ソフトバンク、FDD-LTEの整備を発表 ドコモやauと同方式に

 本日、ソフトバンクモバイルがNTTドコモの「Xi」などで採用されている「FDD-LTE」を今秋以降に提供することを発表しました。また、FDD-LTEに対応するスマートフォンを前倒しで導入し、今秋以降のサービス開始時には対応機種が揃っている状態を作るとのことです。(前倒しの件はimpress ケータイWatch

 FDD-LTEとは、旧来3.9G世代(今では4G扱い)と言われていた次世代高速データ通信「LTE」の中でさらに分岐してる方式のうちの1つです。日本ではNTTドコモの「Xi」で採用されており、KDDIが同じく採用予定です。アメリカではAT&Tやベライゾンが同じ方式を用いており、最近では「iPad 4G/Wi-Fi版」の対応が話題になりました。

 一方、ソフトバンクモバイルは傘下のワイヤレス・シティ・プランニング社が運用するAXGPという規格を採用しており、これはドコモなどが採用するFDD-LTEとで語られる「TDD-LTE(通称:TD-LTE)」と完全互換となっています。“対”なのでFDDとは互換性がありません

 非常にややこしいことに、さらに周波数帯ごとに「バンド」と呼ばれる概念があるのでFDD方式を採用しているからといって全世界のFDD対応端末が利用できるわけではありません。実際に、FDDに対応したSIMフリー「iPad 4G」はバンドの違いからNTTドコモ「Xi」では使用できないのです。

 AXGPによる路線をしばらく堅持すると思われたソフトバンクは、なぜここにきてドコモなどが採用するFDD方式を推し進めることになったのでしょうか?

 その理由に、米アップルのiPhoneおよびiPadがFDD方式のLTEに対応することが強く影響しているものと思われます。2012年12月には、ライバルのKDDIでもFDD方式のLTEサービスが始まるので、ソフトバンクとしては「ソフトバンクのiPhone5はLTEが使えない!」ということは絶対に避けたいことなのではないでしょうか。

 なお、このタイミングで発表に至った経緯として考えられるのは2つあり、1つ目はチャイナモバイルとアップルが結んだといわれる「TDD方式の新型iPhoneを発売する」という約束が破断になったか、または大幅に先送りされた可能性があるということです。

 この件について何の発表もありませんので完全な推測でしかありません。そもそも、約束自体もチャイナモバイルの会長側からしか明らかにされていないので存在しているのかも定かではありません。

 新型iPadはチャイナモバイルが採用するTDD方式には対応せずFDDのみの対応でした。今後もTDD方式のiPhone / iPadは出ない可能性があります。となると、TDDと100%互換であるAXGP採用するソフトバンクとしてはFDD方式にも舵を切る必要があります。

 とはいえ、ソフトバンクがFDD方式を採用しても前述したようにドコモのXiでSIMフリー版iPad 4Gが使えないように、日本のバンドは世界の主要なバンドとは異なります。可能性としては、ソフトバンクはアップルから「iPhone5でのTDDの採用は見送り。日本(+北欧)のバンドにも対応したLTEチップを採用する」という情報を得ているのかもしれません。

 さて、2つ目の理由は陰謀論のようなものなので読み飛ばして頂いて結構です。

 2つ目の理由はプラチナバンド900MHz帯を正式に獲得したことです。旧ウィルコムが進めていた次世代XGP方式は国産技術育成を目的としたものであり、総務省の鳴り物入りでした。この技術を継承するAXGPを打ち出すことに加えて旧ウィルコムを救済したことが、900MHz帯の獲得を後押ししたという見方も存在します。

 XGPを拡張しAXGPと称しているものの、メインはTD-LTEです。900MHz帯獲得が正式に決まり、さらに電波オークション制に移行することが濃厚であることから、役人の思い通りに動く”良い子”を演じる必要がありませんので、本当にやりたかったFDD方式への参入を明らかにしたのかもしれません。まさに、行政と闘ってきたソフトバンクらしい行動です。(※賛否両論ありますが)

 長くなりましたが、電波に関してさらに詳しい方が当サイトをご覧頂いてる方に多くいらっしゃると思います。コメント欄などでソフトバンクの思惑や日本のLTEについて議論されることを祈っております。

 (正直なところ、ソフトバンクが何をしたいのかよくわからないくらいに混沌としてます。間違いがあるかもしれません。コメント欄でツッコミお待ちしております。)

[ソフトバンクモバイル公式]

2012/04/02 20:41 JST 一部誤解がある表現がありましたので下記の通り加筆致します
旧:AXGPによる路線を堅持すると思われたソフトバンクは
新:AXGPによる路線をしばらく堅持すると思われたソフトバンクは

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