LGの次世代ディスプレイ、韓国の国策事業に指定

韓国DDailyは29日、LGディスプレイがサムスンモバイルディスプレイを追い抜いて、韓国政府の国策事業者に指定されたと伝えています。この決定により、LGディスプレイには今後6年間で640億ウォン(約44億7800万円)の政府資金が投入されます。

今回対象となった分野は「透過型フレキシブルディスプレイ」です。LGの計画によると、2020年までに透過型フレキシブルディスプレイの世界シェアを70%獲得するとしています。

LGディスプレイは今回の決定により、曲率半径10cmかつ40%以上の透過率を持ち、さらに60インチ以上の3840×2160ピクセルの超高解像度・透過型フレキシブルディスプレイを研究開発するとのことです。

韓国政府に提出した事業計画に基づき、パートナー企業と共同で開発プロセス・デバイス・材料に関する研究を行った後に、パネルとモジュールの開発に取り組む計画です。同時に、同製品を活用するためのユーザインタフェース(UI)の開発も並行します。

さて、ここまで読んでピンとこない方も多いのではないでしょうか。一体何ができる製品なのかイマイチ分かりにくいところです。まずは下の動画をご覧ください。

透明のフレキシブルディスプレイは、8年後に訪れるであろう新たなディスプレイの形そのものであることが何となく分かって頂けた…かもしれません。

今回は60インチ以上の4kディスプレイということで、主な用途は、ハイエンド向け家庭用・壁埋め込み型ディスプレイや、デジタルサイネージ、教育の分野で大きな力を発揮するものです。極端な例だと、15年程前に「未来の生活予想」で出ていたような、壁に画びょうで止めるタイプのポスター型テレビといった感じです。

例えば、上画像のような地下鉄駅によくある構造柱。この表面に60インチのディスプレイをペタリと貼り付けるといった実用方法が期待されます。

上の画像は秋葉原駅のデジタルサイネージですが、こちらは初めから埋め込むことを前提にした建築設計がなされています。これだと自由度が低いだけでなく、既存の建物では利用しにくいといった難点がありました。

もちろん上の動画にあるように、ディスプレイの他にもインバータをはじめとし装置、映像送出・受信機器が必要となりますので、ポスター完結型というのは8年以内には無理なのですが、秋葉原駅のデジタルサイネージにあるようなタイプとは比較にならないほど自由度が高くなります。そしてコストも下がります。

4kディスプレイを活用した国策事業のターゲットが、テレビではなく透明型フレキシブルディスプレイである点と、UIの開発を並行する点が流石といったところです。

なお、今回の業者選定にあたっては、透過型・フレキシブルディスプレイに対してコンペ形式でサムスンとLGが争っていたので、日本勢が全力で舵を切る「中小型向け高精細ディスプレイ」は “国のお金を投じるほど有用ではない” と、そもそもの段階で韓国政府に蹴られてしまったようです。

誤解無きように書くと、日本勢は今を乗り切るための必要な策ですので一様には比較できません。しかしながら、将来の技術開発という点では心配してしまう事ではあります。

[DDaily via THE VERGE]

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