予想:アップルの発表会は近年でもっとも注目イベントになる

米アップルの年次開発者会議「WWDC 2014」が日本時間3日午前2時から開催される。iOS 8が発表されることが確実であり、OS Xの新バージョンも披露される見込みだ。会場であるサンフランシスコのモスコーンセンターは「8」を刻んだペナントが飾られており、”お祭り” の様相を呈してきた。

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WWDC 2014でiPhone 6や新型iPadの発表は行われないとみられるが、今年のWWDCはここ数年で最も盛り上がるイベントになることはほぼ間違い無い。それは、アップルがゆくこの先の7~10年を示す発表会(基調講演)になると見られるからだ。

ホームオートメーションが次の象徴に

WWDC 2014で核となるのはiOS 8でも、OS Xの新バージョンでもなく「iOS in the Home」にある。仮に、煩雑すぎる商標問題を “無視” して「iHome」という名称を付けてきたら、その時点で基調講演は最後まで観て損は無いものとなるはずだ*

iOS in the HomeはホームオートメーションのiOS版。つまり、iOSを通じて家庭内の様々な対応機器を操作するというものだ。このようなSFチックな空想は昔からよくされているもので、自動的に点灯する照明と空調機器、言葉を伝えれば勝手に調理してくれるオーブンレンジなどがそれだ。

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流石にオーブンレンジは無理であるが、私たちが操作をして起動する機械・電化製品の多くが「自動化」される流れが近く訪れる。それを実現するための第一歩がWWDC 2014で発表されるというわけだ。

*正直なところ、HOMEという単語とRevolutionは水と油の関係であり、採用されるか否かは不透明。広告会社もそのような提案はしてこない可能性が高い。一方で、iOS in the Carを「CarPlay」に名称を変更した点も見逃せない。in theの後に来るべきはCarでは弱く、やはりHomeに鎮座するのが妥当であり、iOS in the Homeを際立たせるためにCarPlayに名前を変更した可能性も考えられる。仮にiOS in the Carを併用した場合、同じようなものとして見なされてコントラストが下がってしまう恐れがある。

Appleの30年はいよいよ集大成へ

080311_steven_paul_jobsスティーブ・ジョブズがアップルに復帰したのは1997年。その当時に作られたロードマップの最終フェーズにいよいよ突入するとみられる。初代iPhoneの発売から7年。次のフェーズに進む時が来たのだ。

誤解無きように補足しておくと、筆者はスティーブ・ジョブズを神格化することは好みではないし、「最後にジョブズが携わった○○」といった流れも好みではない。

しかし、30年先までのロードマップを描くことはアップルだけでなくグーグルや、IBM(!)ですら行っている。AT&Tも定期的に未来の生活を動画にして配信しているし、一般的な企業であれば当然のことだ。ご自身が勤めている会社でも、社長・会長の中には20年ないし30年先の目標は描けているはずであろう。それをロードマップとして落とし込み、着実に会社の駒を進めているか否かの違いでしかない(※それが大変なのであるが)

アップルの長期ロードマップは今現在も明らかにされていないが、筆者の予想では、アップルの思惑と現実にズレがあったとみている。特に自動車に関する部分だ。アップルのロードマップにおいては自動車の制御に関する部分がラストフェーズに位置付けられていたのではないか?と予想している。しかし、1997年当時では想像もできない圧倒的なスピードで欧州御三家(特にメルセデス)と “新興企業のグーグル” が駒を進めてしまった。

1997年当時は、米国と日本の双方がITS政策を国策で進めており、将来的には自動運転を行うためのインフラ整備までも考慮されていた。その方式は様々に検討されており、電磁誘導コイルを道路に埋め込むものから、小規模範囲の電波を用いたものなどだ。いずれも行政側の整備が必要であることが大きい。

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ところが現在、トヨタやメルセデス、グーグルが進めるものは「自律走行式」を採用している。自動車自体がカメラやセンサーを多数搭載して、画像処理を瞬時に行って自律的に走行することが出来るのだ。それには直線道路である必要はないし、急に人が飛び出してきても反応できるので高速道路(自動車専用道路)である必要がない。未来の世界がずいぶんと『早く来てしまった感』が否めないのである。

そういった点で、1997年当時に描かれたロードマップの最終章に刻まれていたであろう「自動運転」は棚上げとなり、実質的に「ホームオートメーション」が最終章になると予想している。ただし、アップルのロードマップはスティーブ・ジョブズが死去する前にアップデートされたと伝えられており、企業買収などを通じて参入する可能性も否定できない点には注意が必要だ。

そういった点を踏まえても「in the Car」が「CarPlay」程度の意味に抑えられたのも妙に納得できてしまうが、あくまでも妄想の域を過ぎない。

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