WindowsPhone8を搭載したHTC 8Xの触り心地をチェック

今回はHTC製の「Windows Phone 8X」に触れる機会がありましたので、触り心地をチェックしてみます。

レビュー機は、端末の輸入販売を行っているEXPANSYS Japanさんからお借りしました。すでに多くのブロガーさんを渡り歩いてきた機種なので、開封レポートは割愛します。なお、台湾メーカーHoomia社のイヤホンもお借りしたので併せて取り上げてみたいと思います。

スペックのおさらいとWindows Phoneの決まりごと

Windows Phone 8X(HTC 8X)は台湾メーカー「HTC」が鳴物入りで投入したWindows Phone 8搭載のフラグシップ機にあたります。スペックをおさらいすると以下の通りです。

CPU 1.5GHz デュアルコア
Snapdragon S4 MSM8960
RAM 1GB
内蔵ストレージ 16GB
ディスプレイ 4.3インチ液晶
解像度 1280×720
背面カメラ 800万画素 裏面照射型CMOS
28mm広角レンズ F/2.0
前面カメラ 210万画素
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n
Bluetooth Bluetooth 3.1
NFC 対応
Beats Audio 対応
オーディオ専用アンプ 内蔵
バッテリー容量 1800mAh
重さ 130g
サイズ 132.35(H)×66.2(W)×10.12(T)mm

Android機と比較しても見劣りしないスペックを有しています。MSM8960やRAM 1GBなど、押さえる所は抑えて、WP8から新たにサポートされた解像度のディスプレイを搭載しています。

マイクロソフトはスペックに一定の制約を設けているので、「フルHD液晶搭載」といった突飛な端末をメーカー側は勝手に作ることができません。これが、端末の断片化を防ぐ役割を果たしています。

その一方で、上記のような制約があるので「WPの端末は個性が出にくい」とも言われています。しかしながら、アプリ製作者やOSアップデートを行う際にはそれがプラスに働くのです。

そんな制約が存在することもあり、各社、デザインや付加機能で勝負する流れが今のWindows Phone端末です。HTC 8Xの「Beats Audio対応」や「オーディオ専用アンプ内蔵」といった要素はその典型例といえます。横並びになりがちなWP端末において、こういった味付けが他社との差を付ける要素になっているのです。

際立つ、WP8らしいビビッドカラー

今回お借りしたのはブルー色。表記上はブルー色ですが、どちらかというと「ききょう色(#4347A2)」に近い紫寄りの青になります。

背面と側面はラバー加工が施され、手に持った際のフィット感は抜群。「htc」ロゴは彫り込みのような仕上がりがなされており、ビビッドかつフラットな端末にアクセントを加えます。

右側面の下部にはシャッターボタンを配置。一般的なデジカメと同じく半押しでオートフォーカス(AF)が効き、しっかり押し込むことでシャッターを切ることができます。


電源ボタンなども含めたボタンの押し心地は、柔らかいながらもしっかりとした反動を得られる作りです。とはいえ、エッジが細くなる筐体デザインに合わせてボタンも細いので、押しにくさを感じることもありました。

発熱の度合いは標準的ですが、ラバー加工がなされているので金属やガラス素材、プラスチックとはまた違った柔らかい温かみを感じます。この辺りはHTCの過去機種とも同様ですが、丸みを帯びたラウンドデザインなのでより一層そのことを感じさせてくれます。

なお、バッテリーの交換は不可。microSDは非対応です。WP8からはmicroSDカードに対応するので、この仕様を残念がる声は少なくありませんでした。内蔵ストレージが少ない下位機種「Windows Phone 8S」はmicroSDに対応します。

HD解像度で視認性UP、輸入機は日本語ロケール搭載せず

HTC 8Xは日本語のロケール(言語パックのようなもの)を含んでいませんので、各種UIが外国語表記になります。そんなこともあって日本ユーザーが輸入しても敷居が高いと言われているのですが、文字入力は日本語にも対応しています。ただしフォントがいわゆる “中華フォント” になってしまう点は注意が必要です。

左:メニューなどの表記は全て英語に
右:いわゆる中華フォントになる(曜の文字に注目)

さて、WP7.x世代でもいえることですが、タッチパネルの精度というか挙動はiPhoneと非常に似ています。iPhoneを常用する人がAndroidを使うと「スクロールなどに違和感がある」と感じる場合がありますが、WP端末では違和感が限りなく少ないと思われます。一方、Androidを常用している人には逆のことが言えます。スクロールは非常になめらかで俊敏。まさにそんな言葉がぴったりです。

解像度が1280×720に対応したということもあって、旧富士通東芝のIS12T(800×480)よりも視認性は格段に向上しています。特にウェブページを全体表示させた際の違いは顕著で、ガジェ速で比較すると、IS12Tでは最新コメント5件の文字が読めないレベルでしたが、HTC 8Xはしっかり読むことが出来ます。(※IS12Tの液晶がイマイチな品質だったということもありますが)

個人的には、解像度の低さがWP端末の常用を躊躇する原因だったので、そこが解消された点が嬉しいです。

柔軟なタイルサイズ、メリットが明確に

WP8からはタイルのサイズ変更が可能になりました。具体的には1×1、2×2、2×4の3種類を選択できます。

使用頻度が高いものは押しやすさを優先して「2×2」、頻度が低いものは「1×1」にするなどの使い分けが可能です。一番大きい「2×4」はライブタイルのメリットを活かすものに使います。

例えば、タイル全面に『天気予報と温度を表示させたい!』といった場合は、情報量が増える2×4を使います。

標準地図、日本では使い物にならず

現時点において、標準の地図アプリは日本で “ほぼ使い物にならない” 状態です。というのも、WP8からはノキアが提供する「Nokia Maps」を採用しており、そのNokia Mapsが日本地域にほぼ対応していないも同然だからです。

左:WP8標準地図 / 右:Google maps
Google mapsは交通情報もONにした状態

日本参入の際には改められると思われますが、輸入して使う事を検討している方は注意が必要です。

Xbox Liveとの親和性は抜群

WP8からはXbox Liveとの連携がより親密になりました。もちろんSmartGlassも使えます。

Xboxというキープラットフォームが完成している以上、Windows PhoneというOSでも活用するのが当然の流れです。Xboxアカウントを持っていればアバターや実績をWP端末で継続できます。

iOSやAndroidではゲームが個別のアプリとして存在していますが、WP8では「Xbox Live」の中にすべて統合されています。ある意味「ゲームの窓口」的な存在といえるでしょう。なお、デモ版も提供されており、「FINAL FANTASY」や「Angrry Birds」といった人気ゲームの冒頭部分を無料で試すことが出来ます。

SkyDriveと連携して即座にアップロード可能

Microsoftアカウントを登録さえしておけば、カメラで撮影した画像を即座にSkyDriveに保存するとが可能です。自動アップロードを希望しない場合は、複数選択式で一気に保存できます。

左:SkyDriveにアップロードするファイルを個別に指定可能
右:複数のファイルをSkyDriveにアップロードする際にはキューが表示される

回線種別によってアップロード品質を変更することが出来るので、「ハイクオリティな画像のアップロードはWi-Fiのみ」といった設定が可能です。なお、Photoアプリ(いわゆるギャラリー)からは、SkyDriveに保存された画像を直接参照することも出来ます。

WP8を楽しむための選択肢

日本語ロケール未搭載が非常に惜しいですが、Windows Phone 8というプラットフォームを体験するのに適した端末といえます。スペックとデザインのバランスがとれており、完成度が高いと感じました。一方で尖った個性ががありませんが、WPというプラットフォームならではなのでご愛嬌といったところ。

WP8というOS自体に目を移すと、マイクロソフトが繰り出すプラットフォーム戦略の土台は整ったと言えます。例えば、Xbox 360をメインに遊ぶゲーマーにとって、もはやWP向けゲームにおける実績(スコア)は見逃すことができません。PCはWindowsで始まり、ゲームをXbox 360で揃えたら次はスマートフォン。行く行くはタブレットも…。もちろん、絵に描いた餅になる可能性もありますが、土台は整いました。

日本ではキャリアによる独自カスタマイズが極めて進んでおり、Androidで突き進んでいくかのような体制が整いつつあります。そうなると、いまさらWindows Phoneというプラットフォームが日本に根付くのか判断に困るところです。

日本で普及させるにはキャリアによるプッシュが欠かせません。NTTドコモと日本マイクロソフトは、ビジネス用途でWindows 8を推進する業務提携を行いましたが、同様に、WP8はビジネス向けとして導入される可能性があります。

仮に、日本でHTC 8Xが発売されるならば購入候補の一つになることは間違いありません。しかし、問題は発売されるか否かという点。そんなことで悩まなくてはならない現状が実に惜しいと感じさせてくれる端末でした。

番外編:Beats AudioとHoomia社のイヤホン

Beats Audioについては各所で取り上げられているので、いまさら語るのも忍びないのですが、同時にお借りしたイヤホンに触れながらBeats Audioについても取り上げたいと思います。

まずBeats Audioですが、これはHTCが買収したヘッドフォンメーカー「Beats Audio」社との技術提携で実現した音響技術です。原音を忠実に再現できるという点をウリにしています。

実際に使ってみた感想はというと、HTC 8Xの場合は「音量が大きすぎる」という点が音質以前に目立ってしまいます。音量が大きくなるのはBeats Audio搭載機全般にいえることなのですが、HTC 8Xの場合は最低音量「レベル1」でも耳が痛くなるほどの大きさです。

貸与期間の都合で原因を探ることはできませんでしたが、ちょっと常用はキツイかな…といった感じです。ちなみに、同じHTC製でも「HTC J Butterfly」は最低音量で耳が痛くなることはありません。とはいえ、Beats Audioをオンにした場合は音量を一定以上確保しないと音飛び現象が発生しますので、どのみち音が飛ばないレベルまでボリュームを上げると耳が痛くなります。

もちろん個人差はありますが、個人的には聴力に影響が出るレベルだと感じているので常時オフにしています。

さて、前置きが長くなりましたが、音質の向上効果は明確に分かります。というのも、モバイル機器やイヤホンで失われがちな低音・高音の両方を誇張する仕上がりになっているからです。恐らく、第一印象は「すごいクリアに聞こえる」といった感想が多いのではないでしょうか。

通常、DAPを使う環境ではドラムのシンバル音などが不明瞭でシャカシャカと不快な音になりがちですが、Beats Audioを適用するとハッキリと1つの楽器として区別されます。その代りにノイズも誇張される傾向があり、これは高音をクリアにするための処理が弊害を生んでいるものと思われます。

Beats Audioは音作りの機能ですので、各人の好みに合うか否かで評価が真っ二つに分かれてしまいます。好みに応じて使い分けるのがベターではないでしょうか。

 

ここからはHoomia社のイヤホンの話。正直に言うと存じていないメーカーでしたが、台湾をベースにしている音響メーカーだそうです。EXPANSYSさんで取り扱っているものですが、イヤホン系の商品はなかなか自分から購入して試してみようという気にはなれないだけに、良きチャンスと思ってお借りしました。

「Bon 5 Nature Wood」という商品で、その名のとおりイヤホンの外装に天然の木材を使用しているのが特徴です。

お借りしたのはサフランの木を使用したもので、価格は3163円。同じシリーズの商品にエボニー材を用いたものが存在していますが、そちらは4069円。概ね、見た目に重きを置いた商品といえそうです。

音質を語るべき商品なのか迷うところではありますが、音質は値段相応といったところ。コストを丸ごと音質のために費やしている商品と比較すると、見劣り(聴き劣り)するのは事実です。

一方で、天然素材を使って見た目にもこだわったイヤホンが欲しいという人にはピッタリの商品ではないかと思います。雑音であふれる電車や街中などの環境では、極端に音質にこだわるよりも見た目とのバランスを取りたいという人もいるはず。樹種はエボニー、サフラン、バンブー、メイプルの4種類があるので、好みの樹種を選ぶことができます。

[機材協力 : EXPANSYS Japan] – [HTC 8X / イヤホン]

2012/12/23 16:03 GMT+9
初稿時、スペック表・CPU欄に「クアッドコア」との記載がありましたが、正しくは「デュアルコア」です。お詫びしますと共に、訂正いたします。

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