DeNA、教育分野に本格参入 ―企画・監修にNHKエデュケーショナル

株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)は16日、スマートフォンやタブレット向けの教育アプリ「アプリゼミ」を発表した。iOS端末向けには本日12月16日から提供済みで、Android端末向けには近日配信予定とのこと。

初めは2014年度新小学1年生向けにサービスを提供し「小学校入学準備号」を配信、2014年4月からは「小学1年生講座」をスタートさせる。その後徐々に対象学年を拡大し、最終的には小学生~高校生の12年間をサポートする予定としている。

価格は月額980円。なお、本日から提供が開始される「小学校入学準備号」及び6月末までの「小学1年生講座」は無料で提供される。

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Credit:DeNA

教材の内容は、教育番組のノウハウをもつ「株式会社NHKエデュケーショナル」が担当する。筑波大学付属小学校や昭和女子大学付属昭和小学校、慶應義塾大学等の教師が協力して構成されており、練習問題をひたすら解くような簡単なものではなく、本質的な理解を狙う本格的なものになっているとのこと。

例として、小学1年生講座では、算数・国語・英語の3科目が用意される。国語と算数は学習指導要領に基づき構成され、英語はオリジナルとなる。算数においては教科書別に複数用意され、入学する小学校に適切なサポートが提供される。

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小学校入学準備号の課題の例。準備号では、「ひらがな」と「かず」のセンスを身に着ける

ソーシャルゲームを手掛ける「DeNA」らしい仕組みも導入されている。向上心を高める「ご褒美メダルシステム」や、「勉強に応じてアプリ内のキャラクターが成長する」といった、子供のモチベーションを上げる工夫だ。

また、どのくらい勉強したのか、学習状況を勉強履歴から確認することができ、親にとっても嬉しい機能が備えられている。

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先日、佐賀県がWindows 8 Pro搭載PCやタブレットを県立高校生全員に導入することを発表した例にもみられるよう(過去記事)、教育へのICT化の流れが進んでいる。この流れは文部科学省が推進しているものでもあり、2020年には全小中学生に一人一台の情報端末の時代が到来するとも言われている(既になりかけている…?)。

そんな中での今回のDeNAの取り組みは、より先鋭的なものと言えるだろう。学費の高い私立学校や、塾に通わせられるかどうかで受けられる教育が大きく変わってしまう、現在の日本。「教育格差」が至るところで叫ばれるもののその改善はなかなか難しく、進んでこなかった現状があった。この流れをせき止め、教育が平等にいきわたる、その一歩としてICT化は重要なポイントになりうるのだ。

その点で、今回のアプリゼミは価格も安く、それほど裕福な家庭でなくても導入しやすい。内容もNHKや各教育機関が担当しており、クオリティに一定の期待がもてる。

一方で、ICT化に過剰な期待や、信頼を置くのは危険であるとも筆者は考えている。もちろん、あらゆる人が平等に知識を得たり、考え方を鍛えるために有効であることは間違いない。しかし、学校で学ぶのは学業だけではなく、マナーやあいさつを初めとした人間同士のコミュニケーションも含まれる。

「電話は苦手、LINEやメールじゃないと…」と主張する若者が増えているという話も聞いたことがあるが、このような状況を生んでいるのは、実際に存在している相手をしっかり捉えられていない証拠である。いわゆる「既読疲れ」もその意味では似た現象だといえるが、これはネットワークの向こう側にいる “人間の実態” を考えられていないからではないだろうか。

我々は、端末の中ではなく、人間社会の中で生きているのである。

[DeNA ―プレスリリース] [DeNA ―アプリゼミ]

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