米アップル、iTunes Match日本で開始 年額3980円

米アップルは2日、同社のクラウド音楽配信サービス「iTunes Match」を日本地域でも開始した。利用料は年額3,980円。

iTunes Matchは、手持ちの楽曲を解析してアップルのサーバー上にある楽曲と照合(Match)。アップルのサーバー上にある楽曲と一致すれば、iCloud経由で外出先や様々なデバイスから音楽を再生出来る仕組み。

例えば、手持ちのPC/Macに楽曲は存在するが、iPhoneに楽曲が存在しないといった場合にもiCloud経由で再生出来る。従来、このような機能はiTunes Storeで購入した曲に限られていたが、過去25年以上に渡ってCDなどで自己が購入(または違法ダウンロード *後述)した楽曲の全てが対象である。

再生される音源はAAC形式の256kbps。手持ちの楽曲においてApple Losslessなどの可逆圧縮で保存していたとしても、iTunes Matchの256kbps AACが優先される。

Apple   iTunes   iTunes Match

前述した違法ダウンロードの件であるが、これは違法ダウンロードを推奨する目的ではない。デジタル音楽が広く一般的になった現代において、音楽業界に一石を投じる課金モデルであるために、強調して言及したものだ。

例えば、とあるユーザーが違法にMP3で楽曲をダウンロードした場合、レーベル(音楽会社)はそのユーザーから対象の楽曲において一切収入を得ることが出来ない。それどころか、本来発生する売上げが「違法配信」が原因で棄損されている。

ところがiTunes Matchの場合、(契約条件は明らかにされていないが)原盤権を保有するレーベルに対して再生数に応じた利用料の再分配や参加レーベルへの一定の報酬が支払われるものとみられる。つまり、違法配信された楽曲であってもユーザーが再生を行えばレーベルは収入を得ることが出来る。しかも、再生される限りは定期的に支払われる点が大きい(契約条件が明らかにされていないため、確実なことではない)。

iTunes Matchは米国でいち早くサービスが開始されていたが、その他の地域では上記のようなビジネスモデルに対して疑問視する声も多くなかなかサービス開始に漕ぎ着けられる状況ではなかった。2012年中にはiTunes Matchが国内でも提供されるといったインタビューによる公式回答もあったが、実際は約2年以上遅れた形となる。

世界的にみて音楽業界はデジタル配信時代に “乗り遅れた” といっても過言ではなく、業界の悪しき前例として映像配信業界やクラウドゲーム業界からは参考にされることが多い。

ある意味、音楽業界にとって苦肉の策ともいえるiTunes Matchではあるが、違法配信から収入を得るという点においては非常に画期的なサービスであるといっても良いであろう。

[Apple]

ソーシャルシェア

このニュースでディスカッション
  • コメントを投稿する際には「コメントガイドライン」を必ずご覧ください
  • コメントを投稿した際には、コメント機能利用規約(ガイドライン)に同意したものとみなされます
  • 主要ニュースサイトなどの「許可サイト」以外のURLを含む投稿はコメントが保留されます