【レビュー】Amazonデータ通信SIMを使ってみた 速度は上々

5月31日、突如サービスが開始されたAmazonのデータ通信サービス。日本通信が専用のSIMカードを貸し出す形で始まった同サービスは、電子書籍リーダー「Kindle」の日本上陸を間近に感じさせるものだ。

昨日注文した「bモバイル4G Amazon.co.jp限定販売 高速定額」の標準SIM版が早々に到着したので、契約から通信速度(3G)を含めたレビューをお届けする。

なお、今回注文したものは「標準SIM版」であるが、兄弟商品にSIMフリーiPhoneなどで使用できる「micro-SIM版」も存在する。違いはカードの大きさだけだ。

ほかの商品とおなじく配達はスピーディー

今回発売されたデータ通信SIMは、Amazonに並ぶ通常の商品と同じく「お急ぎ便」に対応している。プレスリリースを見て注文したのが5月31日の正午頃、届いたのが翌6月1日の午前だった。Amazonのスピードには毎回恐れ入る。

宅配便業者が持ってきた荷物は予想に反して大きい。データSIMは紙ぺら1枚のようなものであるため簡易的な梱包を予想していたが、お急ぎ便だからなのか、配送事故を防ぐ目的なのか詳細は分からないが大きな箱で届いた。


商品はゴールドのグラデーションではなく、Amazonの箱をイメージしたものだった

裏面には使用できる端末の案内と、通信サービスの案内が記載されている

裏面にはSIMカードに割り振られた「電話番号」と「USIM No.」が記載されている。この情報は本登録時に入力する必要があるので、破らずに大切に保存しておこう。なお、電話番号が割り振られているが通話ができる訳ではない。


回線はNTTドコモ→日本通信→Amazon専用のため、ドコモのSIMカードが届く

台紙からカードを取り外すと普通のSIMカードになる

利用者情報の登録 デビットカードは利用不可

SIMカードを差せば即座に使えるというものではなく、はじめに利用登録を行う必要がある。

記載されている b-mobileの公式サイトにて登録を行うのだが、後日、登録した住所に居住確認の為の「確認コード」が郵送される。この確認コードを入力しなくとも登録すればすぐに利用できるのだが、1か月以内に確認コードを入力しなければ利用停止となり、その後10日間で自動解約となるため注意が必要だ。

利用登録自体は至って簡単で、USIM情報、利用者情報を入力した後に、有効なクレジットカードを登録する。なお、デビットカードは使用できない


VISA、マスターカード、JCBはもちろん、アメックス、ダイナースも利用できる

初めに「b-mobile ID」の登録を行う形でメールアドレス認証を行う必要がある。これも一連の手順の中に組み込まれているので、難しく感じることはなかった。

メールアドレスとパスワードを入力し、自動送信される認証URLをクリックするだけだ。ちなみに、docomo.ne.jpなどのキャリアメールは使用できない。


登録の際はメインで使用しているアドレスを使おう
GmailやYahoo!メールも利用できる


ここで登録した住所に後日、確認コードが郵送される

 次に、SIMカードの「電話番号」と「USIM No.」を入力した後に、利用者情報の登録となる。ここでいうSIMカードの電話番号とは、自分の連絡先ではなく「商品裏側に記載されている電話番号」だ。同じ場所にUSIM No.も記載されているのでそれを見ながら入力する。

その後にクレジットカードを登録すると手続きは完了だ。このクレジットカードに対して毎月の請求が行われる。なお、途中で解約しても違約金は一切発生しない。


この写真のモザイク部分にSIMの電話番号とUSIM No.が記載されている


完了画面

登録完了から回線開通までは約15分となる。開通すれば登録したメールアドレスに対して「開通手続き完了のお知らせ」が届くのでそれを目安にすると良い。

ただし注意が必要であり、夜8時(20時)以降に回線手続きを行うと翌日の朝9時15分までの開通となる

APN情報を登録すれば利用開始

普段、ドコモショップなどで契約していると意識することはないが、このような通信サービスを使うには接続先やパスワードなどの「APN情報」を端末に入力する必要がある(初回だけ設定が必要)。

設定値は説明書に記載されており、そのままの値を入力するだけだ。設定方法については各機種毎に違うため、公式サイトを参考にしてほしい。基本的には「設定→モバイルネットワーク」関連のところに設定項目がある。

設定値は記載されている「APN」「ユーザー名」「パスワード」「認証タイプ」の4つ以外に、設定に対する名前を自由に決めて入力する必要がある。それ以外の値については基本的にデフォルト値でよい。

3G通信速度はおおむね良好

 (*大変恐れ入りますが、今回は3G回線のみの速度測定となります。測定するときになってLTE対応機種がないことに気づきました…。夏モデルからLTE対応予定です…!)

速度測定は「GALAXY Nexus(SC-04D)」で行った。時間帯は金曜の17時頃、FOMAハイスピード対応エリアで基地局から直線距離320メートル(GoogleMAP上)。遮蔽物なしの見通しが良い場所、屋外で測定を行った。

■Amazon SIM


■ドコモSIM

b-mobile / Amazon専用SIMの場合、下りは1Mbps前後で推移した。一方のドコモSIMの場合、下りは3Mbps~3.53Mbpsと、Amazon専用SIMよりも約3倍の速度を記録している。

ただし、ドコモSIMの「上り」については10回以上計測しても0.39Mbpsで止まっているため、384kbpsの混雑制限にかかっている可能性がある。

以下に、画像掲載とは別に新たに10回計測した結果を表にして掲載する。

■Amazon SIM

回数(回) 下り(Mbps) 上り(Mbps) ping(ms)
1 1.10 0.39 260
2 1.67 0.43 323
3 1.27 0.18 1255
4 1.48 0.43 296
5 1.09 0.18 304
6 0.76 0.15 523
7 0.97 0.19 478
8 1.18 0.16 414
9 1.68 0.14 979
10 1.57 0.12 234
平均 1.27Mbps 0.23Mbps 506ms

■ドコモSIM

回数(回) 下り(Mbps) 上り(Mbps) ping(ms)
1 3.73 0.39 239
2 3.90 0.39 1033
3 3.04 0.39 259
4 3.63 0.39 255
5 3.24 0.39 270
6 3.69 0.39 636
7 3.70 0.39 265
8 3.58 0.39 263
9 4.02 0.39 240
10 4.04 0.39 459
平均 3.65Mbps 0.39Mbps 391ms

増える選択肢 利用シーンを選ぶ面倒さと引き換えに安さを入手

このプランは、WebブラウジングやTwitterなどのテキスト中心の利用シーンになると想定される。なぜなら、動画などを見てしまうとあっという間に通信量上限の500MBを超えてしまい制限に到達してしまうからだ。そのような場合はキャリアの「パケホーダイ」の方が安くなる。

MVNOは「利用シーンを自分で考え、最適なプランを選ぶ手間」と引き換えに「安さ」を実現するものといっても良い。

IIJの高速モバイルプラン「IIJmio」や「イオンSIM」など、通信速度が128kbpsと低い代わりに格安のプランでも存在する。テキスト中心の使い方であれば128kbpsで十分という方も多いはずだ。そのような場合はさらに安い左記のようなプランを選択するとよい。

また、「IIJmio」の場合は「チケット」という概念で速度と上限通信量を引き上げることが可能である。その上、「ファミリーシェア1GBプラン」ならば月額2,940円で1GBの通信量が付いてくる。追加チケットは525円単位で100MBを追加可能だ。「IIJmio」の人気が高いのはそのような柔軟性の高さと価格のバランスにあると思われる。毎月の使い方が変わる場合など、柔軟な可変性を望むならば最適なプランだ。

では、月額1,980円のAmazonSIMはどのような利用シーンでおすすめなのだろうかと考えてみると、「適度に安くて適度に使える」というファジーさにあるのかもしれない。「IIJmio」の1GBでは多すぎるから1,000円安い方が良いという方にはぴったりだ。

ここまで読んで「わけがわからない!」という方には、ぜひともキャリアの「パケホーダイ」をお奨めする。管理人は「考えなくて済む」という事にも大きな価値があると考えている。悪い言い方に聞こえるかもしれないが、面倒ならばお金を多く払えばよいのだ。

これは格安航空機チケットにも言えるであろう。ダイバートや運休時のサポートが全くない限りに安いLCCを選ぶか、それとも、不測の事態が生じた際に何も考えずに済み、至れり尽くせりを手に入れる代わりに高い料金を払ってJAL・ANAを選ぶかの違いと若干似ている。

賢く選ぶか、楽を取るか非常に悩ましいところではあるが、その悩みが少しだけ楽になるファジーさを持ち合わせているのがこの「Amazon専用SIM」であると考える。

自身の使い方や使う機器(スマホ・タブ・カーナビなどによって選ぶべきプランも異なる)を精査して、最適なプランを見つけて欲しい。これもガジェットライフの醍醐味の一つであることは間違いない。

情報があり、選択肢もある今の時代だからこそ、選び方も使い方も自由自在なのだ。

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