評価、一般向けではないがAndroidの未来を感じる端末

 本稿の冒頭で触れたように、今回、NTTドコモはGALAXY Nexusの発売にあたり、発売日を世界最速に最大限追従するという意気込みで臨み、米国と同日の12月2日発売を実現した。その代わり、発売時にはSPモードメールには対応せず、来年1月に提供される予定となっている。

 ネット上ではSPモードメールに未対応であることをデメリットとして誇張する意見を多く見かけるが、逆に管理人は評価したいと思う。もちろん、日本においてはキャリアメールは半ば必要不可欠な状況になっており、「@docomo.ne.jp」がSPモードメールとして利用できない点はデメリットであることには違いない。

 しかしながら、たとえSPモードメールに発売時対応できなくてもリファレンス機を最速で販売することに、リファレンス機たる意味があると個人的には思う。また、リファレンス機を欲しがるユーザー層は”キャリアメールを卒業”していることが多いため、キャリアメールへの需要が低いという目論見もあるのであろう。したがって、GALAXY Nexusをいち早く販売しようというNTTドコモの姿勢を素直に評価したい。

 GALAXY NexusはAndroidのリファレンス機であるNexusシリーズに位置付けられるものであり、決して一般的なものではない。UIにユーザーの要望を取り入れた、独自の改良が加えられた一般機のほうが使いやすいといった点も忘れてはならないところである。

 本機は万人ウケするものではないが、Android 4.0やAndroidビームといったNFCの機能をいち早く体験でき、Androidが進む未来をいち早く感じられるだろう。新しいAndroidにとにかく触れてみたいという方は、まずお店で展示機を触れてみてはいかがだろうか。きっと、今までとは違う新生Androidの完成度の高さに驚くはずだ。

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