アップルのマルチタッチに関する極めて重要かつ “脅威” であった特許が暫定的に無効と判断されました。

米国特許商標庁(USPTO)は3日、アップルの「マルチタッチ特許(No.7,479,949)」を暫定的に無効とする判断を下しました。請求事項20件すべてが無効と判断されており、2007年のiPhone初披露時に「特許も取得済み!」と発表して会場を沸かせた特許が無かったことになることは不可避とみられています。

発明者が故スティーブ・ジョブズであったことから「スティーブ・ジョブズ特許」とも呼ばれる同特許ですが、この特許はマルチタッチデバイスが過去のタッチデバイスと異なる点として極めて重要であった「操作の曖昧さを正確に判断する」というものが主に請求されたものです。

もう少し突っ込んで説明すると、例えばページを上下にスクロールする際、画面上で正確に上下に向かって直線を描ける人はなかなか存在しません。大抵の場合は少し曲がった曲線になるものです。また、片手操作で親指で上下スクロールする際、直線というよりは斜めの曲線になると思います。しかし、そういった曖昧な操作も「全て上下の直線」として認識されるのは、この特許で請求されている考え方を用いた結果です。

ロック解除ボタンに対して並行な水平線を描ける人はなかなか存在しない
どの程度のズレまでを許容するかによって、使い心地が変わってくる

また、ピンチ操作の実現に必要なものや、水平に軌跡を描かなくても水平と認識されるといったものが請求されているのもこの特許になります。

今年10月にはラバーバウンド(画面端までスクロールした際、跳ね返るエフェクト)の特許が無効と判断されたばかりですが、今回で2度目の無効判断となる見込みです。

アップルはこの他にも多数のマルチタッチ関連特許を保有していますが、今回の特許はその中でも基本的かつ重要なものであったことは言うまでもありません。

その一方で、マルチタッチ操作は昨今のインタフェースで極めて重要な要素ですので、その基本的な特許が無効と判断されることは他社にとっても大きな意味を持ちます。

[FossPatents via 9to5Mac]