特級の走行性能を実現: Parrot社の地上走行ドローン「Jumping Sumo」レビュー

最近、AndroidやiPhoneといったスマートフォンから操作できるドローン製品が登場してきていますが、今回、「AR Drone 2.0」などの開発元として知られるParrot社のMiniDroneシリーズ「Jumping Sumo(ジャンピング・スーモ)」「Rolling Spider(ローリング・スパイダー)」の二製品をお借りすることが出来ましたので、使用感などについて簡単にレビューを書いてみました。

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なお、ボリューム的に二つの記事に分割させて頂きましたので、少々読みにくい部分があるかと思いますが、ご容赦ください。本記事では、まず、Jumping Sumoについて触れてゆきたいと思います。

Jumping Sumoについて

最初に、簡単なご紹介を。

Jumping Sumoは米国のParrot社が開発した地上走行タイプのドローンで、スマートフォンから走行・回転・跳躍といった操作が可能です。

以下は、主なスペック。

対応OS iOS, Android, Windows Phone(8.1以降)
フロントカメラ 解像度640 x 480pixel
ストリーミング 15fps
バッテリー 90分充電で20分間使用可能
最高速度 時速7km
Wi-Fi 802.11ac 2.4/5GHz
接続範囲 50m
サイズ 143 x 150 x 110 mm (クイックモード)
185 x 150 x 110 mm (安定モード)
重量 180g
その他 ジャイロスコープ
加速度計
マイクロUSB端子
同梱物 本体
バッテリー(1個)
USBケーブル(TypeAオス-MicroBオス)
取扱説明書

地上走行タイプのドローンは珍しいということもあり、他製品との比較は出来ませんが、一般的なラジコンカーなどと比べると高機能な印象です。

外観など

さて、早速見てゆきます。「開封の儀(最近ではアンボクシングとか言うらしいですが)」的なものが気になる方は、こちらの公式動画(リンク先Youtube)を見てみてください。

箱を開けての第一印象は、「思ったよりコンパクト」。両手でお椀をつくれば、その中にすっぽり収まるくらいのサイズ感です。一方で、衝撃などに耐えられるよう本体の作りはかなりシッカリとしています。

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本体の前面部を拡大すると以下の様な感じに。目の位置に二つのLED、正面部には小型のカメラが配置されています。このカメラでとらえた映像はリアルタイムにスマートフォン画面にストリーミングされ、 ドローンと視点を共有しながら操作出来るというわけです。

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タイヤ部分は一般的なラジコンカーなどに使用されているゴム系素材ではなく、表面の摩擦が少ない「サラサラした」感触の材料(スチロールスポンジ?)が使用されていました。指で押すと凹む程度には弾力があります。

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ホイールリムには柔軟性に富んだ素材が使われており、以下のようにして折り曲げることで本体の車幅を調整することが可能。

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実際に車幅を広げた状態が以下のとおり。ちなみに、ホイールを狭めた状態をクイックモード、広げた状態を安定モードと呼ぶそうです。

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本体上部および背面は以下のような感じ。電源スイッチの部分が周囲と同色であまり目立たないため、最初に開梱した時には電源の入れ方にちょっと戸惑うかもしれません。

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バッテリーにはリチウムポリマー電池が採用されており、本体のケーシングにねじ込むように装着します。容量は550mAhで、フル充電の状態でおよそ20分間の連続使用が可能となっています。

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本体背面。尻尾のようにでっぱった部分にはスプリングが内蔵されており、本体内部のモーターがこのスプリングを圧縮、開放する際の反動を利用することでジャンプすることが出来ます。

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操作には専用アプリを使用

Jumping Sumoの操作には「FreeFlight3」というスマホ向け専用アプリを使用します。iOS用アプリはApp Storeから、Android用アプリはGoogle Playから無料でダウンロードすることが出来ます。

▶FreeFlight 3 (iTunes): https://itunes.apple.com/jp/app/freeflight-3/id889985763

▶FreeFlight 3 (Google Play): https://play.google.com/store/apps/details?id=com.parrot.freeflight3&hl=ja

ちなみに、このアプリでJumping Sumo(Wi-Fi接続)とRolling Spider(Bluetooth接続)の双方を操作可能となっており、ペアリングした機種に応じて自動でアプリ画面が変更されます。

ちょっと重要な補足

今回のレビューではiOSアプリを使用して操作を行いましたが、時期的にiPhone 6/6Plusの発売直後&iOS 8.1のリリース前後であったためか、端末由来&OS由来と思われるトラブルを何点か確認していました。iTunesのFreeFlight 3レビュー欄にも、「アプリが勝手に落ちる!」などの書き込みがありますが、11月中旬にリリースされていた最新Verを入れた後からは、安定して使用出来ていたように思います。

起動には少し時間がかかる

早速動かしてみましょう、といきたいところですが、スマホとドローンの接続について少しだけ説明を。実は、ドローンの電源を入れ、Free Flight 3アプリを立ち上げても、すぐさま接続完了!…というわけにはいきません。

というのも、起動のたびにJumping Sumo本体の初期化動作が入るため、電源ボタンを押して本体前部のLEDが点滅してから30秒程度待つと、Jumping Sumoが左右にダンスをするような仕草を見せるので、それが接続可能の合図となります。

初期動作が完了するとJumping Sumo自体が構築しているWi-Fiが検出可能になるため、スマホ側の設定画面からこのネットワークに接続、その後にFree Flightアプリを立ち上げると、ドローン本体に接続することが出来ます。

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慣れればなんてことはないのですが、マニュアルなどにもこの初期動作のことについては書かれていないため、人によっては「壊れた!?」と感じてしまうかもしれません。なので、購入を検討されている方は覚えておいて頂ければと思います。

走らせてみました(屋内)

さて、早速動かしてみましょう。Jumping SumoのWi-Fiに接続した状態でFreeFlight 3を起動すると、以下の様な画面が表示されます。アイコンの絵と実際の動作がわかりやすく対応しているので、直観的に操作することが出来ると思います。

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15分ほどあれやこれやと触って感触がつかめたので、動画を撮影してみました。スマホの傾け具合とカーブの曲率との対応に慣れるために10分間ほど練習が必要でしたが、慣れてしまえば、かなり思い通りに走らせることが出来ましす。

諸事情により、広い屋内スペースは使えずに自宅での撮影となってしまいましたが、それでも1.5畳ほどの面積があれば、かなり楽しむことが出来ます。

ここで楽しかったのは、前述したようにタイヤの表面が「サラサラ」しているため、畳やフローリングといった床面に必要以上にグリップせず、かなり急激な方向転換も出来た点です。恐らく、操作に習熟してゆけば、スピンカーブでのドリフト走行のようなことも出来るようになるのではないか、と思います。

走らせてみました(屋外)

次に、屋外で使用した場合。まずはタイヤ幅を狭めたクイックモードの場合です。

室内に比べて、尻尾の「引きずり」が若干気になりますが、割と軽快に走行出来ていた印象です。ただ、急旋回した時に転倒してしまっているのが見て取れます(ちなみに、転倒した場合はジタバタして起き上がるような動作が自動的に入ります)。

次に、安定モードにした場合。旋回半径は若干大きくなりますが、今度は転倒せずに小回りが効くようになります。

問題は、不整地で走行させた場合。下の写真は、近所の公園のグラウンド(土の上に平均粒径2,3mmの砂利が敷かれている)なのですが、このような路面では、前述した「サラサラ」タイヤが仇となって、発進時や方向転換の直後などに路面との間でタイヤが空回りしてしまいます。

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芝生や礫(れき)が転がるフィールドなどでも同様に走行させてみましたが、あまり満足な走行は出来ない印象です。タイヤにゴム製のスパイクを融着させるなどの工夫を施せば、走行性は向上するかもしれませんが、今回は借り物ということもあって流石にそこまで踏み込んだ使用は出来ませんでした。

そういった意味では、自前でミニ四駆をカスタム改造するなどした経験がある人ならば、そういったアウトドア強化モデルを作ってみると面白いかもしれません。

良かったところ

以上を踏まえて、まずJumping Sumoの良いと思った点について列挙してみたいと思います。

操作が非常に容易

見出しそのまま、操作が非常に簡単に出来るようになっています。

特に、左右のカーブをアプリ画面のタッチではなくスマホの傾きと連動させている点は、実際にステアリングを切っているかのような体験が出来て、非常に面白かったです。

MiniDroneシリーズの対象年齢は14歳以上となっていますが、触ってみた感触としては、小学校低学年のお子さんでも自由に操縦出来るレベルかな、というのが率直な印象です。

コーナーリングがとにかく正確

公式サイトなどでも訴求されている点ですが、Jumping Sumoのカーブ安定性は目を見張るものが有ります。前掲の動画を見て頂くとわかりますが、幅を広げた安定モードでは、かなり急激にカーブさせてもしっかりと遠心力に耐えてくれます。

素晴らしすぎる回転制御

機体安定性ということに関して、ぜひとも触れておきたいのが、機体の回転制御の正確さです。

Jumping Sumoでは、走行時に左右にカーブしたいときにはスマートフォンの本体を傾けるのですが、それとは別に、90度回転・180度回転のメニューが左右それぞれについて用意されています。

この角度指定回転が、とにかく正確。連続でタップしても、そのたびにビタッ、ビタッと指定した角度できれいに停止します。

個人的に、過去に趣味でラジコンカーをいくつか触ったこともありますが、正直ここまで高度な制御を実現しているマシンは見たことがありません。そういった意味では、Parrot社の技術レベルの高さをうかがい知ることが出来る機能と言ってよいでしょう。

ボイスがかわいい

Jumping Sumoは、手を近づけたり、ジャンプ時などに勢い余ってすっ転んだりすると、そのたびに「キュッキュッ」というボイスを出します。

ドローン自体の性能にはあまり関係がない部分なのですが、例えば小さなお子さんがいる家庭などでは、非常に重宝するポイントなのではないかな?と思いました。

気になったところ&改善してほしい点

良い所があれば、当然物足りない部分も…ということで、改善希望ポイントです。

外部メモリがないと録画できない

Jumping Sumoは、正面のカメラでとらえた映像をリアルタイムにスマートフォンへストリーミングしてくれるのですが、このカメラで写真を撮ったり、ムービーを撮影したりするにはマイクロUSBメモリが必要となります。

写真については、スマートフォン画面のスクリーンショットを撮影すれば良いのですが、ムービーについては如何ともしがたい部分が残ります。通常のUSBメモリであれば、デスクの上に一つや二つ転がっているという人も多いでしょうが、マイクロ端子のUSBは持っているという人のほうが少ないのでは無いのでしょうか。

そもそも、カメラの画質的にそれほどハイスペックというわけでもないので、小動物視点を楽しみながら地上を動きまわるという意味ではストリーミングだけで十分かなとも思いますが、せっかく付いている機能だけに「惜しい!」と感じずにはいられませんでした。

↓ドローンで写真やムービーを撮影するためには外部メモリが必要(画像: ©CNET

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ジャンプ機能はインパクト大、しかし…

Jumping Sumoの大きな特徴として、「尻尾」の部分を強力なスプリングで収縮させることで、その名の通りにジャンプが出来るというものがあります。実際に使ってみたところ、腰のあたりにまで飛び上がってくるので、インパクトという意味ではかなり大きいものがあります。

ただ、個人的に非常に残念だったのが、ジャンプ時に停止しなければいけないところ。

冒頭に挙げた公式PV中でも、走行のドローンがそのままジャンプするような描写があるため、てっきり停止しないでジャンプ動作に移行→着地後すぐに復帰できるものと考えていたのですが、実際には一旦停止する必要があり、着地後にもスムーズに走行に移行、という訳にはいきません。

バッテリーが若干物足りない?

人によるかと思いますが、筆者自身は操縦が楽しくなり、20分の連続使用では若干の物足りないな、と感じました。腰を据えてじっくり楽しみたい方は、予備バッテリーが必要かもしれません。

まとめ

色々と書きましたが、トータルで見ると、このスペックと価格ならば「アリ」だなというのが率直な感想です。

飛行タイプのドローンはすでに色々と先行製品が出ていますが、スマホから操作出来る地上走行ドローン製品で、このJumping Sumoを超えるレベルのものはしばらく出てこないんじゃないかな、と思います。

子どもさんへのクリスマスのプレゼントなどで迷われている方は、検討されてみてはいかがでしょうか。

[Parrot Jumping Sumo]

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