Android版Chromeブラウザ徹底レビュー


ついに公開されたAndroid版Chromeのレビューをお届けします!

ついに出た!Android版Google Chrome

待ち望んでいた方も多いと思われるAndroid版 Google Chrome。さっそく、手持ちのGALAXY Nexusにインストールしてみたので使い心地をお届けする。なお、公開時点では「beta(ベータ)」とされており、あくまでもテスト段階であることを留意したい。

個人的な話になってしまうが、管理人は標準ブラウザをどのモバイルOS・端末でも愛用している。iPhoneは当然のように標準ブラウザであるし、Androidでもそれは同じだ。ウェブ閲覧という機能が満たされていれば、ある程度の使いにくさは気にしないからである。しかし、Chrome for Android beta(以下、Chrome)を弄って数時間でこの考えが大きく変わることになった。

なお、AndroidにはChrome以外にも素晴らしいブラウザが多数存在する。有名なものでも「Dolphin Browser」や「Angel Browser」、そして「Firefox」などがあり、これらはどれも高機能で使いやすい。これらと比較すると何歩か劣る部分も存在するのだが、Chromeはベータリリースである点を踏まえると上々の出来であると思う。

今回のレビューでは全体的な使用感に加え、PCとの連携機能、ツイッターでお寄せいただいたリクエスト事項などを、画像を交えてお届けする。

動作が軽快でタッチ操作がスムーズ

Chromeは非常に軽快に動作する。指に吸い付くようなスクロールに加え、ピンチイン・アウトによるズーム操作、ダブルタップによるズーム操作のいずれも快適に行うことができた。Android 4.0の標準ブラウザと比較するとかなり速く、突っ掛りがほとんどない。

ウェブ表示のベンチマークになりつつある「ITmedia +D モバイル」や、インラインフレームにソーシャルボタンを多用した当サイト「ガジェット速報」などで動作を確認したところ、ピンチイン・アウトによるズーム操作に突っ掛りはなかった。ただしスクロールに関しては、画面外の描画に差し掛かると未描画領域がコンマ秒単位で表示される。

ベンチマーク的操作の1つである「超高速スクロール」を行った際には約1秒程度の描画ラグがあるので人によっては気になるかもしれない。しかし、普段使いの読みながらスクロールを頻繁に繰り返す操作では全く問題がなかった。

Galaxy S2 標準ブラウザでのピンチ操作

非常に軽快に動作するが、文字にジャギ―
が目立ちつぶれた印象を受ける。

なお、GALAXY Nexusより解像度が低い点
注意が必要!
(※画像クリックで拡大)
Chromeでのピンチ操作

iPhoneのズームに似た感じの輪郭の甘い表示。
動作時にスムーズに感じたのはコレ。
GALAXY Nexus&Firefoxでのピンチ操作 Dolphin Browserでのピンチ操作

Chromeと同等のスムーズさを感じた

Android 4.0のUIに最適化されたブラウザ

全体的なインタフェースはAndroid 4.0の標準的なもの統一されている。例えば、Android4.0で有名になった「タブ・アプリケーションの終了、削除」方法だ。Android 4.0からは、アプリケーションの終了は画面外にはじき出すようなタッチ操作で行えるのだが、Chromeでも同様の方法が採用されている。

タブを閉じている途中の画像

横に弾く操作をすることで
ウィンドウが斜めに消え去る
タブを閉じている途中の画像
(デバッグ用のタッチ軌跡を表示)

画面中央の斜め水色線が指の軌跡。
軌跡のように弾くタッチ操作をすることで、
タブを閉じることができる

 ブックマーク画面では、通称「パンくずリスト」と呼ばれる階層が表示される。よく、ウェブサイトなどで見かけるもので、「HOME>会社案内>お取引様向け>連絡先」などといった具合にページ上部に表示されているものだ。このパンくずリストには主に2つの役割が存在する。1つ目は上の階層に戻りやすくする役割。2つ目は現在位置(階層)を認識しやすくする役割だ。ただし、Chromeのパンくずリストはお世辞にも使いやすいと言えるものではない。

確かに、4インチを超える大型画面を搭載した端末が標準仕様になりつつある現在、片手操作で端末下部にある戻るボタンを親指で押すのは容易ではない。その点、パンくずリストがあれば上の階層に戻ることも自由自在だ。しかし、フォルダ名が長い場合も省略されずに表示されているのでパンくずリストに見切れが発生する。見切れ自体は横スクロールで全て表示できるのだが、どうも操作がし難かった。

ブックマーク画面

上記画像のようにパンくずリストが見切れて表示されるのだが、実際は「ブックマーク>パソコンのブックマーク>ガジェット速報_test」という3階層構造になっている。もし、「ブックマーク」という一番上の階層に戻りたい場合は、パンくずリストを右にスクロールさせ、見切れている「ブックマーク」という部分を表示させた上でタップするしかない。この操作をするよりは戻るボタンを2回押した方が遥かに楽に感じた。また、日本語環境ではフォルダ名が長くなりやすく現在位置を把握する役目も活かしきれていない。この辺りが改善されればずっと使いやすくなるはずだ。

タブ切り替え操作が気持ち良い

Chromeのタブ切り替えは快適だ。複数のタブを開いている状況で、画面端から真横に向かってスクロールすることで隣のタブに移ることができる。下はタブを移動しているときの連続スクリーンショットだ。左端・右端に到達するとウィンドウが傾いて「端」にいることを教えてくれる。

例えば、この機能はニュースサイトなどで効果を発揮する。ニュースサイトのトップページで気になるニュース記事を次々と新しいタブで開いていく。一通り開き終わったら、この切り替え機能を使ってタブを次から次へと移動していくのだ。一通り読み終わったら、タブ選択画面を開いて、タブを画面外に弾く動作でどんどん閉じていく。「全てのタブを閉じる」ボタンで一気に全部閉じても良い。

タブ選択画面

オプションに「すべてのタブを閉じる」
ボタンが存在する

ブラウザの一般的な機能を一通りサポート

 リンクを長押しした際の「リンクテキストをコピー」や「リンクのアドレスをコピー」、「ページ内テキストコピー」といった当たり前の機能はもちろん付いている。テキストを選択した後に、画面上部に現れるメニューから「コピー」「共有」「検索」などを選ぶ仕組みだ。ちなみに、共有はGmailでの送信やTwitterクライアントとの連携など、インストールされているアプリに応じて様々なものが用意される。

リンクテキストに対する操作

リンクテキストを長押しすることで
表示されるメニュー。
この辺りは他のブラウザと変わらない。
ページ内テキスト選択メニュー

文字を選択し、画面上部にある
メニューから操作を選択する。
個人的にはアイコンが示す意味が
分かりにくい。
左から、「全選択」「コピー」
「共有」「検索」だ。

エクステンション機能は現時点で未実装、Flashはサポートせず

 ブラウザに機能拡張を加えるエクステンション(アドオン)機能は現時点ではサポートされていない。しかしながら、将来的に追加されることも考えられる。これについては、Googleがモバイル版Chromeをどのような位置づけで推進していくかに左右されそうだ。出来る限り軽量で、簡潔なデフォルトブラウザにしたいのであればエクステンション機能は排除され続けるかもしれない。

なお、Adobe Flashについては、Adobeが既にモバイル版Flashの開発を終了したことに伴い対応しないことを正式に発表している

Android 4.0環境でFlashを利用できるブラウザは限られてくることになるが、Android自体がバージョンアップを繰り返すことでFlashが使えなくなることが予想されている。早ければAndroid 4.1で使えなくなる可能性もあるのだ。したがって、Flashを利用できないChromeのデメリット(!?)は時期に取り沙汰されることもなくなるはずだ。

PCとの連携は寝モバに便利

 寝ながらモバイル、通称「寝モバ」に便利なのがPCとの連携機能だ(この部分は便所deモバイルでもOK!)。この連携機能を使えば、パソコン版Chromeで開いていたタブをAndroid版Chromeで再現することが可能になる。使用するには、パソコン版ChromeとAndroid版Chromeで同じGoogleアカウントを使ってログインすればよい。IPアドレスの指定など、難しい設定は何ひとついらない。当然ながら、会社・学校でのChromeの状態を3G回線のスマートフォンで再現することも可能だ。Googleに接続できる環境さえあれば、Googleアカウントで結びつくためネットワーク環境は影響しない。

PC版Chromeの設置メニュー Android版Chromeの設定メニュー
PC版Chromeでタブを開いた状態

このタブの状態が
Android版でリストとして表示される
Android版Chromeの状態

端末ごとに同期される

管理人は寝る前にスマートフォンを少し弄ってから寝る習慣があるのだが、PC側であらかじめ見たいページを開いておけば寝モバ環境で続きを楽しむことができる。なお、Youtube・ニコニコ動画の動画ページを開いておいて…と試してみたのだが、暗黙的インテントでは開くことができず「ニコニコPlayer(仮)」や「Youtubeアプリ」で再生することは不可能だった。この辺は対応を待ちたい。

ベンチマーク

ツイッターでご依頼があったうちの1つにベンチマーク測定があったので、ここでご紹介する。使用したベンチマークは「SunSpider 0.9.1」。これはJavaScriptに特化したベンチマークであり、昨今のJavaScriptを多用したページの動作に深く関わる。(※時間の都合上計測は2回しか行っていないため、参考値として捉えてください)

標準 Chrome
1回目 : 1998.8ms
2回目 : 2035.1ms
1回目 : 1850.6ms
2回目 : 1855.6ms

2回計測した結果、若干ながらChromeが速い結果となった。とはいえ、誤差を考慮すると「殆ど変らない」と考えた方が良い。

重視する機能で別れる評価

Chrome for Android betaは、ベータ版ながらもとても良くできた仕上がりになっている。PC版Chromeユーザーもきっと満足できる出来具合だ。その一方で、Adobeがモバイル版Flashの開発を停止したことで「Flashを見ることができない」といった外部的要因によるデメリットが発生している。

個人的には、描画されるフォントの美しさやスムーズな動作、そして軽快なタブ操作を考慮するとChromeをデフォルトブラウザとして利用したいところだ。

現時点ではAndroid 4.0のみをサポートしているため、使用できる機種が実質的にGALAXY Nexusに限られるが、春頃には様々な機種がAndroid 4.0に対応すると思われる。その頃には様々な不満点も改善されているだろう。ぜひ、ご自身の端末がAndroid 4.0に対応した際には「Chrome」を体験してほしい。

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