IFA直前、今年のSONYはどう攻める?

9月に入ったことで夏の暑さも一段落しつつあり、秋の気配も感じられるようになりました。しかし、ガジェット好きにとっては秋こそ “熱く” なる季節はないでしょうか。例年のAppleのイベントもさることながら、今年も9月5日(現地時間)からドイツ・ベルリンにて世界最大のコンシューマ向け家電見本発表市「IFA2014」が開催されます。

ここでは各メーカーがそれぞれ新製品の発表等を行っており、ソニーも例外ではありません。ここでは過去の発表を振り返りながら、今年のソニーについて考察を重ねていきたいと思います。

やはり鍵となるのは ”XPERIA”

前述のとおりIFAは家電全般に対する見本市であり、モバイル端末に特化したものでありません。しかし、現在の市場はスマートフォンを中心に形成されている印象が強く、近年ではソニーを始め韓サムスンなどもスマートフォンを主体に置いた発表を行うことが多いです。

ソニーは2012年に「Xperia T」を発表して以来毎年XPERIAの新モデルを発表しています。今年は「Xperia Z3」の発表が期待されており、ティザーとなる動画がすでに公開されています。

Sony_IFA_S_001

動画では3つの影をみることができ、これらはそれぞれ「Xperia Z3」「Xperia Z3 Tablet Compact」「Xperia Z3 Compact」だと予想されます。防水性能を強く意識させるプロモーションに加え、 ”3” という数字をテーマとして忍ばせることで、3つのハイエンドモデルが発表されることと予想できます。リークされた主要スペックに関してはこちら(過去記事)から。

半年でフラグシップを更新するのは最近のソニモバの戦略によるものです。リリースの間隔を短くする事によって、スペック競争が激しいスマートフォン市場において市場のニーズを的確に捉え迅速に対応することが可能になりますが、ディスプレイの解像度がフルHDに留まることや、他社フラグシップ端末が中心的に採用している「Snapdragon805」の搭載が見送られることが予測されている等、その努力には偏りが感じられます。ブラウジングやゲーム等の一般的な要素に関して、すでにマシンパワーとしてのスペックが飽和状態に向かいつつあることもその背景に感じられますが、フラグシップ機の高速リリースを行っているだけにここは惜しいところです。2015年には64bitに対応した「Snapdragon810」シリーズの出荷を控えていることもあり、気が早い話ではありますが、次期フラグシップにも期待したいところです。

一方でXPERIAがZ1→Z2→Z3(?)と世代を重ねるごとに確実に進化してきた面もあります。それは主にAV性能です。
XPERIAにはソニーのAV技術が多く取り入れられており、音質や画質の面で他社に対して優位に立ってきました。Z1のカメラ性能、Z2のディスプレイ・スピーカー・ハイレゾ・4K対応、これらを継承しつつZ3ではどのようにブラッシュアップできるかが大きな課題であり、まさにユーザーが求めていることでしょう。

加えて周辺機器との連携です。スマートフォン市場はスマートフォン単体に留まることを知らず、近年では腕時計型・腕輪型端末も多く発表されています。ソニーでも「SmartWatch」や「SmartBand」、変わったところでは「レンズスタイルカメラ」等を投入しています。

今回のIFAではこのようなウェアラブル端末についても新モデルの発表が行われる見通しであり、特にSmartWatchとSmartBandにおいてはそれぞれ新モデルの情報がリークされているところです。

Sony_IFA_S_002

SmartWath3では完全防水と無接点充電に対応することが予想され、韓サムスン・LGのスマートウォッチに注目が集まり、米アップルの「iWatch」の登場が噂されるなか、スマートウォッチにおいてノウハウを持ったソニーにおいては、今一度存在感を示してもらいたいものです。

注目すべきはAV?

やはり発表のメインはXPERIA関係になってしまいそうですが、ソニーの本業とも言えるAV(Audio-Visual)についても注目する価値アリです。

2014年のIFAでは大々的にハイレゾリューション・オーディオへの取り組みを打ち出し、多くのハイレゾ対応機器の発表を行いました(ハイレゾについてはこちら)。決して一般的になったとはいえませんが、ソニーはより高品質な音楽体験への興味を生み出すことを成功させ、ヴィジュアルについても昨年のIFAを境に4Kへの対応をさらに加速させているところです。

AVというものは趣味の領域であり、個人の感覚に評価を委ねる部分が多いものでもあります。客観的な評価を行うことが難しい分野でもありますが、ソニーではそれを独立した技術として育てることはもちろん、XPERIA等の他ブランドに活かせるという強みを持っています。趣味の側面が強いとはいえ、画質のスタンダードがHDからフルHDになったようにAVのハイレゾリューション化は避けて通れません。ソニーは総合的にAV機器を開発できる強みを持っており、さらにハイレゾの認知を広げられる可能性を持っているのです。

Sony_IFA_S_003

なお、IFAでは複数のヘッドホンやウォークマンの発表が予告されています。画像では「新ウォークマンAシリーズ」の右にヘッドホンが2種並んでおり、ハイレゾ音源に対応した新製品がさらに複数投入されることが期待できます。

特に新ウォークマンAシリーズは、プラットホームにAndroidを搭載しない従来のウォークマンのスタイルでハイレゾ音源が再生できるということ、F・ZXの上位シリーズよりも価格帯が下がることが予想されており、さらにハイレゾリューションオーディオの楽しみ方が広がることになりそうです。

また、ウォークマンは今年で誕生から35周年を迎えます。ウォークマンでは周年記念モデルをこまめに出し続けてきたソニーですが、今年は何かサプライズがあるでしょうか・・・?

「One Sony」から2年、そろそろ次が欲しい

「One Sony」

これは平井氏がソニーのCEOに就任した時に掲げたスローガンです。それは、個々に培われたソニーを技術に横のつながりを持たせ、バラバラであったソニー自体を一つにまとめることを目標の一つとしていました。近年では「Xperia Z」の発表以降XPERIAを介してその結果を見ることは出来ました。ソニーの魅力はAV性能の高さでもあり、XPERIAではカメラからディスプレイまでを高いレベルに持って行くことに成功したのです。

しかし、AV性能の体験の要とも言えるPC部門を失い、テレビさえも分社化してしまったソニーに何が残るのでしょうか。前項で触れましたが、AVメーカとしてのソニーは決して専業メーカではなく総合的な開発も行っています。音楽コンテンツからハードまで揃えられていたソニーにとって現状は甘くありません。

その中心に残るのはXPERIAであるのか。

IFAでは ”ワクワクするようなソニー” だけではなく、 ”次のソニー” の姿を見せてもらいたいものです。

[Sony][Xperia Blog]

このニュースでディスカッション
  • コメントを投稿する際には「コメントガイドライン」を必ずご覧ください
  • コメントを投稿した際には、コメント機能利用規約(ガイドライン)に同意したものとみなされます
  • 主要ニュースサイトなどの「許可サイト」以外のURLを含む投稿はコメントが保留されます