ウォークマンのハイレゾ対応が拡大 ―ソニー、DSD再生対応を含むアップデート計画を発表

ソニーは19日、同社のポータブルオーディオプレイヤー「NW-ZX1」「NW-F880シリーズ」に対して、機能追加を含むソフトウェアアップデートを行う予定であることを発表しました。

このアップデートでは新たに「DSDフォーマット音源」の再生が可能になり、現在ソニーが力を入れている「ハイレゾリューション・オーディオ」への対応がさらに広がることになりました。提供開始予定は4月下旬を予定しているとのこと。

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写真はNW-ZX1

今回のアップデートによって対応するDSD音源は、CD音源に対して約64倍の情報量を持つ「DSD 2.8MHz」までのDSF・DSDIFFファイル。これらはウォークマン内部でリアルタイムにPCM変換することで出力されます。また、バッテリーによる連続再生可能時間は非DSD音源再生時と比較して短くなる点にも注意が必要です。

PCMとは

さて、今回ウォークマンによる対応が発表された「DSD音源」ですが、なかなか馴染みの薄いフォーマットです。以前にも軽く紹介させていただきましたが(過去記事)、改めてDSD音源の特徴や、CDなどに使用されている音源との違いについてまとめてみます。

PCMやDSDとは、共に音声をデジタルなデータとして記録する際に使用される形式のことであり、現在音声記録媒体として主流となっているCD(コンパクトディスク)や、一般的な音楽データに対して広く用いられています。PCMでは音声を「量子化」と「サンプリング」によってデジタル化し、それぞれの細かさの具合を「ビット深度」や「サンプリング周波数」という値で示しています。

このうち、CD規格では16bit/44.1kHzを最大とし、これを超える高精細な音源を一般に「ハイレゾ音源」と呼んでいます。

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上の画像はPCM方式による音声のデジタル化をイメージしたものです。赤いサインカーブによって表された元の音声に対して、黄色のギザギザを新たに得るデジタルデータとし、グラフは縦にビット深度を、横にサンプリング周波数を表しています。一般に、ギザギザの間が細かい(=ビット深度・サンプリング周波数が高い)ほど、元の音声データに近いデジタルデータを得ることができるのです。

以上がPCMの基本的な原理と、PCMによる音声データの高精細化に関する説明でした。では、これを踏まえてDSDの基本的な仕組みを紹介します。

DSDとPCMの違いとは

DSDとは「Direct Stream Digital」の頭文字を取ったものであり、PCMと同じく音声のデジタルデータ化に関する一つの方式です。しかしPCMとの大きな違いとして、音声を疎密によって記録することがあげられます。音声の波形データを直接量子化・サンプリングするPCMに対して、DSDでは音声の強弱や大小といった要素をデジタルパルスの疎密によって記録します。空気中を伝わる音はまさに疎密波であり、DSDではより自然に音声をデジタル化することが可能です。

WM_DSD_003

Credit:ソニー

方式こそ違うものの、DSD音源はCD音源に対してよりデジタルデータの高精細化が可能であり、一般的なDSDファイルはCD音源に対して64倍や128倍の情報量を持つとされています。こういった事情から、特に近年高音質な音楽再生を目的とするオーディオ分野においては注目を集めることとなり、DSDへの対応が広がっています。

ポータブルオーディオに広がるハイレゾ対応の波

DSD自体は決して新しいフォーマットではありませんが、音源や再生に対応した機器の普及に課題がありました。対応機器は据え置きのアンプ等に限られ、少なくとも気軽に持ち運べるものではなかったのです。

今回、ウォークマン2機種がDSD再生に対応することになりましたが、上でも述べたようにネイティブな再生には対応していません。これはウォークマンに搭載されるSoCとの兼ね合いもあり、すでにDSD再生に対応しているiriver社の「AK100」等も同じようにPCM変換を利用してDSD再生を可能にしています。

DSDのネイティブ再生ができるポータブルオーディオプレイヤーが限られている現状で、 ”高音質ポータブルオーディオプレイヤーとしてのWALKMAN” ブランドを有するソニーとしては、先頭を切って市場を盛り上げていってもらいたいものです。

[ソニー]

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