電子書籍で復刻 絶版マンガ・専門書が続々

 年内にもアマゾンによる電子書籍配信が日本で開始される*1ことに伴って、2012年は「電子書籍元年」になるものとみられていますが、電子書籍のメリットはタブレット端末を使った読書や、書籍の低価格化だけなのでしょうか。

*1 アマゾンCEO ジェブ・ベゾス氏が公式に「日本地域での年内開始」をコメントしている。

 実は、ネット上で注目を浴びてるメリットの一つに「絶版本の復刻」があります。AmazonやiTunes Storeなどの強大なプラットフォーム上で販売できるという必須条件があった上で、物的在庫を持たない電子書籍の特徴を活かした「ロングテールを攻める」売り方の一つです。

 このモデルが構築されれば、プラットフォーム提供者・出版事業者・ニッチを求む消費者の3者にとってメリットが生まれます。特に、絶版本を読みたいという知的好奇心が満たされる消費者においては、非常に高い満足感が得られることでしょう。

 絶版本の特徴として、需要と重版コストのバランスが極めて悪く、重版が実質不可能であることが挙げられます。それに比べて電子書籍では、コストは発生するものの一度データ化を行えば長いスパンでニッチ需要に応えられるのです。

 実例では、「ゲーム・ラボ」「ラジオライフ」で知られるマニア向け書籍の出版を手掛ける「三才ブックス」による「トランシーバ改造マニュアル」復刻事例があります。

ラジオライフ復刻版 「トランシーバ改造マニュアル」アプリ|読売オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/net/newproducts/software/20120316-OYT8T00583.htm

 三才ブックスは2012年3月15日、マニアの間で今だに高いニーズがあるにもかかわらず、印刷物としては重版困難だった「トランシーバ改造マニュアル」3冊を iPhone/iPad 向けの電子書籍として出版した、と発表した。

iOS 3.1以降に対応。iTunes App Store で販売中。価格はそれぞれ450円。

同アプリは、1990年から1992年にラジオライフ別冊として発刊された「トランシーバ改造マニュアル」を、当時の印刷物からスキャンして作成した電子ブック。90年版、91年版、92年版をそれぞれ1冊ずつ電子ブック化している。

  アナログ無線に関しては20年前の情報でも参考になるものが多い一方で、無線愛好者の減少にともなって需要が大きいものではありませんでした。印刷物にはできないが、電子書籍なら可能という好例ではないかと思います。

 また、絶版マンガの電子書籍化を手掛ける「Jコミ」は最近になって「TRPG」の古いルールブックを無料配信することについて出版2社から前向きな回答を受けたとコメントしています。

 TRPGも愛好者が年々減少傾向にあり、いまだ根強いファンが居る一方で印刷物としての復刻は不可能に近い状態でした。

 アマゾン電子書籍配信の日本参入に伴い盛り上がると思われる、日本の電子書籍市場。利用人口が増えるにつれてこのような「絶版復刻」が次々起こるものとみられています。電子書籍の醍醐味はここにあるのかもしれません。

[読売オンライン]
[Togetter]

この記事は みそしる様よりネタ投稿をいただきました!
ありがとうございます!
また、「電子書籍の醍醐味」を使わせて頂きました。

(私信:4月発表のAmazon参入を待っての公開を予定していましたが、
参入自体が遅れるようなので、このタイミングで公開することにしました。)

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