ソニーは6日、VAIOブランドを擁するPC事業を投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡すると発表しました。また、BRAVIAブランドで展開しているテレビ事業を2014年7月をめどに分社化し、経営体制および責任を本社から切り離すことも明らかにしました。

ソニーのPC事業・テレビ事業はともに、今年度の赤字事業となる見通しが高まっています。

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VAIOはどうなるのか

日本産業パートナーズが設立予定の新会社に引き継がれます。新会社は、企画から製造、販売に至る事業全体を運営する予定です。現在のソニーのPC部門や関連会社から移行する従業員を中心に、250~300人の規模でされることになります。また、現在ソニーの PC事業の拠点である『長野テクノロジーサイト』を事業拠点とすることも明らかになっています。

今後のVAIOは、商品構成や規模を見直すことで『早期の収益安定化』を目指すとのこと。

ソニーのPC事業はどうなるのか

VAIO事業を設備ごと譲渡するソニーは、今年の春モデルを最後にPC事業から撤退することになります。過去に販売された製品のアフターサービスは今後も続けていくとのことで、利用者が見捨てられるということにはならないようです。

新会社では300人弱が継続して雇用される予定であるというのは上記のとおりですが、継続雇用やグループ内への異動が困難な人員を対象に、転職を支援する早期退職支援プログラムを実施する予定です。

テレビ事業はどうなるのか

今日の発表の中で、ソニーはこれまで赤字続きだったテレビ事業を本社から切り離し、完全子会社として改革を進めていくことを明らかにしました。分社化によって経営の自立性を高め、事業責任を明確化することを目標としています。とはいえ、テレビ事業の業績はこの2年でかなり改善しており、来年度には黒字化を目標にしているとのこと。

テレビ事業の場合、PC事業とは違って「子会社化」ですので、今後も消費者からみた「ソニーのテレビ」は続いていくものと思われます。

ソニーは日本や米国での4Kテレビのシェアが1位となるなど、高価格帯の製品展開が成功していることを紹介。先進国向けには今後も4Kテレビや高画質な2K(フルハイビジョン)テレビのような高付加価値製品のラインナップを強化していくことを明らかにしました。

メーカーの事業縮小は続く

PC、テレビといった主力事業を本社から切り離したソニー。特にPCは販売が継続されるとはいえ、ソニーブランドを失ってしまうという、VAIOファンにとっては悲しい結末を迎えてしまいました。一方、ソニーが2012年4月に定めた『イメージング関連』、『ゲーム』、『モバイル」の3事業では、力強い成長が表れているとして、今後も経営資源を注入していくとしています。

コンピューターから日用家電まで、実に幅広い製品を日本の家電メーカーは扱ってきました。今の時代、メーカーは国内だけではなく、海外のライバルとの熾烈な開発競争を余儀なくされています。人件費などコストでは優位に立てない日本メーカーは技術で勝負することになりますが、それにはさらに莫大なコストがかかります。今は海外メーカーもどんどん技術を成長させており、日本メーカーはたくさんの事業を全て維持するほどの余裕がなくなってきていると筆者は考えます。

パナソニックのプラズマ撤退、今回のソニーのPC撤退のように、今後も様々なメーカーが大きな決断をしなければならないときが来るかもしれません。

[SONY][日本産業パートナーズ(PDF)]