2009年から始まった、現存する世界最古のコンピュータ「WITCH」の動作復元プロジェクトがついに完成を迎えました。巨大ながらも繊細なマシンは、60年という歳月を経て華麗に演算を始めたようです。

WITCH(正式:Harwell Computer)が作られたのは約60年前のこと。1949年に製造がはじまり、1951年に利用が開始されました。

英国で最も古いコンピュータであると知られると同時に、現存するコンピュータの中では最も古いものに当たります。同国の原子力研究施設で大量の演算を行うために利用されていましたが、その当時のコンピュータ同士を比較しても計算速度は決して速くはなく、速さよりも正確性を重視したマシンであったようです。

2つの数字を乗算するのに約10秒程度の時間がかかりましたが、人間が寝ている間も計算を続けることに重きが置かれたようで、1週間の間に80時間も稼働することができました。

WITCHは原子力研究所で1957年まで利用された後に、教育目的として1973年まで活躍。その後は分解されて英国のコンピュータ博物館に保管されていました。

3年もの歳月が費やされたプロジェクトですが、出来る限り当時の部品をそのまま使用することを重視し、新たに製造した部品は最小限に抑えられているとのことです。480のリレーと828個ものデカトロン管を含む大半の部品がオリジナルというから驚くばかり。近代の産物であっても保存することを尊重した人々の思想が、この復元プロジェクトを実らせたことは間違いありません。

復元された同コンピュータが設置されているのは英国Bletchley Parkにあるコンピュータ博物館。今月20日の完成式典を経て一般公開される見込みです。

[BBC via THE VERGE]