ロシア連邦警護庁が「タイプライター」導入へ ―PRISM事件を受けて

英紙The Guardianは11日(現地時間)、重要人物の警護や政府通信の保障を担当しているロシア連邦警護庁が20台の「タイプライター」を注文したと報じています。

なぜ今更「タイプライター」なのかと思ってしまうところですが、タイプライターには手書きと同様に特有の筆跡のようなものがあるため、情報源を追跡することが可能だからとのことです。

なお、タイプライターの導入は以前から検討されていました。アメリカが各国の大使館などを盗聴していたとされる問題や、主要なIT企業とNSAが結ばれる「PRISM」システムが暴露されたことを受け、導入を決めたとのことです。ロシアの役人はこのPRISMに対して激怒しており、インターネット機器や電子機器の危険性を強く感じたといいます。

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露紙イズベスチヤの取材に対して、ロシア連邦警護庁の元トップで現下院議員のニコライ・コバレフ氏は、「セキュリティーの観点から見て、いかなる形でも電気的なコミュニケーションは脆弱であり、最も原始的な方法が推奨される」と述べており、現在においても多くの書類は電子化されていないことを明かしました。

情報機関が秘密保持のためにタイプライターを利用するというのは、一見するとおかしな話に聞こえますが、これはとても興味深い事例であると筆者は考えています。というのも、情報機関がコンピューターの安全性に対して警鐘を鳴らしているように感じるからです。

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日本で考えてみると、たとえば逃走犯を追跡するために「Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)」が国内に張り巡らされ、さらに、携帯電話が通信を行った基地局から逃走犯の居場所をおおよそ割り出すことができます。犯人を素早く捕まえることができる利便性がある一方で、ここに情報社会の恐ろしさを垣間見ることができるように思えてなりません。

今回のニュースは、情報の安全性を第一に考える情報機関だからこその思い切った決断だとも言えますが、私たちも常に監視されているかもしれないことを踏まえれば、情報社会に対してもっと警戒感を持つことが必要かもしれません。

[The Guardian]

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