ソニー、新型ウォークマンを国内発表 ―ハイレゾ対応機含む6シリーズ14機種

ソニーは25日、携帯音楽プレイヤー「ウォークマン」の新機種を発表しました。特に注目が集まっているのは、最高24bit/192kHzのハイレゾ音源に対応した「ZX1」・「F」シリーズです。

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徹底的な高音質―ピュアオーディオ志向の新シリーズ「ZX1」

ZX1は最上位に位置付けられた新シリーズのウォークマンです。初めに価格をお伝えしておくと(実売予想)75000円になる見込みで、価格にはこだわらず最上級の音質を求めるユーザーをターゲットにしています。カラーはシルバーの1色のみ。

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筐体には削り出し金属を使用することで、外部からの電気ノイズを遮蔽し、同時に見た目の高級感も高めています。また、電源には通常モバイル機器では使用されない大型のコンデンサーを使用しており、そのため外見は背面下部がポッコリと飛び出た特殊な形となっています。さらに端子やケーブルの素材にも抵抗の小さいものを使用し、徹底的にノイズを低減。これぞ「ピュアオーディオ」というべきハードへのこだわりが伺えます。

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技術面でもこだわりが見られます。ハイレゾ音源に対応するため新たに開発したモバイル向けフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載。さらに圧縮音源を「CD音質以上」レベルにアップコンバートする「DSEE HX」エンジンも搭載し、ソニーならではの高音質技術を詰め込んだウォークマンとなっています。

一方、他製品には一般的なノイズキャンセリング機能は非搭載です。ノイズキャンセリングは「外部の雑音と逆位相の音(ノイズ)を音楽に乗せる」という仕組みですが、音質への影響をできる限り小さくするという思想のもと、敢えて搭載しなかったとのこと。最上級のオーディオを楽しみたい人が、雑音の大きな環境で聞くことはまずないので、ZX1にとってはそもそも不要な機能なのかもしれません。
またハイエンドユーザーをターゲットとしていることから、イヤフォンは付属していません。これらのユーザーはすでにお気に入りの一品を持っていて、不要と判断したとのこと。

保存容量は128GBと大きく、高ビットレート(24bit/96kHz)の楽曲でも約800曲まで保存できます。
またトリルミナス ディスプレイを採用し、Android 4.1(Google Play対応)を搭載するなど、音楽だけではなく動画やアプリでも楽しめるようになっています。連続再生時間は35時間と、バッテリー性能も高くなっています。

ハイレゾ対応で高音質 ―バッテリー寿命も大幅延長の「F880」シリーズ

Fシリーズとして初めてハイレゾに対応したF880シリーズ。筐体以外はZX1とほぼ同じ仕様で、S-Master HXやDSEE HXを搭載、トリルミナスディスプレイやAndroid 4.1を採用しています。

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ZX1には搭載されていなかったノイズキャンセリングをF880シリーズでは採用。98%の騒音をカットするとのことで、移動中も音楽に没頭できます。

また大きな変化として、バッテリー持続時間が大幅に延長されました。前世代のF800シリーズでは連続再生は25時間となっていましたが、F880シリーズでは35時間と、約40%の向上を達成しています。

保存容量は16/32/64GBと、ハイレゾ対応にも関わらず据え置き。もはや「ハイレゾ専門」のZX1に対して、こちらは高音質志向の一般向け主力商品となっているようです。

NFCでスマホと接続、Bluetoothヘッドセットにもなるスティック型の新シリーズ「M505」

アルミ合金の筐体により上質な見た目を持つ新ラインナップ「M505」の特徴は、何と言ってもスマートフォンとの連携。スマートフォンに保存されている音楽や動画をウォークマンに転送し、「S-Master MX」やノイズキャンセリング機能によって良音質で楽しむことができます。

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また本体にマイクが内蔵されており、音楽再生時に着信があるとヘッドセットに早変わりし、そのまま通話することができるという変わった機能も。
メモリーは16GB、カラーは4色です。

ヘッドフォン・スピーカー一体型「WH303」、スポーツ向け防水イヤフォン型の「W274S」

WH303は、ヘッドフォンとスピーカーが両方ともついている興味深い新シリーズ。ヘッドフォンに内蔵されたオーディオ機能によって、コードの煩わしさを取り除いています。また、単体のヘッドフォンとしても使用できます。

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この製品の面白いところは、首にヘッドフォンをかけた時にちょうど良い位置にスピーカーを配置した点にあります。新技術VPT(Virtualphones Technology)によって音楽が頭を包み込むような新感覚の音楽体験を実現したとのこと。当然ですが、このスピーカーモードは音が周囲によく聞こえるので、公共の場での利用には十分な注意が必要です。

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Credit:ソニー

イヤフォンタイプのW274Sは前世代機(W273)で要望の多かった大容量に応え、8GBになりました。また、水泳で使用する人々が22%と多く、使用後の水抜きの手間を軽減するよう要望が寄せられていたとのこと。そこで水泳専用のイヤーピースを付属して、ドライバー部分に水が入らないよう改良されました。

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2倍以上!!史上最長77時間連続再生対応の「S780(K)」シリーズ

S780シリーズの最大の売りは、フラッシュメモリータイプのウォークマン史上最長となる77時間連続再生を実現したバッテリー性能。従来の「S770」シリーズの「36時間」と比べて2倍以上という大幅なスタミナアップを達成し、ウォークマンからスマートフォンへ給電できる「おすそわけ充電」機能を新たに採用しています。一例をあげると、Xperia Zに1時間で20%相当の充電が可能とのこと。対応機種は今後同社ホームページに公開されます。

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音質面では、FLACやALAC(Apple Lossless)など、音質劣化のない可逆圧縮規格に新たに対応し、高音質な音楽を再生することができるようになりました。また、ノイズキャンセリングやBluetoothにも対応しており、より使いやすい基本モデルに位置付けられています。

容量は8/16/32GBで、8/16GBモデルにはスピーカースタンド付属のS780Kシリーズも展開されます。

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繰り返し機能など機能を追加したエントリーモデル「E080(K)」シリーズ

E080シリーズは4GBモデル(E083)のみのエントリータイプ。こちらも新たにFLACやALACに対応し、ノイズキャンセリングを搭載していますが、ビデオ再生には対応していません。
新機能としては、指定区間を繰り返し聞ける「A-Bリピート再生」、曲のテンポを抽出して表示・コントロールするダンスモードに新たに対応し、エントリーモデルでも強力な再生機能を使用できるようになりました。

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注目はハイレゾ対応機、エントリーモデルも高音質対応へ その狙いは?

これまでは、「ポータブルオーディオプレイヤーで聴く音楽はCDより音質が悪い」のが一般的でした。CDからMP3/AACに変換する場合には当然情報量は落ちてしまいます。オンラインで購入するコンテンツもMP3やAACの128〜256kbpsがほとんどで、これらもCDには遠く及びません。

しかし、CDよりも品質の高いハイレゾ音源にポータブルプレイヤーが対応し始めたことで、上の状況が逆転する可能性が高くなってきました。なお現状では、対応機器はハイエンドモデルに限られています。

ただ、今回はエントリーモデルもCD程度の音質の可逆圧縮に対応したことから、高音質な音楽へのシフトは着実に起こっていると言えます。

近年は、CDをはじめとするコンテンツ市場規模の縮小が音楽業界にとって大きな課題となっています。映像業界が高画質な「4K」によって市場を活性化しようとするのと同様に、音楽業界も高音質な音楽を売りにして行くのでしょうか。

移動中に音楽を聴くというスタイルを普及させたウォークマンですが、音楽業界の停滞を打破する新たな製品をソニーは作り出せるか、今後の動きに注目したいと思います。

[AV Watch 1,2,3,4,5,6][SONY]

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