クリプトン、初音ミクをV3ベースでリニューアル

クリプトン・フューチャー・メディアは24日、同社のキャラクターボーカルシリーズの第一弾として発表された「初音ミク」をV3エンジンでリニューアルした「初音ミク V3」を発表しました。

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初音ミクとは?

初音ミクは、ヤマハが開発した音声合成エンジン「VOCALOID2」を採用したボーカル音源のひとつです。プロの声優である藤田咲さんを起用しており、独自の合成技術により、メロディと歌詞を打ち込むことで合成音声を作成することができます。本来VOCALOIDはコーラスなどに使われることを想定して作られたソフトですが、初音ミクの登場以降メインボーカルとして起用した楽曲が爆発的に増えたといわれています。

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VOCALOIDの打ち込みは、その基本的な部分が楽器の音源と酷似しています。そういう意味では、初音ミクはボーカルでありながら、これまでになかった楽器の一種であるともいえるでしょう。これを使えば、「自分はバンドを組んでおらず、ベースしか弾くことができないが、オリジナル曲をバンドサウンドで作りたい」というような人でも楽曲を形にすることができます。

今日では、その愛らしい姿からビジュアル面でも使用されることが多く、有志によって作られた「MikuMikuDance」を使った疑似的なライブやPVに登場するほか、ゲームに起用されたりグッズ化されたりしています。

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VOCALOIDのおおまかなしくみ

VOCALOIDエンジンは、基本的には「音声素片の接続」をするものです。声優にいくつかの意味を持たない文章を読んでもらい、その音声を切り貼りすることによって作られているといわれています。

日本語は子音と母音(もしくは母音のみ)からなっており、文字を繋げて読む際は前の文字の母音とのつながりがあります。例えば、「みく」と発音し、これらを切り取って「く」「み」と入れ替えた場合、言葉としては非常に不自然なものとなります。なぜかというと、このときの「ku」の音は前の音「mi」とつながっており、正確に言えば「(u)mi」という発音をしているからです(さらに言えば、前の子音ともつながっていた方がより自然な音になります)。VOCALOIDエンジンはそうした「前の音との接続」をパターン化し、自動的に合成しているといわれています。

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V3ではなにが変わる?

「VOCALOID2 初音ミク」は初代VOCALOIDたちと比べて改良された製品であったものの、依然として不自然な機械音声らしさが残っていました。初音ミク V3では、VOCALOID3の技術「トライフォン」を活用することにより、個性を残しながらもより自然な人の声に近づけられているとされています。また「MIKU APPEND」からいくつかの声色をブラッシュアップして搭載しているとのことです。

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さらに、「オールインワン・パッケージ」になった点も見逃せません。一新されたボーカルエディタ「Piapro Studio」に加え、それを起動できるDAWソフト「Studio One Artist 2.5 Piapro edition」、200種類以上の音源を収録した「PreSonus」を同梱。『DTMは初めて』という人でもこれひとつ買えばすぐに作曲を始められるような商品となっています。

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次世代ボーカルエディター「Piapro Studio」

V3 Editorと比較すると、歌手のアイコンが表示されるサイドバーが追加され、これまでの簡素なデザインから、より親しみやすいものへと変更されました。最大で15人までのライブラリを追加することができ、コーラスや合唱を簡単に作成することが出来るようになっています。Win/Macの両方で動かすことができるとのことで、スタンドアロン版ではないもののMac対応を実現しました。

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VSTiに対応しており、CubaseだけでなくSONARなど他のDAWソフトでも扱うことができるようになりました。64bitにも対応しているとのことですが、LogicやGarageBand上で動作させるためのプラグイン(AU)は後日アップデートにて対応するとのことです。

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今後のスケジュール

初音ミク V3はまだ完成しておらず、発売日や価格などについては8月上旬に改めて発表するとされています。英語版については既に完成しているものの、「VOCALOID2 巡音ルカ」のようなハイブリッドタイプではなく、別途V3ライブラリとして提供する形を予定。同時に「MEIKO V3」も開発中であり、初音ミク V3と合わせ、既存のユーザーには優待販売を予定しているとも言われています。

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初心者でも始められるボカロへ

筆者は初音ミクを所有していますが、これまでのVOCALOID2 Editorはぶっきらぼうな印象を受けるインターフェースであったと感じていたので、今回のPiapro Studioに対しては、8月5日に発売が予定されている「VOCALOID Editor for Cubase NEO」以上に期待を寄せています。MIKU APPENDの声色追加も作曲の幅を広げますし、なにより優待価格販売が行われるのは既存ユーザーには非常に嬉しい措置です。発売が待ち遠しいばかりです。

[クリプトン・フューチャー・メディア]
[ITmedia]

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