ソニーとパナソニックは10日、業務用次世代光ディスク規格「Archival Disc(アーカイバル・ディスク)」を策定したと発表しました。2015年夏以降に順次市場導入され、はじめは300GBから、将来的には1TBに拡大する計画です。

Sony-Logo
Panasonic_RGB

近年の技術の発展に伴う映像の高品質化や、それに伴うデータ容量の増大は、止まるところを知りません。そんな中、膨大なデータ資産をまとめて保存する「アーカイブ」の重要性がますます高まっています。

このような状況下で、ソニー・パナソニックの両社は『デジタルデータを長期保存するアーカイブ事業』の拡大を目標に掲げ、新たな大容量光ディスクを共同開発するとの合意を昨年7月に結んでいました。 

archival_disc_logo

今回初めて発表された新規格のロゴ。

両社によると、光ディスクは『保存時に温度・湿度の変化の影響を受けにくく、防塵性及び耐水性などの対環境性に優れ、またフォーマット世代間の互換性が保証されている』ため、データの長期保存に適しているとのこと。多くのコンピューターに使用されているハードディスクは構造上、熱や衝撃などに弱いといった弱点があります。また、SSDを始めとするフラッシュメモリーは、(非常に)長い期間で見ると、電子が抜けだしてデータが「蒸発」してしまう可能性があります。

アーカイバル・ディスクの仕様を見ていきましょう。ディスクは、片面3層の両面構造。そして、データを記録する「トラック」間の距離は0.225μmとブルーレイの約3分の2(CDの約7分の1)に縮め、さらなる高密度化を実現する予定です。また、読み書きにはブルーレイ・ディスクと同じ青色レーザー光(波長 405nm・開口率 0.85)を使用するとのこと。

これらの技術を詰め込むことで、15年夏以降に市場投入予定の初期型は1枚当たり300GBの容量を実現する見込みです。しかし、そこでおしまいではありません。データの線密度をさらに高め、ゆくゆくは500GB・1TBの超大容量タイプを完成させるとのこと。

disc_cap

このような高密度化を実現できた一因としては、隣のトラックから漏れてくるノイズ(クロストーク)を除去する技術のほか、高密度化に伴う分解能の低下を補正する「PRML信号処理技術」など様々な新技術の導入が挙げられます。

光ディスクの技術開発で実績のあるソニー・パナソニックが、新たな規格策定に向けて積極的に動いています。来年発売に向けて開発を急ぐ背景には、次世代光ディスク市場で優位に立とうとする考えも少なからずあると思われます。これまで幾度となく発生してきた規格競争、アーカイバル・ディスクはその戦争を制することができるでしょうか。

[SONY, Panasonic via ASCII.jp]