Bluetooth Special Interest Group(以下Bluetooth SIG)は3日(現地時間)、最新無線通信規格「Bluetooth 4.2」の仕様を正式発表しました。現在の最新版である「Bluetooth 4.1」と同様に、ソフトウェアのアップデートで対応が可能です。

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省電力なIP網(6LoWPAN)に対応

最新版のBluetooth 4.2では省電力化をさらに推し進め、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)をさらに促進させられるようになりました。

Bluetooth 4.1で対応したIPv6に続いて、6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks)にも対応。これは「モノ」同士が、様々な形態のネットワークを適切な形で形成し、省電力ネットワーク(IPv6対応)を形成しようとする規格です。

また、端末にプロキシ(ゲートウェイ)機能を持たせることができるようになるため(2015年初頭)、Bluetoothの小型デバイス単体でインターネットに接続できるようになります。

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6LoWPANのイメージ図。Credit:TI

セキュリティ強化

すべてのモノがインターネットに繋がるようになると、ますますプライバシー情報の漏洩が気になってくるところですが、Bluetooth 4.2ではそれにも解決策を提示しています。権限を与えられたユーザーしか情報にアクセスできないようにして、権限を持たない外部からの情報追跡をシャットアウトすることができます。

加えて、セキュリティレベルそのものもより高度な「業界標準クラス」まで高めることが可能に。権限のある「信頼されたユーザー」自身からの情報流出リスクを抑えることができます。

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現行のWi-Fiレベルにまで向上した通信速度

そして、インターネット接続で無視することのできない通信速度が大幅に向上したことも特筆すべき改良点といえます。従来は「Bluetooth 3.0+HS」による最大24Mbpsの通信が限界でしたが、最新バージョンではこれを2.5倍に高速化したとのこと。公開された仕様書を見る限りでは、理論値は54Mbps(2.25倍)でしたが、いずれにせよ実用上十分なレベルにまで達したと考えられます。

さらに、パケット(通信データの単位)サイズの上限が約10倍に拡張されたことによって、通信によって最適なパケットサイズを選択し、より高速で高効率にデータを転送できるようになったとのこと。伝送効率の向上は、消費電力の低下にも寄与しています。

 いよいよ眼前まで迫るIoTの時代

現在市場に出回っている多くのスマートフォンを始めとしたデバイスは、大半がBluetooth 4.0以降に対応しています。つまり、ソフトウェアの対応さえできれば、すでに世の中に普及している機器を交換することなくインターネットの新たな時代:IoTの時代に突入していくことができるというわけです。

ただ、小型なセンサーや家具などの機器の普及はまだまだこれからといったところ。今回、セキュリティ強化と省電力化を押し進めたBluetooth 4.2が策定されたのを機に、様々な製品に無線通信が搭載されていくのではないかと期待しています。

10年ほど前の愛・地球博などで話題となった「ユビキタス社会」。当時はSFの世界を見ているようでしたが、今ではいつ現実となってもおかしくないところまで来ています。すべてのものがインターネットに繋がって、どこにいてもなにをしていても情報が集まってくる時代。あと数年後、わたしたちの世界はどのように進化しているでしょうか。

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 Credit:総務省「平成16年版 情報通信白書」

上に示した図は、総務省による「平成16年版 情報通信白書」に掲載されている “将来イメージ” である。10年たった現在すでに実現している機能が一部見られるが、その他の機能も今後数年も経たないうちにすべて実現してしまうだろうと筆者は予想している。

[Bluetooth SIG via ars technica][Bluetooth SIG (Specification)]
参考:[TOCOS Wireless Engine][Texas Instruments][日経テクノロジーOnline][平成16年版 情報通信白書(総務省)]