全ての人に静寂を。耳栓のようなイヤーピース「サイレントイヤホンピース」登場

1979年7月、世界に「WALKMAN」という携帯型音楽プレイヤーが登場した時から、人々は音楽を “持ち歩く” ことを覚え、それと同時に音楽を聞く手段としてヘッドホンやインナーイヤーヘッドホン(イヤホン)を愛用するようになりました。以来これらのヘッドホンシステムはオーディオプレイヤーと共に進化し続けてきましたが、30年以上が経った今でも人々が悩み、その解決方法を模索し続けているのが「周囲の騒音を如何に抑えるか」という点です。

徳島を拠点とする音響機器メーカー、サウンドサイエンスは、その難題に面白い回答を示してくれました。それが先日発売された「サイレントイヤホンピース」です。こちらの商品はカナル型イヤホン用の汎用イヤーピースで、3種類の径(サイズ)がセットになった「トライアルセット」が、同社のオンラインショップにて645円で販売されています。


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サイレントイヤホンピースの面白いところは、通常のイヤーピースにあるはずの音を出すための穴が存在しないことです。素材もラバーゴムなどではなく米国Moldex-Metric社製の高遮音性ウレタンが使用されており、市販されている一般的な耳栓のように伸縮性に富み、耳の中で膨張して耳の形状にぴったりとフィットするようにできています。

当然耳を完全にふさぐ構造であるために遮音性は非常に高く、周波数帯にもよりますが、平均で約20dBの遮音特性を示しており、同社によれば「地下鉄や航空機内の騒音(約85dB)でも環境音を気にすることなく音楽を楽しめる」とのことです。


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今やヘッドホンやイヤホンの遮音方式はデジタルノイズキャンセルが主流となりつつあり、騒音と相反する位相の音を出すことで “音を相殺する” のが当たり前となる中で、あくまでもアナログな方法で “音を消す” ことに力を注いだ本製品は非常に面白いのですが、その反面肝心のイヤホンからの音までも消してしまうという弊害を生んでいます。

まるで本末転倒のようにも思われますが、そこもしっかりとフォローしているのが同社のユニークな一面かもしれません。遮音効果が高く音が消えやすい高音域を補完し音量を引き上げるための専用チップを搭載したイヤホンジャック型アダプタ「マジックコネクタ」(210円)か、同社が昨年10月にリリースしたiOS向けのイコライザーアプリ「UBiO」(450円)を併用することを推奨しています。


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サイレントイヤホンピースのトライアルセットには、S、M(SHORT)、M(LONG)の3種類のイヤーピースが同梱されています。イヤーピースは殆どのメーカーの製品に使えますが、ShureやKlipschといった一部のメーカー製品の場合、接続する軸部分が細くなっている関係上使用できない場合があるとのことです。

外出先で使用することの多いヘッドホンやイヤホンとその遮音性については永遠の課題とも言えますが、他社とは全く違った方向性で取り組んだ本製品は非常に意欲的でもあり、またある意味では無謀な挑戦のようにも感じられます。製品の評価に関しては実際に使用してみなければ分かりませんが、この完全に未知数なイヤーピースの性能にただならぬ興味を惹かれるのは筆者だけでしょうか。

[サウンドサイエンス via ITmedia]

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