無名ベンチャーが資金調達するまでと今後 ― ガジェ速の2014年を振り返る

今年も残すところあと僅かとなりました。「ガジェット速報」という、紛らわしいサイト名で始めてから約4年の年月が経とうとしていることに驚くばかりですが、管理人がこの1年間に何をしていたのか、そして、ガジェット速報をどうしたいのかを読者の皆様にご説明させて頂く場を設けることにしました。

1年前を振り返る – サイプロ氏~VCさんとの接触

ガジェット速報の編集部隊が東京・南青山にインキュベーションオフィスを借りたのは約1年前の2013年11月のことです。その頃から東京都内での取材活動が多くなり、東京を基軸とした体制強化を始めようとしたことがキッカケでした。それと同時に、読者の皆様から切望されつつも中々果たせぬ「新型コメントシステム」の話題が上がり始めたのもこの時期です。

そんなタイミングの最中に迎えた2014年元日。新年のご挨拶記事が「とあるサイプロ」氏の目にとまり、脅威の拡散力も相成ってとあるベンチャーキャピタル(VC)の方がその記事を読んで弊社に訪ねてきてくださいました。

個人ブログだった「ガジェット速報」が法人化して頑張ってて楽しそう
http://toaru-sipro.com/?p=8525

新年のご挨拶と今後について ―ガジェ速の内部をご紹介   GGSOKU   ガジェット速報

自分たちがすべきことをまとめる

挨拶記事を掲載した頃は「2014年は資金調達できたらいいなぁ」といった具合に軽く考えており、特に具体案もなく、案件をVCに持ち込むことすらしていません。自分たちが “したいこと” がぼんやりと頭の中にあるだけで、実際にいつまでに・何を・どのようにするのか計画に落とし込んでいない状況で、前出のVCの方が訪ねてきて下さったのです。これがスイッチとなりました。

そもそも、朝の3分間ピッチ大会やら起業イベントに全く興味のない管理人は「会社設立」には近くとも、「(増資を前提とした)ベンチャー”起業”」にはほど遠い存在。とりあえず「資金調達ってなんだろう」から始まり、「事業計画書とは?」「資本政策?」「アーリー・ミドル・レーター?」「シリーズA・B・C?」といった具合で、1月上旬の初対面から3月下旬の二回目の対面に至る約3ヶ月間で徹底的に事業計画書をまとめ上げることにしました。

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有名どころな本はとりあえず読み漁る

その過程で、インキュベーションオフィスの元同居人の方から、長らくお世話になる方をご紹介頂いたことが後に大きな転換点となります。その方のアドバイスもあって「自分たちが誠にすべきことは何であるのか」を明確にし、それをどのように実現していくのか寝ても覚めても四六時中考えることになりました。ぼんやりとした構想を文字に起こして具現化していくのは想像以上に大変な作業で、この3ヶ月間は今思い返してもつらい日々でした。しかしその一方で、徹底的にかつ集中的に磨き上げたからこそ今のQuelonが存在します。

ちなみに、はじめは人工知能(AI)を搭載したコメントシステムを自社で使って…できれば外販も…などという稚拙なことを考えていました。

スマホアプリ系ベンチャー企業のようにプロダクト先行型ではない自分たちにとって「とりあえずアプリストアに並べて、市場の反応を見てしまえ」という手法が通用しなかった点も苦難の原因で、スモールスタートできないことがリスクとなります。

現代のシリコンバレーの格言で「アイディアは0円」。つまり、プロダクトを世の中にローンチさせてこそ価値が生まれ、アイディアやアルゴリズム・デモの段階では投資に値しないといった意味です。ブリンとペイジがGoogleの初期デモを見せてベクトルシャイムから10万ドルの小切手を貰った時代は昔の話。

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そんな格言はさておき、自分が誠にすべき事業とは何であるかを考えた時に、そもそも「なぜ新しいコメントシステムを作っているのか」に疑問を持ち、さらにガジェット速報の生い立ちに目を向けます。

前職を辞めてまで打ち込んだ理由の一つに、2011年当時に「ダメ・ダメ・ダメ」と、とにかく批判されていた電機業界に対してネットユーザーが意見を発信するディスカッションスペースが欲しいというものがありました。幸いにもガジェット速報のディスカッションスペースがある程度は賑わったものの、今度は “荒れ” で機能不全を起こすようになり、システマチックな解決を試みたことがQuelon(クーロン)の原型になります。

さらに、高校時代には教室の裏黒板にドコモ20xや50xシリーズの新機種リーク情報を印刷した紙を張り出してクラスメイトに機種変更のタイミングをアドバイスするなど、当時からガジェ速の記事となんら変わらないことをリアルでやっていた黒歴史を思い出すなど、「新しいものを伝える・知る楽しさと、その場所の提供」というものが自分の好きなものであることに気づきました。

そんな経緯を経て事業計画書をまとめたものの、前出のVCさんからは出資は時期尚早と、お断りを頂戴します。しかし一度ついた炎は消せず。アルゴリズムやデモの更なるブラッシュアップに加えて、”味方” を最初に探す奇策に出ることにしました。

7ヶ月の営業活動 – 消費型ニュースから滞在型ニュースへ

己がいうのも恥ずかしいものですが、2014年初期のガジェット速報におけるコメント欄は同種のニュースサイトと比較して圧倒的に盛り上がりを見せており、GIZMODOやEngadgetなどの同カテゴリサイトが存在する中で後発ながらもここまで成長できた裏には、読者の皆様にコメント欄まで含めて楽しんで頂いた結果がひとつの要因になっていると考えています。

つまり、ただニュース記事本文を読むだけでなく、その記事に滞在して読者同士のコメントのやりとりも楽しむ。消費型ニュースから滞在型ニュースへのシフトは、ガジェット速報だけでなく他の大手新聞社や雑誌社、各種メディア様でも恐らく価値があるであろうと考えました。

相手は明治時代に設立された大手新聞社や経済誌、ITの著名メディアなど足がすくむようなお客様ばかりでしたが、固く閉ざされた門戸を開き、新しい仲間の力も相成って営業活動を地道に続けています(今も)。その際、とにかく自分の想いとデジタルメディアの今後を考えた際にターニングポイントに差し掛かっていることを強調し、メディア媒体社を徹底的に支援するQuelonの必要性を説かせて頂きました。その結果、APIコール数で1,150億/month(推計)という大きなシステムを作る必要性が生まれたのです。加えて、早速、世界にも飛び出していこうとしています。

※興味が有る方はぜひ、人材募集サイトへアクセスしてみてください

10月末に一回目の第三者割当増資を実施、1億62万円を調達

多くの方の力を拝借しつつ、弊社の様々な面を評価してくださり、2014年10月31日に株式会社ベンチャーラボから1億62万円を資金調達しました。同社は技術評価を行う企業でもあり、青色LEDでおなじみの中村博士が当時の所属企業と係争中に、同氏の技術評価を行い、東京地裁が200億円の判決を下す算定根拠として採用されました。その他にもロボットスーツでお馴染みの筑波大学発ベンチャーCYBERDYNE社への出資などが有名です。

こうして振り返ってみると、王道路線(!?)である「プロダクトローンチ→集客→VC持ち込み→増資実施」という流れから外れているどころか、「起業したい→何で起業しよう?→一所懸命考える」といったものからも外れていて、なんら参考にならないことに気づきました。私の前にはやるべきことがあって、ただそれをもっと楽しく・いろいろな人に広めたいという単純な動機だけで、ここまで “成り行き” で来てしまったのです。

無計画といえば無計画。それもまた良いのかな…と思っていますが、そんなことを言っていると怒られそうなので黙っておきます。

つまり、1年間ガジェット速報に大きな動きはなかった…!

ここまで読んでくださった読者の皆様には大変申し訳無いのですが、管理人が不在の間にガジェ速を支えて下さってくれた有福さんのジョイン以外に特に動きがなかったのがガジェット速報です…。しかし、2015年は変えます。

現在は管理人が担っていたメディア部門のフロントエンドエンジニア(LAMP系も可なJS/CSS/HTMLコーダー&デザイナー)を募集していますし、ライターさんの募集なども予定しています(実は常に募集してます)。「ガジェット速報+Quelon」で生まれるシナジー効果(枯言葉)をガンガン活かすために、滞在型ニュースサイトを共に創りあげたい方はぜひともご連絡お待ちしています。

何やらまとまらない年末のご挨拶となりましたが、1年前に想像できなかったことが今起きています。1年後、この記事を振り返って何をどう思っているのかドキドキしつつ、新年のご挨拶ではQuelonにもう少し迫る “新年らしい記事” にしたいと思います。

それでは、よいお年を!

(2015年・新年挨拶編へ続く / 未執筆)

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