【ゲーム業界のハローワーク】ゲームプロデューサー編

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筆者は小学生の時からゲームが好きで、面白いゲームを思いつくとゲーム会社に「こんなゲーム面白いと思います!」と電話した黒歴史を持つ少年でした。(その時の某ゲーム会社の担当者さんごめんなさい)

そんなゲーム好き少年の思いを引きずったまま「ゲーム会社で働きたい」とベンチャーゲーム会社に就職してはや6年、他のゲーム会社に転職したりしながら、カスタマーサポート・品質保証・ディレクターなどゲーム業界で様々な仕事を経験し、今もゲーム業界に身を置いています。

自分の考えた企画がヒットした時や、ユーザーが面白いと感じてくれたときはもちろん「やってて良かった!」と思いますが、楽しい事ばかりでは無く大きな障害や不具合があれば徹夜なんて当たり前で、余程の根性と熱意が無いと仕事が続かないと言っても過言ではありません。

陰と陽が極端なゲーム業界ですが、陽の部分が目立つのか「ゲーム業界」を志す人たちを毎年多くみかけます。 

そこで、ゲーム業界に就職を考えている人や興味がある人達へ「ゲーム業界のハローワーク」という連載特集を通じて、ゲーム業界に関係する様々な職種のつらい部分や楽しい部分も実体験を元にご紹介させて頂こうと思います。

では、「ゲーム業界のハローワーク」の第1回はゲーム開発/運営のトップに位置し、ゲーマーなら憧れる人も多い『ゲームプロデューサー』についてご紹介します。

 プロデューサーとは

プロデューサーという仕事はゲームによっても異なりますが、ゲーム開発/運営のトップに立って部下を指揮する立場です。大学で言えばサークルの部長と言った所でしょうか。

最近ではプロデューサーもインタビューなどで表に出てくることも多くなりました。その影響からかファンレターが届くプロデューサーもいますし、バレンタインに大量のチョコレートが届くプロデューサーもいました。 

そんなプロデューサーの表の顔とは別に、社内ではゲーム開発/運営を指揮し会社からゴーサインさえ出れば、自分がやりたいことを実現できるゲーマーは誰もが憧れるとっても偉い人です。

プロデューサーのよくある1日


10:00〜11:00 出社:早めに出社して朝礼で発言する内容をまとめる
朝礼:朝礼で重事項の周知
メールチェック:メールが100件以上届いていることもザラです
11:00〜13:00 会議:担当ゲームの企画をディレクターと話し合いいます。
13:00〜14:00 昼休憩
14:00〜17:00 スケジュール管理:数カ月先のスケジュールを大まかに考えます。
企画や施策の最終チェック:ディレクター、デザイナー、マーケティングから上がってきた様々な案件をチェックします。
17:00〜18:00 会議:プロデューサーが集まって上司への報告会
18:00〜19:00 企画や施策の最終チェック:お昼過ぎにチェックした案件の続き
19:00〜 定時は19:00ですが多くの場合残業します。感覚では21:00ぐらいに退社するプロデューサーが多かったです。

※会社や勤務形態によって出社時間や退社時間が異なり、仕事の内容も異なります。

ゲームのコンセプトやイメージといった大枠の企画を考えることはあっても、実際に企画など現場の仕事はあまりすることがなく、部下(ディレクターなど)から上がってきた企画や製作物の最終チェックや会議に出席する仕事が最も多いです。

ただそれは一般的な話で、筆者が知っているプログラマー出身のソーシャルゲームプロデューサーは、自分でゲームを企画して自分で開発、その後の運営からマーケティングまで一人でやってしまう人もいます。

そんな、スーパーマンみたいなプロデューサーは、独立している人や社員数十人の中小企業で稀に見かけ、その人のおかけで会社が成り立っているという会社も現実に存在します。

ここまでで「プロデューサーは忙しそう」と感じた人もいると思いますが、残業も多い傾向にあります。

特に365日24時間稼働しているオンラインゲーム業界では不具合や障害の対応で重要な決断を即座に行う必要もあるので、徹夜で対応を指揮することもあります。

さらに、ゲームのリリース間近になると作業の遅れている部分を直接指示したりなど、土日出社も頻繁にあり残業も30〜40時間程度はざらで、自分が知っているプロデューサーで一番残業時間が多かった人は100時間を超える人もいました。

体育会系の人は過酷な状況をガッツで乗り切ったりもしますが、精神的なストレスに肉体的なストレスも重なって、ダウンしてしまう人がいるのも実情です。

プロデューサーは過酷な仕事ですが「自分がやりたいことを実現できる」という何事にも代えがたい思いをモチベーションに皆さん頑張っており、自分が担当したゲームが大成功した時には涙を流して喜ぶプロデューサーを筆者は何人も見て来ました。

 プロデューサーの給料

年収400万円〜1500万円
※筆者の知っているプロデューサーの年収例から算出したものです。

プロデューサーの給料には非常に幅があります。その理由は担当しているゲームの規模や売上によって給料が左右されることが多く、担当しているゲームが何度も不振に終わった時には、ディレクターに降格されることもあります。

中小ゲーム会社では特に人事異動が激しく、数ヶ月で別ゲームのプロデューサーに移動なんてこともしばしばです。しかし、中小ゲーム会社でも担当しているゲームを成功させればそれに見合った給料を払う会社も多く、1000万以上の年収をもらっているプロデューサーも珍しくありません。

プロデューサーへの道

ゲーム業界では全体的に「経験」が一番重要で、経験さえあれば学歴はあまり気にしない会社も多く存在します。特にプロデューサーはゲームの運営/開発を指揮する重要なポジジョンなので、経験の無い人がなりたいと言ってなれるものではありません。

ここでは、その「経験」をつんでプロデューサーになる道について説明していきます。

冒頭で語っている通り筆者は「面白いゲームを作りたい!」と思ってゲーム会社に入社しました。読者の中にも「自分が考えたゲームの企画を実現したい!」なと色々な考えを持ってゲーム業界に入りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

筆者も子供の頃からうちに秘めた野望をもってゲーム会社に入社しましたが、プロのゲーム企画を目の当たりにして自分の考えの甘さを嘆き、一から勉強して将来自分のやりたいゲームを実現しようと心に誓いました。 

特にプロデューサーを目指す場合、面白いゲームを考える知識だけではなくマーケティングの知識や、ゲームの開発/運営に関係するすべての人を指揮するマネジメント能力も必要になります。

このため、多くのプロデューサーはプランナー・カスタマーサポート・プログラマーなどゲーム開発/運営の現場を経験し、ゲームの製作や進行管理を主に行うディレクターでマネジメント能力を身につけてからプロデューサーになります。 

ゲーム業界では年功序列という考え方はあまりないので、30代の部下を抱える20代のプロデューサーも珍しくはありません。そういった風潮もあり優秀な人は1年から2年でディレクターを経験してプロデューサーに抜擢される人もいますが、多くの場合5年から10年で程度でプロデューサーになる場合が多いです。

では将来プロデューサーを目指すためには、まずゲーム会社に入社する必要がありますが、大手ゲーム会社に就職するとなると未経験の場合、新卒採用がメインとなるので大卒が基準となります。

しかし、ソーシャルゲームなど開発人員が少いゲームの台頭で中小ゲーム会社も多く設立されている状況もあり、プログラマーやデザイナーなど特別なスキルをもっていなくても、社会人経験さえあればゲーム業界の経験や学歴はさほど気にせずプランナーやカスタマーサポートとして採用する中小ゲーム会社も増えています。しかし、未経験の場合多くは30歳前後までという年齢制限があります。 

筆者の場合、学歴は高卒ですが社会人経験があり年齢が若かったこともあって、小さなゲーム会社でしたら就職はすぐにきまりました。

ビックタイトルプロデューサーへの道

様々なゲームを開発/運営してきたプロデューサーは非常に貴重で、そういった経験を持っている人は大手ゲーム会社でも多くはいません。このため、別の会社から転職しないかと誘われることもあります。

大手ゲーム会社では新卒採用した人員を社内のプロデューサーのもとで仕事を通じて教育し、生え抜きプロデューサーを育てる場合もありますが、そんな大手ゲーム会社でもプロデューサーは人材不足で中途採用には積極的です。また、社員の紹介制度を実施している会社も多く「横の繋がり」から声をかけられることも少なくありません。 

違うゲーム会社同士、繋がりが無いようにも見えますが昔の同僚が別のゲーム会社に勤務していたりなど意外と横の繋がりがあります。

そういった点からプロデューサーの転職市場は需要があり、学歴より経験が重要視される業界なので、将来的にビックタイトルのプロデューサーを目指している人は、ゲームの規模にかかわらずプロデューサーを経験していると大手ゲーム会社から声がかかったり、自分から面接を申し込んでも門前払いされるということは少ないと思います。

プロデューサーの厳しさ

プロデューサー.pxm

プロデューサーは非常に忙しい仕事で、ゲームに関わるすべての案件を最終チェックしつつ、イベント出演や会議、ゲームの予算管理など激務をこなしている人がほとんどです。

それだけ重要なポジションということで、マルチタスクをこなせる人でないと柔軟に仕事をこなせないかもしれません。

売上に関する責任も持っているので、「売上が低下する=プロデューサーの責任」となる場合も多く、ビックタイトルのプロデューサーともなるとその重圧も想像以上のものになります。 

また、どんなに優秀なプロデューサーでも一人で面白いゲームを作れる人は限られているので「人を育てる」ことと「人を引っ張っていく」という難しいミッションがあります。

ゲーム開発/運営の現場から見ても、単純な思いつきで無理なことを指示し続けるプロデューサーより、作業しやすい環境でのびのび仕事をさせてくれる「この人に付いて行きたい」と思えるプロデューサーと一緒に仕事する方が、モチベーションが断然違います。

モチベーションが高ければ、現場から良い物が生まれ、結果的に面白いゲームが誕生する良い循環が出来上がります。

まとめ

プロデューサーは責任も重く仕事も忙しいですが、自分の思い描いたゲームの開発/運営ができる非常にやりがいのある仕事で、ビックタイトルのプロデューサーともなれば、ユーザーから尊敬の眼差しで見られることも珍しくありません。

将来プロデューサーを目指している人は、今からでも遅くはないのでデザイナーやエンジニアのように手に職が無くとも、プランナーやカスタマーサポートといったポジションでゲーム業界に入り、下積みを続けてプロデューサーを目指してみると良いかもしれません。

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