寿命10倍?九大が燃料電池向け新型触媒を開発

日本経済新聞は21日、九州大学の中嶋直敏教授らの研究グループがカーボンナノチューブを用いた燃料電池向けの新たな触媒を開発したと伝えています。

これまで、燃料電池の電極材料には「カーボンブラック」という炭素材料の表面に微粒子化した白金をくっつけたものが使われてきました。しかし、このカーボンブラックは、燃料電池の動作に伴って徐々に劣化・溶解していき、白金を長時間担持できないという問題がありました。

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(注釈: http://nanomate.sci.yokohama-cu.ac.jp/kenkyu/5.htm から引用)

そこで近年、カーボンブラックに代わる材料としてカーボンナノチューブが注目されていますが、カーボンナノチューブには構造的に白金を担持しにくい性質があるため、わざと微小な欠陥構造を作ることで白金を担持させる手法が用いられています。しかし、この方法ではカーボンナノチューブが本来持っている耐久性が失われてしまうデメリットが有りました。

今回中島教授らは、ポリベンズイミダゾール(PBI)と呼ばれる特殊な高分子材料を用いてカーボンナノチューブの表面に白金微粒子をくっつける手法を開発するとともに、PBIの特性を利用することで、白金の反応効率が向上することも確認したとしています。

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燃料電池の実用化には、触媒である白金のコストが非常に高くなることが問題となっていますが、今回の成果により、白金使用量の低減に繋がる可能性もあります。九州大学では、これから本格的な実用化を視野に入れて実証試験を行っていくとしており、今後、実際のセルに組み込んだ状態での性能評価結果が待たれます。

おことわり

日経新聞の「寿命10倍」という表記の根拠となるデータを探しましたが、九州大学のプレスリリース及びWiley Online上で公開されているAbstractからは見つけられておりません。恐らく論文の詳細部分に書かれているデータを基にしたものと思われますが、念のためタイトルには「?」を付加してあります。

[九州大学プレスリリース via 日本経済新聞]
[WILERY ONLINE LIBRARY]

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