総務省、ついにNTTとドコモの「セット割」解禁を検討

日本経済新聞は10日、総務省がNTT東西とNTTドコモの契約者向けに、自宅回線と携帯電話回線のセット割引を解禁する検討を始めると報じている。NTT東西は、旧・電電公社の流れを汲み、グループ会社同士との過度な連携は公正な競争を害するとして規制されてきた経緯がある。今回の件について、KDDIとソフトバンクモバイルの両社は反対の立場をとる公算が強い。

セット割で攻勢を強めるKDDI

セット割で攻勢を強めるKDDI

争点となる「セット割引」は、すでにKDDIが『スマートバリュー』の名称で提供している、家庭向けインターネット回線・固定電話・携帯電話をセットで申し込むと月額料金から一定額を割り引くものと同様のサービス。ソフトバンクモバイルも同様の施策を行っている。

NTTドコモおよび光回線フレッツ網の加入者が伸び悩む中、両サービスの加入者増を妨げるNTT法の縛りを見直すことで、NTT側としても加入者増に弾みを付けたい狙いがあるとみられる。

NTT東西は、NTT法第2条第5項により、NTTドコモのみを対象とした割引きプランは提供できない状態にある。セット割はNTTグループ内のみで完結することで、はじめて意味のある割引制度であるため、従来通りのNTT法ではサービスの提供が難しい状況にあった。

日本経済新聞によると、今月中にも総務省・情報通信審議会に有識者検討会を設置。通信事業者の意向も聞きつつ、2015年の通常国会に電気通信事業法の改正案を提出する見込み。法改正が絡むために「即座に提供開始」といった状況は難しい状況。

その上、NTTの営業規制が緩和されることで公正競争が保たれないとの見方も存在しており、KDDIとソフトバンクモバイルの両社が何らかの要求を求める公算が高い。同紙の見方としては、光ファイバー網を他社に開放するように要求する可能性を指摘している。

すでに「auひかり」を展開するKDDIなどは、幹線からユーザー宅への光ファイバー引き込み(いわゆるラストワンマイル)において、NTT東西のダークファイバーを一部地域で利用している(主に、旧TEPCO光の提供エリア外)。仮に、NTT東西が整備する光ファイバー網が格安で開放されるならば、「auひかり」と「フレッツ光」の加入者獲得争いは更に加速しそうだ。

一方で、携帯電話回線の高速化に伴い、固定インターネット回線の需要低下が叫ばれており、NTTにとってもインフラ整備・運用のコストが重くのしかかる危険性もある。

いまや、水道・ガス・電気の三大インフラに加えて、「通信」が第四のインフラとして欠かせない存在である。安定した通信網の供給は国家戦略上必要不可欠であり、整備・運用コストや公正競争のあり方について国家レベルで検討する時期に差し掛かっている。

[日本経済新聞]

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