最新端末「Kobo Aura」を試す 着実に進化する楽天Kobo

今回レビューするのは楽天の「Kobo Aura」。ディスプレイにE Inkを採用する電子書籍端末で、Waveform技術を採用したことで電子ペーパー特有のリフレッシュ(暗転)が劇的に減少していることが特徴です。1年ほど前に電子ペーパー端末を触れた方であれば、その違いに驚くはず。

さらに、E Ink端末にありがちなディスプレイとベゼルの段差を排除。液晶タブレット端末のようにフラット仕様になりました。その結果、操作性が向上した事に加えて、デザイン的にも見栄えのする仕上がりとなっています。

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約1年前に初代Kobo Touchをレビューした際には、立ち上がり期の諸問題に由縁してネット上でも色々と話題になりましたが、今では当時の面影はまるでありません。

むしろ、ポイントやクーポンなど、”楽天らしさ” をふんだんに取り入れており、同業他社とは違った特色を出せているように感じることも。今回のKobo Auraは海外レビューでも評価が高いだけに、いやがうえにも期待が高まります。

注意:レビュー機材は開発途中のものであり、製品版とは動作が異なる場合があります。予めご了承下さい。

スーツにも似合うスタイリッシュデザイン

楽天koboの電子書籍専用端末は「Kobo Glo」と「Kobo Aura」の2モデル展開となります。ちなみに、先日発表されたばかりの「Kobo Arc 7HD」は、液晶画面採用&Androidタブレットという位置付けなので趣が異なります。

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Kobo Glo

Kobo Auraの価格は1万2800円で、Kobo Gloは7,980円。ハイエンドモデルにあたるのが今回レビューを行うKobo Aura。ライバル機種にあたるKindle Paperwhite 2が9,980円ですので、若干の価格差はあるものの、Kobo Auraの「軽さ」「microSD対応」「フラット画面」がその価格差を埋めてくれるポイントになりそうです。

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キャプション:Touchから続いたキルト・ステッチを模した背面デザインは、Auraで一新された

モデルの違いはデザインにも現れており、Kobo Gloが女性に人気があるクロスステッチを模した背面デザインであるのに対し、Kobo AuraはビジネスノートPCを思わせるデザインを採用。スーツにも似合うデザインで、ワンポイントで添えられた「kobo」のロゴがアクセントになります。

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キャプション:女性に人気のある、ビビッドなピンクモデルも用意される

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背面は細かな凹凸加工がなされており、片手で持った際にも滑りにくく安心感があります。6インチの画面サイズですので、大人の男性であれば鷲掴みできるサイズの横幅114mm。

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ちなみに、E Inkを採用した電子書籍リーダーの場合、鷲掴みするよりも、上画像のように端の方を片手でチョット掴んで持つのがオススメ。これは、液晶端末よりも圧倒的に軽いから実現できる技であり、Kobo Auraは競合機種の中でもダントツに軽い174gを実現しています。

Kobo Aura Kindle Pw(2013) iPad mini Retina Nexus 7 (2013)
174g 206g 331g 290g

普段、液晶画面のタブレット端末を利用しているユーザーがKobo Auraを持つとその軽さに驚くかもしれません。読書用の端末だからこそ、手に持った際のストレス・負担を極力軽減したいもの。個人的にはE Ink端末が “最高の電子書籍端末” と考えているので、眼球疲労軽減の点を踏まえてもE Ink端末を選びたいところです。

バッテリー駆動時間・最長 約8週間

Kobo Auraの公称バッテリー駆動時間は最長・約8週間。8時間ではなく8週間です。液晶端末と比較すると単位が異なるので驚いてしまうところですが、そんなところもE Ink端末の魅力。

ちなみに8週間というのはフロントライトとWi-Fiオフの状況下ですので、実際は上記よりも短くなるものと思われます。実際、消費電力が大きいと思われるフロントライトを付けたまま読書をしていたところ、数%程度バッテリー残量が減少していました。

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キャプション:電源ボタンはスライド式。
ライトボタンとの混同を防ぐだけでなく、持ち運び時に誤作動を防ぐ。

本体右上には電源ボタンとフロントライトボタンを配備。おさらいをしておくと、液晶ディスプレイの場合、液晶の後方から光を当てるので「バックライト」と呼ばれていますが、E Inkの場合は前方から光を当てるので「フロントライト」と呼ばれています。

本体下部には最大32GBまでのmicroSDHCスロットとmicroUSB端子を配備。内蔵ストレージは4GBで、使用可能な容量が約3GB。内蔵ストレージだけでもかなり余裕がありますが、microSDHCを利用することで大幅に拡張することが出来ます。ちなみに、koboクラウドでコンテンツを管理できるので、内蔵ストレージに躍起になる必要はありません(後述)。

Kobo AuraはWi-Fi経由で端末同期を行うことができますが、PCとケーブルでつなぐ場合は上記のmicroUSB端子を利用します。個人的にはWi-Fi経由の同期が殆どなので、ケーブルをつなぐのは数週間に1回の充電時でしょうか(※USB充電アダプタ経由で、壁コンセントから直接充電も可能)。なお、同期は楽天Koboのサーバー(Koboクラウド)と行うので、基本的にはPCを立ち上げる必要がありません。

さよなら、電子ペーパーの頻繁な暗転処理

Kobo Auraの外観面における最大の特徴は、前面が「フルフラット」であることです。ライバル機種にはベゼルとディスプレイの間に段差がありますが、Kobo Auraはフルフラット。見た目の面でも美しいだけでなく、ベゼルによる陰がディスプレイに映り込まないのも利点でしょう。

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解像度は「新型Kindle Paperwhite」と同じ212dpi。E Ink Perlディスプレイを採用し、RegalのWaveformテクノロジーも取り入れることで、リフレッシュを劇的に減らしています。

Waveformテクノロジーを採用していない「初代Kindle Paperwhite(左)」と「Kobo Aura(右)」のページ送りを比較した動画が上のもの。

注記:Kobo Gloを所持していない為、Waveform非搭載端末として、手持ちの初代Paperwhiteと比較しております。予めご了承下さいますようお願い申し上げます。

Waveformを搭載していない「Kindle Paperwhite(2012)」のページリフレッシュは5ページに1回リフレッシュする必要があるのに対して、Waveformテクノロジーを採用した「Kobo Aura」ではリフレッシュが章単位。リフレッシュ時の暗転が気になることがなく、読書に没頭することができます。

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20ページリフレッシュしなくても残像がほぼ見当たらない

上の画像は、kobo Auraで20ページリフレッシュしなかった場合に残像がどれほど残るか撮影したもの。残像らしきものはほぼ見当たらず、20ページ近くリフレッシュしなくてもなんら問題ないことが分かります。

1年前の端末との圧倒的違いはまさにココで、一見の価値あり。

従来では5~6ページ単位でリフレッシュするのが一般的でしたが、今では「1章単位」でのリフレッシュが一般的です。そのため、リフレッシュ頻度の設定項目も「1ページ・5ページ・10ページ・章単位」に変更されています。なお、コミックにおける1ページ毎の強制リフレッシュ仕様に変化はありません。

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1年前の端末であれば想像もできなかった「章単位」でのリフレッシュ!

改善されたフロントライト、ムラ少なく

フロントライトには「ComfortLightテクノロジー」が採用され、画面周囲のムラが解消されています。

実際に使用してみると、ムラは暗所で見ても気にならない程度に改善されており、ムラを見つけようと頑張って見つかる程度です。KindleもKoboも前世代のフロントライトは “もう一歩” なところがありましたが、2013年モデルはいずれも満足いく仕上がりになっています。

Kobo Touchからは劇的進化

初代Kobo Touchと比較するのが間違いであるほど、Kobo Auraは進化しています。なによりも画面ピクセル数1014×758に向上しているので、Kobo Touchの800×600とは目に見える形で異なります。

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左が初代Kobo Touch / 右が最新Kobo Aura
解像感が圧倒的に違う

軽いは正義 ベッドサイトのお供に最適

液晶タブレット端末と違って、Kobo AuraをはじめとしたE Ink採用端末は “寝ながら読書” にも最適です。

例えば、スマホを使って寝ながらブラウジングしていると、真剣に文章を読んでいる際中にバックライトが暗くなったり、スリープモードになってしまったりした経験はないでしょうか。それを防ぐために無意味にタッチパネルを触れ続けるといった小技がありますが、バッテリー駆動時間が驚くほど長いE Inkの場合はその煩わしさがありません。純粋に文章に集中できるので「電子書籍リーダー」の名前に偽りなしといったところ。

一昨年のトラブルは過去のもの アクティベートはスムーズに

Kobo Auraを起動すると「kobo へようこそ!」の文字と共に、Wi-FiまたはPC経由でのセットアップが求められます。昨年のKobo Touchではこのアクティベート作業でトラブルが発生しましたが、もはやそんなことはありません。いたって簡単にアクティベート完了。

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Wi-Fiネットワークを選択した後に、楽天会員ログインをすれば初期設定は全て完了。「Wi-Fi設定」「楽天会員IDでログイン」の2ステップで完了するカンタン仕様です。

楽天会員にクレジットカード情報を結びつけているユーザーであれば、書籍の購入時にクレジットカード情報を入力する手間すらありません。

ホーム画面はタイルスタイルに変更

今年6月にKobo Gloに適用されたホーム画面の変更はKobo Auraでも継承。タイルスタイルのホーム画面に触れることが出来ます。

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タイルはウィジェットの役割も果たしており、既読の本であれば進行度が併せて表示され、「楽天koboからのおすすめ」を表示するように設定しておけばオススメの書籍がレコメンドされるので、ザッピング感覚で書籍を探したいユーザーにはオススメの機能かもしれません。

使い始めはクイックツアー的なタイルがホーム画面を占拠していますが、使い慣れるにつれてカスタマイズするのがよさそうです。Kobo Gloに引き続き、レビュー機でもタイルを追加する方法が見当たらなかったので、その辺りは発売後に確認したいところ。タイルに関する情報は公式サイトに詳細が掲載されているので、そちらを参照すると分かりやすいことでしょう(公式サイト)。

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画面上部をタップすると通知メニューのようなものが表示されます。こちらもKobo Gloのアップデートと同様。実際は通知領域ではないので「クイックアクセスメニュー」と称するのが正しいのですが、スマホに慣れたユーザーであれば前述の表記のほうが伝わりやすいかもしれません。

具体的には「検索バー」「明るさ調整」「Wi-Fi オン/オフ」「同期」が操作できるほか、バッテリー残量の表示、「設定画面」「ヘルプ」へのアクセスが行えます。画面遷移が面倒に感じるE Ink端末において、このようなクイックアクセスUIはかなり便利です。

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本棚の表示も変化しており、リスト形式の表示にするか、またはカバー画像のみを並べた表示にするか選択出来るようになりました。個人的に収集欲が掻き立てられる表示方法は評価ポイントの一つ。大好きな漫画やら連作の表紙を並べて楽しみたいものです。

機能アップデートでKoboクラウドがさらに便利に

電子書籍をクラウドで管理しているため、端末から書籍データを抹消してもクラウド上のライブラリには残り続けるというものです。したがって、後から読みたくなった時にダウンロードして楽しむことが出来ます。

過去Kobo端末では、データ容量(書籍の数)が増えれば増えるほど動作が不安定になるという問題が発生していましたが、クラウド管理式ならそれらの心配も無用。出先で急に昔の本が読みたくなるというシーンは滅多に無いものの、仮にレアシーンに遭遇したとしても、格安Wi-Fiルータやテザリングが一般的になった今では、出先からも気軽にダウンロード出来ます。

また、端末同期時に書籍を一括ダウンロードするという仕様が変更され、最近購入or読んだ書籍が5冊のみダウンロードされる仕様になりました。巨大な本棚はクラウド上に、最近読む書籍は手元にといった具合です。

Kobo Auraをさらに細かく見ていく

初期のKobo Touchにおける “初心者に優しくない” 仕組みはKobo Gloで大幅に改善され、Kobo Auraでさらにブラッシュアップされています。

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日本語フォントは従来機種と変わらず「モリサワリュウミン」と「モリサワ ゴシック MB101」。どちらも読みやすさに定評があるので好き嫌いが分かれることは少ないもの。

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統計情報では読書スピードに応じた「読了予測」が行われます。読書を効率的に行いたいユーザーはもちろん、「あと○分でこの章が読み終わるなら読んでしまおう」といった時に便利な機能。紙本のように、章の長さを調べるためにわざわざ先読みしてネタバレに引っかかるようなこともありません。

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自動ライトオフと自動スリープは「5分・10分・15分・30分・45分・60分・設定なし」から選択。自動電源オフまでの時間も同様に選択できますが、基本的にはスリープでOK。別売のスリープカバーによる自動スリープのオン・オフ設定もこちらから。

試し読みで購入前にプレビュー

過去には、電子書籍の躊躇要素に「購入前に内容を確認出来ない」というものがありました。リアル店舗の書店ならば、購入前に軽く立ち読みして購入可否を決めることができますが、電子書籍だとデータなのでそうはいきません。とはいえ、そのような状況は多くのストアで改善されており、楽天KoboやAmazonはもちろんのこと、その他のストアでも改善されつつあります。

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楽天Koboには「プレビュー」という名前で試し読み機能が搭載されており、プレビューに対応した書籍であれば冒頭~第1章程度を読むことができます。プレビューで気に入ったならばそのまま購入も出来ますし、気に入らなかったら削除でOK。

ストアは改善されつつあるも、あと一歩

Kobo Touchリリースの際には、要となるストアの不備がクローズアップされました。弊サイトの過去レビューでもその点は触れていましたが、約1年経った今では改善されつつあります。

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まず当たり前ではありますが、対応書籍は大幅に増加しています。もちろんしっかりとした文芸・ビジネス・コミック・雑誌など。ブラウザ上から楽天Koboストアを見ると分かりますが、人気の書籍がズラリと並んでいます。人気の書籍も分類毎に分かれており、セール商品も一目瞭然。

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端末ストア経由におけるコミックの巻数もしっかり表示されるようになりました。1年前にはコミックの巻数が表示されないためにどれを購入して良いのか分からないといった事がありましたが、それも過去のことです。

端末から書籍を買う場合のストア表示についてはあと一歩といったところ。ライバルのKindleは通常のAmazonを見る感覚でレビューや書籍の詳細を見ることが出来るのに対し、Kobo端末経由でストアにアクセスした場合、レビュー文章だけでなく、星の数すら見ることが出来ません。

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昨今の電子商取引ではレビューの中身が購入判断に繋がり、強いては購入を後押しするだけに、最優先で改善することがユーザーのためにも、そして楽天Koboのためにもなるのではないでしょうか。

とはいえ、大多数の人はPCなどから端末に転送する形で書籍を買っているものと思われるだけに(この辺りは統計調査が必要)、大きなデメリットになるというワケではありません。私個人としては、未だにタブレットやスマホからネットショッピングする気になれないタイプですので、とりあえず何かしら料金が発生するものはPCから購入する質だったりします。

クーポン利用で書籍を安く購入

楽天Koboの大きな特徴になっているのが「クーポン」の存在。メルマガに登録していたり、Android / iOS向けのKoboアプリを利用したりしているとクーポンが届き、そのクーポンを書籍購入時に利用すると割引されるという仕組みです。「50%OFFクーポン」といった、驚くようなものもあれば、「30%OFFクーポン」は比較的頻繁に配布されています。

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画像のキャンペーンは記事執筆時に実施中だったもの

再販制度がある日本において “書籍を割引購入” というのは見慣れない光景だけに、個人的には宝の山を引き当てた気分になりました。Kindle(Amazon)をはじめとした海外サービスには消費税がかからないといったハンディがありながらも、国内発のサービスとして楽天Koboは価格面でも頑張っている印象を受けます。

1年半を経て成熟しつつある楽天Kobo

サービス開始から約1年半。確かに立ち上がり期のトラブルはありましたが、サービスは着実に成熟しつつあります。Kobo Gloから1年越しに投入される新型Kobo Auraは、海外での評判通り、期待に応えてくれる端末でした。

E Ink端末を毎年のように購入している筆者ですが、ようやく他人にお勧めできる世代になったなぁ…という印象を受けます。ライバルにあたる液晶ディスプレイの進化が著しく、高精細が大々的にウリにされていますが、やはりE Inkは液晶ディスプレイには無い良さを持ち合わせています。

従来、「軽さ」「バッテリー長寿命」「屋外での視認性」がメリットであった一方、「画面リフレッシュ」が大きな足かせになっていただけに、それが大幅に改善されたとなれば多くの人に勧められると言えるでしょう。

価格も液晶タブレットのように高くはなく、1万円台前半であることを考慮すると購入のハードルは高くありません。1年前の電子ペーパー端末を購入したユーザーの中には、リフレッシュの多さに「失敗した!」と感じたユーザーも多いかと思いますが、2013年モデルであれば概ね満足できるはず。

クーポンを利用してビジネス書を賢く購入するもよし。漫画を揃えるもよし。手軽に持ち運べてサッと読める電子ペーパー端末を試してみてはいかがでしょうか。

[楽天Kobo]

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