SleipnirのMac版がメジャーアップデート!新しいUIは何が変わったのか

Fenrirは24日、Mac用ウェブブラウザ「Sleipnir 4 for Mac」(以下Sleipnir 4)を公開しました。旧バージョンの3との違いはインターフェースの大幅な変更です。

この記事では変更があったインターフェースとともに、他のプラットフォームのSleipnirに関してもお届けしたいと思います。

1.そもそもSleipnirってどんなブラウザ?

SleipnirはFenrirが開発しているWebKitベースのウェブブラウザで、多くのプラットフォーム向けに提供されています。具体的にはMac版、Windows版、iOS版、Android版、Windows Phone版の5つです。 

タブブラウジングに特化しており、TouchPagingという便利なジェスチャー機能が最初から備わっています。また、Fenrir Passという機能により、プラットフォーム間でブックマークが同期できます。さらにWindows Phone版以外の4つは連携サービスのアカウントも同期可能です。アカウントの登録が必須ですが、使ってみると大変便利な機能です。

連携サービス一覧

ジャンル サービス名
Share Twitter、Facebook、LinkedIn、Tumblr、Flickr、Google+
Read Later Instapaper、Readability、Pocket
Save Dropbox、SkyDrive、Evernote
Subscribe Googleリーダー
Send to smartphone iPhone/iPad、Android

Sleipnirに登録可能な連携サービスは上の表の通りです。Windows Phone版以外のSleipnirから連携の登録を済ませると、Sleipnirにログインするだけで登録を済ませたサービスが使えるようになります。

他のブラウザではエクステンション(拡張機能)などで連携サービスに対応していますが、ブラウザごとにログインが必要です。この点、Fenrir Passにログインすれば登録した全てのサービスが使えるようになるのは環境構築の手間が省けるので大きなメリットだと思います。

2.すっきりしたツールバーのMac版

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まずアップデートのあったMac版を見てみましょう。ガジェ速を表示してみました。ツールバーが驚きの細さになっています。Fenrirによるとツールバーは54ピクセルしかないそうです。

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他のブラウザとの比較がFenrir公式サイトにありました。左からSleipnir 4、Google Chrome、Safari、Firefoxです。これを見るとSleipnir 4のツールバーがいかに細いかおわかりいただけると思います。

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ツールバーが細くなったことによるメリットとしてタブ表示の大型化が挙げられます。画像の下がSleipnir 4です。実際に見比べると倍近く大きくなっています。Mac版のSleipnirはタブにページタイトルが表示されないので、タブが大きくなり使いやすさが格段に上がったと感じました。

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変わったのはツールバーだけではありません。一見すると大きな変更のないように見えるアドレスバーと検索バー。この状態では更新ボタンの位置が変わったことしかわかりません。

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Sleipnir 3はアドレスをクリックするとこのようにアドレスバーが表示されていました。これもこれでコンパクトなデザインで、使い勝手が悪いと思ったことはありませんでした。

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Sleipnir 4ではアドレスをクリックすると画像のように表示されます。最近のブラウザではアドレスバーと検索バーを一体化するデザインが主流になっていましたが、このようなデザインの仕方もあるのだと感心しました。

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検索バーはさらに使いやすくなっています。これまで検索エンジンを指定しての検索はポインタで選択するか、コマンドキーと数字によるショートカットしか使えませんでした。

Sleipnir 4では新たにタブキーで検索エンジンの切り替えができるようになりました。私はたまにWindowsのキー配列と間違えてタイプすることがあるので、位置が同じであるタブキーを使えるのはありがたい改良です。

また、既に別のタブで開いている場合は検索候補からそのタブに移動することができます。この機能は既に開いてるタブのグループが異なる場合でも使えました。実際に使ってみてタブブラウジングがさらに快適になるアップデートだと感じました。

TouchPagingのアニメーションやSleipnir 4の挙動、今回の変更点を簡単にまとめた動画です。特にタブの切り替えは本当に小気味よく動いてくれます。

Mac版のご紹介の最後に、今回公開されたのは「Black Edition」であることを付け加えておきます。SleipnirはMac App Storeで公開されている青いアイコンのものと、Fenrirのホームページで公開されている黒いアイコンのものの2つがあります。

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違いは上の画像の通りです。主要機能に差はありませんが、Mac App Store版はデフォルト検索エンジンが変更できません。またダウンロード先の変更ができないのも地味ではありますが使い勝手が悪いと感じました。私は外付けのHDDにファイルをダウンロードするのでBlack Editionを使用しています。

Sleipnir 4に限らず、Mac App Storeのアプリはアップルの審査があるため作者サイトなどの公開より遅れてしまいます。残念ながらMac App Store版は公開までもうしばらくかかるものと思われます。

3.Windows版Sleipnirとの違い

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次にもう1つのコンピュータ向けであるWindows版をご紹介します。Windows版とMac版の大きな違いはデザインの一言に尽きます。

タブはページタイトルが表示される一般的なものになっていますし、IEとの互換表示や検索エンジンのボタンなどが常に表示されています。好き嫌いがわかれるところですが、Mac版よりごちゃごちゃしてしまっているのは否めません。

しかしWindows版にしかないメリットもあります。それはGoogle Chromeのエクステンションが使えることです。

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試しに「Clearly」をインストールしてみたところ、しっかり動きました。全てのエクステンションが使えるとは限りませんが、便利で種類も豊富なChromeのエクステンションが使えるのは大きな利点になるでしょう。もちろんFenrir Passによるブックマークや連携サービスとの同期も使えます。

TouchPagingはマウスの右クリックをドラッグしても機能します。MagicTrackPadほど快適ではありませんが、十分に操作可能でした。

またFusion 4上のWindowsでもジェスチャーは使えます。Mac版と違い、MagicTrackPadを押した状態で操作しないと動作しませんでした。

ThinkPad x121eでは右クリックしたままトラックポイント(赤ポッチ)による操作で使えます。ポインタの動かし方に慣れが必要ですが、慣れてからは大変楽にブラウジングできます。 

4.モバイル向けはTouchPagingの統一が必要か

最後にモバイル向けのiPhone版、Android版、Windows Phone版を見ていきます。モバイル向けのSleipnirはプラットフォームごとにインターフェースやTouchPagingの動作が異なっています。

インターフェースは各プラットフォームごとにデザインの思想などが異なるので、仕方がないと言えます。一方のTouchPagignですが、iPhone版とAndroid版では細かい部分が異なっています。

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まず今回ひっそりと更新のあったAndroid版から見てみます。変更があった項目は左の画像です。今回の追加機能はページ内のキーワードのピックアップ検索です。実際に試してみたのが右の画像になります(くまむんさんのヤマハの記事をモバイル表示で使いました)。

製品に関する情報がキーワードとして認識されています。一方「Prev」というページ内に存在しない語句が認識されています。

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このピックアップ検索はYahoo! JAPANのサービスを使っているので、Sleipnirのアップデートによって精度が向上するとは限りません。

検索候補を長押しすることでバックグラウンドのタブで開けるので、ピックアップ検索はSleipnirと大変相性のよい機能だと思います。精度が向上することで一層使いやすくなることを期待します。

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次に違いを見ていきます。画面端から画面中央にスワイプするジェスチャーはAndroid版のみにしかありません。このジェスチャーでは上の画像のような画面になり、タブを高速で切り替えることができます。

モバイル向けでもタブブラウジングに特化したデザインと機能を持っているので、これはiPhone版とWindows Phone版にも欲しいところです。

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またページ下部に表示されているタブを使った操作にも違いが見られます。左の画像はAndroid版ですが、タブを上下右にスワイプすることでこれらの操作ができます。新規タブの追加は下部の+ボタンを押すか、現在見ているタブを↑→とスワイプしなければいけません。

一方iPhone版ではページを左へスワイプすることで新規タブの追加ができます。Android版はジェスチャーにより新規タブの追加ができますが、ジェスチャーを覚える手間を考えるとiPhone版と同じように追加できて欲しいと思います。

次に進む・戻るのジェスチャーですが、Android版とiPhone版では横にスワイプする向きが逆になっています。iPhone版は↑→で戻るになりますが、Android版は同じジェスチャーで進むになります。iPhone版の↑←が進むに対してAndroid版は戻るです。

個人が全てのプラットフォームで使用することはおそらく想定されていないのだと思いますし、そういう人間はそう多くはないことも理解していますが向きを統一することくらいは難なくできるのではないかと思ってしまいます。 

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その他の違いとして、ブックマークを開くジェスチャーが違っていたり、Android版に「すべて閉じる」ジェスチャーがないことが挙げられます。

異なるジェスチャーはプラットフォームごとに覚えておかなければ使えません。MacとiPhoneのようにジェスチャーに違いのない組み合わせで使えば問題はありませんが、WindowsとAndroidの組み合わせで使っている方も多くいるでしょう。

このジェスチャーの違いはマルチプラットフォームで展開しているメリットを自ら消してしまっていると言っても過言ではないと思います。 

そして最後にWindows Phone版です。開発者アンロックをしていないのでデジカメの写真です、ご了承下さい。

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Windows Phone版のタブはiPhone版やAndroid版と異なり、テキスト表示となっています。これは国内で販売されているWindows Phone搭載端末がIS12Tのみで、解像度が800×480とiPhone 4Sよりも低いためだと思われます。

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ブックマークは画面の左端から右へスワイプします。画像のようにピンクの線が表示されるとジェスチャーが正しく認識されています。このブックマークのジェスチャーはモバイル向けでは全て異なっています。

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機能も少なく、ジェスチャーは左の画像の3つのみです。またFenrir Passで同期できるのもブックマークのみと限定的です。

DropboxもWindows Phone版を提供していないことを考えると、限られた開発リソースをシェアの少ないプラットフォームにつぎ込むのは採算が合わないのだと思います。

またハードのスペックも関係しますが動作が全体的に重く、ページの読み込みが遅かったり、長押しの反応が悪かったりと快適とは言えない出来になってしまっています。

Windows Phoneの普及とともに、国内キャリアによるWindows Phone 8の販売によって他のモバイル向けと同程度の使い心地になることを望みます。 

5.どんな使い方がおすすめ?

プラットフォームごとの紹介は以上にして、どういった使い方に向いているか。またどのような方におすすめなのか考察してこの記事を締めくくりたいと思います。

おすすめの使い方としては調べ物です。タブの使いやすさは多くのブラウザの中でも頭ひとつ飛び抜けています。またFenrir Passの連携サービスにより、Read Laterでページを溜めておいたり、SaveでウェブページをPDF保存することもできます。

私はExcel VBAの使い方を調べるときにpng形式でDropboxに保存しています。先日お伝えした「guPix」を使えばWindows、iPhone、Androidで快適に見ることができますし、guPixが対応していないMacやiPad(アプリの拡大表示は可能です)でもDropboxのアプリから見られます。

またSleipnirはエクステンションにあたる機能が最初から入っていることや、ショートカットを覚えなくても快適に使えることからパソコンやスマートフォンにあまり詳しくない方にもおすすめできます。

現在パソコン向け、スマートフォン向けともに数多くのブラウザがありますが、インストールしただけの全く手を加えていない状態で快適に使えるものはあまり多くないと思います。

既にいくつかブラウザを試された方にはサブブラウザとしての利用がおすすめです。iPhoneとAndroidはそれぞれSafariとChromeのパソコン連携機能が大変強力です。しかしどちらもタブの操作性に関してはSleipnirに大きく劣ると言えます。バックグラウンドで開くには2タップ必要ですし、Safariはタブの切り替えに1タップ必要です。

パソコンで見ていたページはSafariやChromeで、調べ物はSleipnirでというふうに棲み分けをすると快適だと思います。プラットフォームごとに良い面・悪い面はありますが、タブを多用されている方は一度お試ししてはいかがでしょうか。

[Fenrir]

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