ボーイング787 バッテリー発火問題2014年まで持ち越しか

ボーイング787で発生したバッテリー炎上事故に際し、マサチューセッツ工科大学(MIT)の化学教授がボーイング社に対し、リチウムイオン電池よりも重いが安全性の高いニッケル水素電池への交換を提案しています。ただし、このプロセスには年単位かかる可能性があるとのこと。

ボーイング787

バッテリーの権威であるMIT化学教授が、ボーイングの抱えるバッテリー問題を解決するためにいくつかの提案をしており、提案の一つに基づくと、787の飛行再開を2014年まで諦めなければならないかもしれません。

MITのドナルド・サドウェイ教授は、米連邦航空局(FAA)により飛行禁止命令が下された「ボーイング787 ドリームライナー」の問題は、現在のリチウムイオン電池をニッケル水素電池に交換する事で解決可能かもしれないとフォーブス誌に語りました。しかしながら、ニッケル水素電池への交換は、安全実績を必要とする認定プロセスの完了までに1年を要すかもしれないとフォーブス誌は報じています。

今月初めの一連の火災を受け、FAAは電池の安全性が立証されるまで飛行禁止命令を発しました。

ボーイング社が選んだリチウムイオン電池の長所は、機体重量を減らし燃料費を削減するという、航空機メーカーの目標とも一致していましたが、有機電解質のために揮発性・可燃性があり、自然発火しやすいという短所があります。

大規模なバッテリーは熱の発生量が放熱よりも大きく、結果として危険なレベルまで温度が上がり、その結果膨らんだり、発火したりする恐れがあります。787のリチウムイオン電池を調査したサドウェイ氏は、バッテリー冷却装置が無いように見受けられた事にとても驚いたと語りました。また、同氏は電池の交換の他にも、熱を逃がすためのベントや温度を安全な範囲に保つためのセンサーの設置等も合わせて提案しました。

ボーイング社の代表者は調査が完了するまでコメントは差し控えるとCNETへ語っています。

ボーイング社は航空会社が出来るだけ早く787の運行を再開できるようにFAAと協力して問題解決に当たっていると述べています。ボーイングはすでに全日空、日本航空、エアインディア、ユナイテッド航空などの世界中の航空会社に約50機を納入しています。

さて、バッテリーと言えば2006年頃に発生したノートPCの大規模リコールを覚えてますでしょうか。

カテゴリー的には今回の787に使われているのと同じ「リチウムイオン電池」でした。これだけ問題を起こしているのに、何故未だに使い続けているのでしょうか。それはリチウムイオン電池の長所がバッテリーとして非常に優秀だからなのです。

高いエネルギー密度、低いメモリー効果、継ぎ足し充電に急速充電…と、今までの電池の悩みを一気に解決してくれるような特性を持っているのです。しかしながら、先の記事にも述べたように安定性に問題があり、過放電も過充電も異物混入も全て発火の要素となりえるのです。

かの “最先端の塊” と言われたトヨタのプリウスでさえも安全性に確証が持てず、つい最近までリチウムイオン電池の搭載は見合わせていました。ノートPCのリコール時は製造工程上の問題による異物の混入とされましたが、今回は原因究明が今も続いており、現時点ではハッキリした事は言えないとのことです。

それにしてもそれだけ不安定な電池にも関わらず、2重・3重の安全対策が必要な飛行機において、温度センサーがついていないことや、廃熱コントロールが出来ていないということには大きな疑問を感じます。

個人的には来月就航予定の「成田—フィンランド間」を飛ぶ日本航空の787に乗る事を楽しみにしていたのでとても残念です。早く安心して最新鋭機に乗れるようになる事を待っています。

[Forbes via CNET]

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