Neowin.netによると、マイクロソフトは1月29日からオーストラリアでOffice 2013のパッケージ販売を開始しました。また、これを皮切りに、欧米でも現地時間の29日に販売が次々とスタートします。ただし日本国内での販売開始は2月7日となっており、もう少し待つ必要があります。

現在、2月6日までにOffice 2010をライセンス認証させれば発売日以降に無償で2013にアップグレードすることができるキャンペーンをやっています。先に漏らしておきますが、実売価格としてはその方が安上がりですので興味のある方は試してみてください。

新しいOfficeがどういうものなのか、公式サイトに載っている情報をもとに簡単に紹介しましょう。

システム構成

OS  Windows 7 または Windows 8、32 ビット版または 64 ビット版 OS
 CPU  SSE2 対応の 1GHz プロセッサ
 メモリ  1GB RAM(32 ビット版) / 2GB RAM(64 ビット版)
 必要空き容量  3GB の空きディスク領域
 画面解像度  1024 × 576 以上(1366 × 768 推奨)
 その他 Microsoft アカウント
インターネット アクセス
一部の機能には追加ハードウェアまたは特定のハードウェア
あるいはサービスが必要な場合があります

注目すべきは今回からWindows Vista以前のOSサポートがされなくなったことです。Vistaはメインストリームサポートが終了し、現在は延長サポート期間に入っています。そのため切られてしまっても仕方ないのかもしれません。

今回からパッケージは店頭販売こそすれ、中に入っているのは認証用のプロダクトキーと説明の紙だけでディスクは含まれません。そのためにインターネット接続が必要なのです。

また、タッチに最適化されたUIを使用するにはタッチパネルが必要です。

全体的な新機能、特徴

1.タッチとマウス、それぞれに最適化されたUIとなりました。リボンUIは継承されています。新しいボタンの間隔をタッチしやすいように広げる「タッチ モード」の搭載のほか、同じコマンドでも指先でタッチした場合は大きく表示されるようになっています。マウス ポインターやペン先と比べてはるかに太い指先で正確に操作するために、ユーザーのしたいことを先読みして動くことでミスタップ率を軽減するというちょっと凄いことも行っているようです。

デザインも近年のマイクロソフトの傾向に倣ってModern UI(旧称Metro UI)風に変わりました。

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2.Microsoft アカウントを使用することで、複数のPCで個人設定を同期できます。また、SkyDriveを既定の保存先とし、ファイルも自動的に複数台で扱うようになります。またアカウントの導入によって、共有や共同作業の機能が向上しました。

各ソフトの新機能

WordにはPDFの編集機能がついたり、オンラインビデオを挿入したりできるようになりました。

Excelの主な新機能はフラッシュフィル。入力されたデータの規則性を認識して、残りのデータを自動入力します。また、おすすめグラフ機能も登場しました。

PowerPointは発表者ツールが新しくなりました。シングルディスプレイでも発表者ビューを表示できるようになり、それを使って進行・演出をコントロールします。また、ワイドスクリーン向けのテーマも付属しています。

Outlookの「コンタクト」タブを「People」と改称し、TwitterやFacebookなどのSNSも一元管理できるようになりました。

また、全体的にパフォーマンスが向上しています。

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構成と価格

実は日本と海外ではパッケージの展開が違います。パッケージは個人向けの商品構成で、学校や企業のような団体はボリュームライセンスという別の商品展開がされています。こちらについては今回は省略します。

まずは、海外のエディションです。

名称 Office 365
Home Premium
Office Home
& Student 2013
Office Home
& Business 2013
Office Professional 2013
搭載ソフト Word,Excel,OneNote,PowerPoint,
Outlook,Access,Publisher
Word,Excel,
PowerPoint,OneNote
左に加え、Outlook 左に加え、Publisher,Access
その他 SkyDriveの容量+20GB
インターネット上での完全版Office
Skypeの無料通話60分/月
     
インストール可能なデバイス 5台のPCまたはMac、モバイル 1台のPC 1台のPC 1台のPC
メーカー価格 $9.99(約900円)/月、$99.99(約9000円)/年 $139.99(約12800円) $219.99(約20000円) $399.99(約36500円)

対して、日本のエディションがこちら

 名称 Microsoft Office Personal 2013 Microsoft Office Home and Business 2013 Microsoft Office Professional 2013
 搭載ソフト Word,Excel,Outlook 左に加え、PowerPoint,OneNote 左に加え、Publisher,Access 
インストール可能なデバイス 2台のPC 2台のPC 2台のPC 
メーカー価格  ¥31,290(税込) ¥36,540(税込) ¥62,790(税込)

お気づきかと思いますが、日本のほうはお値段が非常に高いです。そのうえ、最も安価なエディションにはPowerPointが付属していません。さらに、今回からはアップグレード優待版がProffessionalの限定版を除いてなくなったため、さらに割高に感じるでしょう。これが、すぐにアップグレードしたいなら2010を買って無償アップグレードした方が良いという理由の一つです。しかも、小売価格は一緒でも現在の実売価格は2010の方がやや安くなっています。

表にもあるように、海外版の売り切り版が1台しかインストールできないのに対して、日本国内版は2台までインストールすることができます。これはホームページにまだ載っていませんが、日本マイクロソフトのカスタマーセンターに問い合わせて得た情報なので信頼性が高いです。

実はこの2台インストール、従来のOfficeでも公式に認められていました。たとえばOffice 2010の案内ページを見てみると、

パッケージ製品は、1 パッケージで同一ユーザーが使用する 2 台目の持ち運び用 PC にインストールすることができます。

とあります。しれっと書いてあるのでなかなか気づかないでしょう。しかも、システム要件のページには書いていないという…何台かにインストールしようとして、たくさん買った方も一部にはいるのではないでしょうか。

一方海外版は、今回から複数インストール可能な売り切りエディションが全て廃止されました。Home & Student は2010では3台までインストール可能でしたが、2013では各1台と案内されています。代わりに値段は10ドル下がりました。(149.99ドルで3台インストールできたのです…)

なぜマイクロソフトがこんなことをするのかというと、サブスクリプション型であるOffice 365 Home Premiumの導入を推し進めているからです。実はマイクロソフトは、Windows部門よりOfficeを含むビジネス部門のほうが売上高が大きく、こちらが主力製品と言ってしまっても過言ではありません。複数台で使うならお得なエディションに誘導し、定期的に料金を払わせることで安定した収益を確保しようともくろんでいるのです。日本ではこのOffice 365 Home Premiumが展開されていないため、インストール可能数が据え置かれたのでしょう。

 まとめ

マイクロソフトのオフィススイートは今回の2013で14世代目となります。そんな中、未だに3,4世代前のOffice 2003やXPが活躍しているのは何だか不思議な気がします(Office XPはすでに延長サポートも終了しています。セキュリティアップデートは提供されませんので注意してください。Office 2003 SP3は2014年4月8日に延長サポートが終了します)。

何億ものビジネスユーザーの「変わってほしくない」という声があるのを承知しながらも、多くの初心者にも使いやすいソフトにするべく登場した、2007以降のリボンUI。長年使い続けたUIに慣れていたユーザーからは非難された(ている)ものの、これももう3代目になります。そろそろ多くの人がこのリボンUIを搭載したOfficeに慣れてきたころでしょう。しかし、UI一つ変えるのにも何年もたたないと受け入れられないという「面倒見のいい巨人」ゆえの悩みはまだ続きます。タッチを中心としてコンピューター世界が大きく変貌しつつある今、いずれ新たなUIに移行する時が来るでしょうが、その時もまた同じような批判が起こると思われます。いかに保守層にも受け入れられ、同時に誰にでも始めやすい形になれるか。マイクロソフトの力が試されています。

ネタ元[Neowin.net]参考[Microsoft(US)][マイクロソフト(日本)]