DNAにデータ保存する技術が実証試験に成功!

JBプレスによると、欧州バイオインフォマティクス研究所のニック・ゴールドマン博士とユアン・バーニー博士が、DNAにデータを保存する新たな手法を確立とその実証実験に成功したと伝えています。今回記録に成功したデータ容量は739.3KBで、過去最高記録を打ち立てたとのこと。 

DNAにデータを保存すると言うアイデアはこれまでも科学者の手により、何度も試されてきた。膨大なゲノム情報を極小のDNA内に何千年も保持し続けているという性質が既に立証されているため、データの記録媒体としては最適と考えられていました。しかし、保存したデータが正しく取り出せないなどの問題があり、これまで明快な成功例はなかったとしています。

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データをDNAにコピーする際、従来は2進法の1と0を直接DNAの塩基に割り当てていましたが、この方法を取った場合、DNAの中で1種類の塩基の繰り返しを生んでしまうことがあるため、情報を読み取る際に機械が誤読してしまい、正常な読み出しが行えなかったそうです。

そこで彼ら2人はDNAへの記録前にデータを2進法から3進法に変換し、さらにその情報を暗号化して保存する方法を採りました。暗号化の際に1種類の塩基の繰り返しが発生しないスキームを採用することで、読み込み時の誤読を回避しているとのことです。

記録する人工DNAは、117個の塩基を備える個体を数万本用意して利用。このうち100個の塩基にはデータを割り当て、残る17個にはインデックス情報とエラー検出用のパリティビットを記録。また、エラー耐性をさらに高めるために、それぞれの個体の内容が部分的に重複するように記録できるようにデータを調整しました。これにより、どれか1つの個体で読み込みエラーが起こった場合も、他の個体と比較して正しいデータを多数決で決められるとしています。

これらの工夫により、実証実験は成功し、人工DNA内に保存したデータは無事読み取りに成功しました。ただし、この実験ではDNAの特殊な性質や装置との組み合わせなどが原因で、一部の塩基断片が紛失するなどの不具合も発生しています。

今後の課題としては、データの読み取り速度が非常に遅いことを挙げており、今回の実証実験ではデータの復元に2週間を費やしたとしています。これについては装置の改善などで高速化も容易であると説明しています。

もう1つの問題点としては、コスト高を挙げており、今回の実証実験からの概算によると、1MBのデータを保存する場合では、約12,400ドル(約112万8000円)もかかるそうです。しかし、これについても、1度記録すれば乾燥した冷暗所での保管により数万年後まで保管可能であることから、長期保存のコストとして考えれば大きな問題にはならないだろうと説明しています。

今後もDNA情報保存技術の研究が進み、低コストで利用できるようになれば、今後10年以内には、テープなど他のストレージ技術とも競争ができるようになるだろうとしています。

[JBプレス]

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