Googleが他社OSへのアプリ提供に力を注ぐ理由

経由元の「気になる、記になる…」によると、数日前から「Windows Phone」の「Internet Explorer Mobile」にて「Google Maps(maps.google.com)」へのアクセスができなくなっているらしいのですが、これはどうやらグーグル側の方針による一時的なアクセスブロック措置であるようです。

グーグルはWindows Phone以外にも様々な端末でGoogle Mapsの互換性テストを定期的に実施しており、その動作について常に最高のパフォーマンスが出るようにチェックしているとのこと。ところが、そのテスト結果においてInternet Explorer Mobileはパンやズームなどの基本的な動作に問題があったため、「Google.com」へのリダイレクトを行う措置をしていたとのことです。

ただしこの状況はこの先解決される見通しで、Internet Explorer MobileとGoogle Maps双方の改善によって再びWindows PhoneユーザーがGoogle Mapsを利用出来るようにしていく模様です。

グーグルはAndroid OSを提供している立場であり、他社のOSやアプリに自社アプリを最適化させることや、利用のための協力を行うという行為自体、一見すると何か不自然な感じがします。つい、最近だとアップルがiOSからGoogle Mapsを外し自社の地図アプリを導入したにもかかわらず、改めて外部アプリとしてGoogle Mapsを提供しました。

何故グーグルは他社OSのシェアを広げる、もしくは維持するような “他社を後押しする” アプリ開発を続けるのでしょうか。そこには、非常にシンプルな理由があるように思われます。

そもそも、グーグルにとって最大の収益源はウェブ検索に関連する広告収入です。これこそがグーグルをネットビジネスでの一人勝ち状態にした最大の理由ですが、それは今でも変わりません。つまり、グーグルにとってモバイルOSの市場というのはあくまでも自社のサービスを提供する「舞台」でしかなく、極論的ではありますが、OSのシェアを獲得することが最終的な目的ではないのです。

Nexusシリーズの端末が非常に安価であるのもまた、この論拠でもあります。端末で収益を上げるのではなく、そこで使われる自社アプリやGoogle Playなどによる収益が目的なので、端末は安くばら撒く方が良い訳です。

こういった視点で見ると、グーグルがAndroid OSを推進する理由もはっきりと見えてきます。グーグルにとって最も効率的に自社サービスを最高のパフォーマンスで提供するには自社でOSを作ってしまうのが最もシンプルで手っ取り早い方法であり、最もリスクが低い方法であったとも言えます。

例えばiOSでのグーグル製アプリ外しの例を見ても分かるように、他社OSへアプリを提供しているのみではいつ標準アプリから外されるか分かりませんし、新たに外部アプリとして提供しても標準アプリではないために利用してもらえる頻度が下がります。グーグルにとっては「アプリを利用してもらう=広告収入を得る」という図式なので、とにかくアプリを使ってもらわないことには何も始まらないのです。

よって、グーグルとしては当然自社OSのシェアが広ければ広いほど収益力が上がるので良い訳ですが、それ以外の他社OSに対してもより使い易くより便利なアプリ環境を提供することで、OSシェアといった “利益に直接繋がらない部分” に注力する一方、出来る限り全ての人々にあらゆる環境で自社アプリを使ってもらう努力もまた同時並行で進めている訳です。

Google Mapsの進化を見ても分かるように、グーグルはあらゆるアプリを自社の検索エンジンと連携させつつあります。検索が全ての行動の始まりとなるようにシステムを構築し、広告収入へと繋がるように誘導しているのです。今回のInternet Explorer Mobileにおけるアクセスブロックやその後の対応などを見ても「ユーザーに使いづらいと思わせるアプリは提供しない。常に最高のアプリ体験を提供する」というグーグルの意思が見て取れます。

グーグルが持つ強さとは、本来そういった部分なのかもしれません。

[ TNW via 気になる、記になる… ]

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