世界最小最軽量のケータイの実力は?―「ストラップフォン2」ファーストインプレッション

ウィルコムは21日、エイビット製PHS端末「ストラップフォン2(WX06A)」の販売を開始しました。本体サイズは約70(H)×32(W)×10.7(T)mm、重さはわずか32gという「世界最小最軽量」を謳った本機ですが、果たしてその実力はどの程度のものなのでしょうか。

今回はファーストインプレッションとして、開封から本体機能のチェック、サイズ比較、ダイヤルキー入力の印象、そのほかモデム機能の使い勝手などを簡単にご紹介したいと思います。

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本体外観と機能

本機を入れている箱は非常に小さく、縦幅は一般的なスマートフォンよりも小さいほど。携帯電話の箱というとダンボール製の味気ないものもありますが、本機の箱は丁寧な加工と梱包がなされており、高級感があります。

箱を開けると中には本機と取扱説明書であるクイックスタートガイドの2つのみが入っています。充電器やケーブル類などは別売りとなっており、汎用のmicroUSB BタイプのケーブルとUSB接続のACアダプターなどがあれば充電が可能です。ヘッドホンの利用にはmicroUSB接続タイプのものが必要ですが、そもそもハンズフリー通話にも対応しておらず、ヘッドホンの利用をあまり想定していないためか同梱されていません。

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本機はフリスクと同等のサイズを目指して開発された経緯もあり、そのサイズ以外にも配色などがフリスクと非常によく似ています。今回入手した端末のカラーはホワイトですが、このほかにピンクとブラックがあります。

フリスクと並べてみるとよく分かりますが、サイズの違いはダイヤルキーの厚みのみです。フリスクサイズを目指した本機ですが、例え小さくともダイヤルキーの押しやすさにはこだわりが強かったようで、敢えて0.7mmの厚みを持たせています。

初代ストラップフォンと比較してもわずかに0.2mm厚くなっていることからも、ダイヤルキーの押しやすさへの並々ならぬ意気込みを感じます。

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本体前面上部には受話口と着信ランプがあり、その下に1インチの液晶ディスプレイ、そして2つのファンクションキーとカーソルキー、センターキー、通話キーおよび終話キー、そしてダイヤルキーが並びます。ダイヤルキーは上下方向に等間隔のスリットが設けられており、上下のキーと押し間違えないように工夫がされています。ここにもキー操作に妥協しない同社の姿勢が見えます。

本体底面にはmicroUSB端子とマイク、さらに大き目のストラップホールがあり、背面にはスピーカーとアンテナが配置されています。アンテナは引き伸ばすタイプではなく回転式となっており、180度まで開くことができますが、90度で一旦止まるように調整されているのが使い易い印象を与えました。

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本体のサイズ感

本機を語る上でどうしても外せないのはそのサイズ感です。数値やフリスクとの比較でその小ささが分かっても、実際に “携帯電話として” 持った時に、どれだけ小さいのかはなかなか伝わりません。そこで、他社の小型端末や一般的なスマートフォンなどと比較してみました。

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上の画像は、左からストラップフォン2、premini-S、XPLATE、iPhone 5、DIGNO DUALとなっています。ウィルコム端末の中でも小型軽量のモデルとして人気だったXPLATEと比較してもかなり小さいことが分かりますが、極小の携帯電話として有名なpreminiシリーズよりもさらに一回り以上小さいというのは驚きです。

そしてもう一点驚くべきは、本機を横にしてみた場合です。本機の縦幅は70mmしかなく、昨今の大型スマートフォンの横幅と殆ど変わりがありません。むしろハイエンドのAndroid端末などで採用され始めている5インチディスプレイを採用したモデルなどでは横幅70mm以上あるものも少なくなく、本機を縦のまま並べてサイズ比較をするよりも、横にしてスマートフォンが本機の何台分に相当する、といったような表現をした方が、より小ささを実感できる気がしました。

例えばDIGNO DUALの場合、その大きさは本機の約4台分に相当することになります。

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このほか、サイズ感をより実感していただくために動画を用意しましたのでご覧下さい。

通話、メール、そのほか通信機能など

本機では初代ストラップフォンからの機能強化として、メール機能の実装、アンテナの増設などがあります。

初代ストラップフォンでは内蔵アンテナのみであったために通話品質に不満を持つ声も多くあり、改善が必要な点の1つとして挙げられていました。今回テストした筆者の自宅では、これまでXPLATEやDIGNO DUALといった内蔵アンテナのみの端末では電波強度が若干弱く、アンテナピクトは3本~4本をウロウロするといった状態で、通話の際も音声が途切れたり通話ができなくなるなどの症状が出ていました。しかし本機では常にアンテナピクトは5本表示で安定しており、外部アンテナを立てなくとも通話が途切れることは皆無で、非常にクリアなPHSらしい高品質の通話が可能でした。

内蔵アンテナと外部の稼動アンテナがダイバーシティに対応しているかは不明ですが、少なくともアンテナ感度はかなり改善されているものと思われます。またXPLATEやDIGNO DUALでは採用されていなかったW-OAMに対応していることも、電波の安定性に寄与しているものと考えられます。

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メール機能に関しては、ダイヤルキーへのこだわりに反し、良くも悪くもオマケといった使用感です。例えば一般的な携帯電話の予測変換では、「こん」と入力すると「こんにちは」まで候補が出たりしますが、本機にはそういった予測変換機能が無いために「こんにちは」と全て入力しなければいけません。また漢字変換なども予測変換が使えないため、1単語ずつ入力して変換する必要があります。

こういった入力の不便さは予測変換に慣れてしまった筆者などにはかなりの苦痛で、ダイヤルキーや画面の小ささよりも文字入力のわずらわしさが先に立ってしまい、メールを入力する気がなくなってしまいました。本機では送信時に全角では最大で1024文字まで入力が可能ですが、それほどの長文を打つ気には到底なれません。

その点で言えば、全角で最大45文字までしか入力できないライトメールは、本機との相性の良いメールシステムだとも言えます。

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最後にご紹介する通信モデム機能は、本機の隠し機能とも言うべきものです。本機のクイックスタートガイドやウィルコムの端末紹介ページでは一切この機能についての解説や記述がなく、一見すると存在しない機能のように思われますが、開発元であるエイビットのホームページのFAQにはモデム機能を利用できると書かれており、モデム/USBドライバも専用ページにて配布されています(こちらを参照)。

本機はそのスペック上、電波の変調方式に64QAMを採用しており、理論値では400kbpsのモデムとして機能するように作られています。実際にUSBモデムとして利用するには、上記のドライバをPCにインストールし、ウィルコム専用のアクセスポイントを持つプロバイダに接続する必要があります。

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試しにウィルコム自身が提供しているプロバイダサービス「PRIN」に接続してみましたが、接続までは確立するものの通信自体が行われず、上手く機能しませんでした。PRIN以外にも筆者が契約しているODNのアクセスポイントなどにも接続してみましたが、こちらも上手く通信できませんでした。

単純に筆者の環境が悪かったのか、それともドライバや端末側に問題があったのか分かりませんが、通信料金以外にもプロバイダ料金が掛かってしまうUSBモデム接続はあまり使い勝手が良いとは言えず、またWi-Fiを利用した3GやLTEのモバイルルータやスマートフォンによるテザリングが全盛である現在において、本機によるデータ通信は、仮に接続に成功したとしても実用的とは言い難い部分があります。

ウィルコムやエイビットとしても、そういった背景を見込んだ上でクイックスタートガイドや公式サイト上にもその機能を載せていないとも考えられ、積極的に使うべき機能ではないと思われます。

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最後に

フリスクのケースサイズを目標とし、世界最小最軽量を達成した本機ですが、その使い勝手は想像以上に良かったと感じています。日本語入力の不便さからメールの使い勝手が悪かったり、モデムとして正常に機能しないなどの不満点もありますが、なによりPHSの本質である「通話品質が良い」というただ一点において、本機は存在価値を大きく見出しているように思えます。

事実、昨今のウィルコム端末の売れ筋を見てみると、通話とライトメールしか機能が無い「STOLA(WX08K)」が常にランキング上位に食い込むなど、ウィルコム=通話専用というイメージが確実に定着している様子が伺え、そういった通話特化型端末がウィルコムの毎月の純増を支えていると言っても過言ではありません。

そのような中にあってW-OAMとツインアンテナによる安定した通話が行える本機は、プライベートの通話用にもう1台持ちたいが大きい端末は邪魔、といったような消費者のニーズに非常によく適した機種であることが分かります。

あまりにも小さく奇抜なスタイルであるために敬遠されがちな本機ですが、そのポテンシャルはミニマムではなく非常に大きなものだと感じました。本機は1万2000台の限定販売であるため、気になった方はウィルコムプラザやケータイショップなどで購入できるか尋ねてみると良いかもしれません。

[ウィルコム]

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