Windows XP、ついにサポート終了 ―12年半の歴史に幕

米マイクロソフトは9日(日本時間)、Windows XP向けの最後の月例セキュリティアップデートを公開、そしてそれをもってWindows XPの延長サポートを終了します。またOffice 2003も9日をもってサポートを終了することが決定しています。

今回サポートが終了する製品一覧

  • Windows XP Home Edition/Professional/Media Center Edition 2002/Media Center Edition 2004/Tablet PC Edition/Windows XP Professional x64 Edition
  • Office 2003(Access 2003 / Excel 2003 /Outlook 2003/ PowerPoint 2003/ Publisher 2003 / Word 2003 / InfoPath 2003)

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Windows XP発表時(2001)のBill Gates氏

Windows XPが登場したのは2001年10月25日、今から12年半も前のことです。家庭向けとして初めてWindows NTカーネルをベースにした同OSは高い安定性を誇り、人気を博しました。

安定・堅牢なイメージのあるWindows XPですが、2003年頃に大流行したワーム「MSBlaster」などに代表される重大なセキュリティ問題に悩まされた過去があります。

例に挙げたMSBlasterは、ネットワークを通じて悪意のあるデータを送信し、感染したOS(被害者)は攻撃者となって別のパソコンに悪意のあるデータ送信(攻撃)を行なうという、現在語られる「コンピューターウイルス」の典型例のような悪事を働くプログラムです。ウイルス対策ソフトの検出を掻い潜ろうと様々な亜種が生まれたことも問題になりました。

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これを重く見たマイクロソフトは、Windows XP SP2の最重要課題にセキュリティ強化を挙げ、それに伴って後継OSの開発を中止したのです。

しかし、この問題がWindows XPのシェアを逆に増やす結果となりました。Windows XPが発売されてから、次のWindows Vistaが発売されるまでに5年の間隔が空いたため(通常は3年前後)、最新OSとして市場に居座る期間が長かったのです。

そうした事情もあって圧倒的なシェアを獲得したWindows XP。本来Home Editionなど家庭向けのバージョンは2009年4月にもサポートを終了するはずでしたが、『無防備なパソコンが巷に溢れかえるのを防ぐため』、5年間の延長サポートが追加されたのでした。

それまでのWindowsは、家庭用は次期OS発売から約2年でメインストリームサポートを終了し延長サポートは適用しないという姿勢でしたが、Windows XPの延長サポート適用を機に、後継のVista, 7, 8にも延長サポートを続けるように方針転換しています。

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Credit:日本マイクロソフト

こうして設けられた延長サポート期間も、いよいよ今日でおしまい。明日以降はどんな問題が見つかっても、世界に向けて更新プログラムが配布されることはありません。

イギリスやオランダ政府のように、個別の有償カスタマーサポートを受ける事例はある、ただし高額(外部記事)。

IDC Japanによると、2013年末時点では法人PCでは617万台(シェア17.1%)・家庭PCでは610万台(14.8%)のXPマシンが稼働しています。2014年6月末にはそれぞれ約半分の241万台(6.6%)・351万台(8.7%)にまで減少すると予測されており、新OSへの移行が進んでいることが伺えます。

それでも、サポート対象外となったパソコンが(日本国内だけでも数百万台)残ることは、セキュリティの脅威となる可能性があります。

過去の “MSBlaster” のように、感染したマシンが加害者となって被害を拡大させる事例が今後発生しないとも限らないため、サポートの切れたパソコンはネットワークから切り離す・USBドライブなどでデータのやり取りをしないなどの対策が必要となってきます。

しかし、XP(もしくはそれ以前のOS)を使い続けるユーザーの全てがそのような対策に関する知識を持ち合わせているとは言えません。むしろそういう方は、特に家庭ユーザーの中では少数派なのではないかと思われます。筆者としては、(自治体や企業などに代表される)予算の問題がない限り新しい環境に移行する方が賢明だと考えます。

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注目度が低くなっていますが、Office 2003も今日でサポート終了となります。

ひょっとしたら珍しいのかもしれませんが、私の周囲にはWindows 7搭載機にOffice 2003がインストールされているという事例がいくつかあります。ドキュメントファイルに仕込まれた不正プログラムに攻撃されてしまう可能性があるため、OSの更新だけで満足せず、こちらもしっかりと更新しておきたいものです。

.doc(Wordの古い拡張子)や.xls(Excelの古い拡張子)じゃないとダメ!』と言われる方、未だに多くおられるのではないでしょうか。それはつまり、古いOfficeシリーズが未だにはびこっている証拠。企業の場合は取引先との関係もあってすぐにとはいかないでしょうが、できるだけ早い時期にこのようなセリフが聞かれなくなることを願います。

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Windows XPとOffice 2003は、どちらも3世代前の製品です。つい最近まで身近に存在していたため、これらが10年以上も前に登場した製品だと思えないのは、筆者だけではないと思います。それでも進化し続けるソフトウェア業界にとって、これらは「過去の遺物」。進化するハード・ソフト技術に対応しながら安全性を保ち続けるためには、新たな世代にバトンタッチしなくてはなりません。

参考:[マイクロソフト(案内)][IDC Japan][WIRED]
   [マイクロソフト(解説)][MSBlaster(デジタル用語辞典)]

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