ソニー・パナソニック、有機ELテレビの共同開発を今年末で解消へ

日本経済新聞は25日、これまでソニーとパナソニックが進めてきた、有機ELテレビの共同開発が解消されると報じています。同社らは2012年6月に提携を合意、2013年のうちに量産技術を確立する計画を掲げていました。

しかし、パネルの耐久性の確保や生産コストの低減にメドがたたず、早期の商用化は難しいと判断されたとのこと。また、テレビ市場はフルHD(1920×1080ドット)から4K(4096×2160)へと遷移しており、すでに商用化がなされている「4K液晶テレビ」に注力するのが妥当だと判断されたとしています。

なお、有機ELテレビの開発自体は両社共に中止せず、独自開発は今後も継続されるとのこと。

Sony-logo   windows-8-smartphone-panasonic 

今回伝えられた事実は、いろいろな見方をすることができそうです。

有機ELテレビといえば、韓国サムスンやLGがすでに商用化を実現しており、液晶に比べて色彩が鮮やかな曲面テレビを発売しています。その一方で、上でも述べたよう日本メーカーは未だ商用化には至っておらず、韓国メーカーに先手を許してしまっている状況です。

しかし、このことが一概に日本メーカーの “劣勢” を意味するものとは言えません。試作品としては、ソニーもパナソニックもすでに56型有機ELテレビを発表しており、製造自体は不可能ではないものと思われます。

ここで両国のメーカーに共通するのが、「歩留まりの悪さ」です。有機ELテレビは現状利益率が非常に悪く、両国のメーカーの違いは、これに対する姿勢の違いでしかありません(厳密には異なるが)。韓国メーカーはまずは先んじて、日本メーカーは満を持してから有機ELテレビを発売しようとしているのです。

2013 Consumer Electronics Show Highlights Newest Technology

パナソニックの4K有機ELテレビの試作機

そんな状況での今回の提携解消は、契約期間を更新しない、というものであるため、ある意味消極的なものとみることもできます。十分な品質をもった製品を早期に発売することは難しいと判断したのでしょう。

ともなれば、「韓国メーカーが耐久戦に勝ち、品質の高い有機ELテレビを量産する」のが先か、「4K・8Kの普及期」が先に来るか、という競争の構造となることが予想されます。日本における4K放送は、来年2014年から衛星放送で試験放送、2016年には本放送、2020年には8Kもあわせて放送が開始される予定です。そのことから考えると、今後6年が正念場と言えそうです。

ただし、韓国メーカーが液晶テレビに特別弱いということもなく、逆に日本メーカーが有機ELテレビの開発を中止するわけでもないため、各メーカーの方向性次第では、競争の構造が変化する可能性もあります。

「薄型テレビ」の普及がほとんど完遂を迎え、新たな時代に入りつつあるテレビ市場。スマートテレビなど、単純な視聴以外を目的とした機能も続々と備えられる中、各社はどのような方向性を打ち出すのでしょうか。

[日本経済新聞]

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