アプリ開発者、GoogleMapsよりもAppleの独自地図を好む

アップルは、昨年9月にリリースしたiOS 6で、スマートフォンの分野で競合するグーグルとの依存関係を断ち切るべく、それまで採用してきた「Google Maps」を自社製の「iOS Maps」に置き換えました。

しかしながら、このマップでは、駅や空港といった主要なランドマークやホテル・スーパーなど世界中のあらゆるものの位置・場所・名称が間違って表示されるという、おおよそ実用には足らないレベルの、いわば「粗悪品」でした。そういった状況にも関わらず、AppleInsiderは19日(日本時間)に、「開発者はGoogle MapsよりもiOS Mapsを好む」と題した記事を掲載しています。

iOSのアップデートに伴って徐々に改善されてきてはいるものの、Google Mapsと比べるとまだまだ機能面で差がある印象のiOS Maps。そのような状況にあって、開発者がiOS Mapsをひいきにする理由とはどのようなものなのでしょうか。今回は、あまり語られることのないiOS Mapsの利点について触れてみたいと思います。

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iOSアプリ「Plane Finder」の開発者であるLee Armstrong氏は、 Google Mapsを利用した場合、アプリの本来の機能の幾つかに制限がかかってしまうと述べています。

具体的には、Google MapsのSDKを使用すると、下図のようにマップの一部に別の地図情報をオーバーレイさせる機能を付加することが出来なかったり、飛行機の形をしたアイコンを運行情報に基づいてリアルタイムに動かすなどといった機能を実装することが難しくなるとのことです。

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飛行機位置追跡アプリ「Plane Finder」。左がGoogle Maps, 右がiOSマップ。
iOSマップでは部分的に詳細なタイルが描画されている。

特に飛行機アイコンの表示については、iOSのMapでは千単位の飛行機を表示させてもシームレスな動作を維持しており、描画性能の点で完全にGoogle Mapsを上回っているとも述べています。

一方、ロンドン市内の交通機関を繋いで道案内をしてくれるナビゲーションアプリ「Tube Taner」を開発したBryce McKinlay氏によると、このアプリの肝である、ドラッグして移動することが出来る経路マーカーは、GoogleのSDKでは実装が不可能であると述べています。

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ロンドン市内の交通案内アプリ「TubeTaner」。
乗り換えポイントをタップすると紫のサークルがその位置に移動して、詳細情報が表示される。

また同氏は、iOS MapsがGoogle Mapsに比べて有利なもう一つの点として、ユーザーの移動・方向転換に合わせて地図画面を自動的に移動・回転させる機能を挙げています。こういった機能はGoogle Mapsでも実現可能ではあるものの、標準的にはサポートされていないため、iOSに比べて開発に手間がかかるとのことです。

さらにMcKinlay氏は描画性能についても言及しています。すなわち、Google Maps SDKの、地図を表示する”GMSMapView”クラスのフレームレート設定がiOSのそれよりも低い30fpsに制限されているため、画面の拡大・縮小を行った際に「わずかではあるが視認可能なチラつきが生じる」としています。この点については、前出のArmstrong氏もPlane Finderで同様の現象を確認しているとのことです。

以上のような機能面での違いに加えて、Google Mapsはグーグルの強い管理下にあるため開発者側の融通が効かないこと、また、利用できるトランザクションを制限した上でAPIを有料で提供していることを挙げて「クローズなもの」であると述べています。これに対し、アップルのMaps SDKはOSレベルに組み込まれたものであって、開発者が自由にアクセス可能である上にインストールするデバイスについても制限を設けていないとしています。

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もちろん、現状のiOS MapsがGoogle Mapsに比べて情報量で圧倒的に劣っていることは誰の目にも明らかなのですが、実はユーザーにはあまり知られていない部分でメリットもたくさんあるようです。

開発者の支持を得るということは、ひいてはアプリに採用される可能性が高くなるということで、サードパーティー製アプリにおける採用シェアに繋がることになります。

アップルのCEOであるTim Cook氏は、2013年の第1四半期決算報告会の場で「自分たちの製品を世界で最高のものにすることを常に目指しており、マップが極めて高い水準に達するまで絶えず努力を続けていく」と語っていました。今後、アップルが継続的に製品の品質を高めてゆくことで、Google Mapsとの地位を逆転することもあるかもしれません。

[AppleInsider]

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