Snapdragon 810のオーバーヒート問題、未だ解決されていない可能性が示唆

これまで、オーバーヒートによるパフォーマンス低下という致命的なトラブルを抱えている可能性が指摘され続けてきた、米Qualcommの最新フラッグシップSoC「Snadprgaon 810」。今回、その望ましくない噂に一層の真実味を帯びさせるような情報が、新たに伝えられることとなりました。

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海外メディアAndroid Authorityが8日(現地時間)に伝えるところによると、Snapdragon 810のオーバーヒート問題は未だに解決されておらず、その問題を解決した ”改良版” の登場は2015年第2四半期の中頃になるかもしれないとのことです。

さて、そもそもこのSnapdragon 810にまつわるトラブルはどのようなものか。ここで、おさらいの意味も込めて簡単に説明したいと思います。

概要を簡潔に述べると、Cortex A57コアの駆動周波数が1.2~1.4GHzに達するとSoC全体がオーバーヒートを起こしてしまい、想定される性能よりも遥かに低いパフォーマンスしか発揮できなくなるというもの。今回のオーバーヒート問題は、Snapdragon 810に搭載されるCortex A57コアによって引き起こされているものとされています。

しかし、ここで注目したいのは、同様に20nmプロセスで製造されたCortex A57とCortex A53を採用しているはずのサムスン製「Exynos 5433」や「Exynos 7420」においては「オーバーヒート問題」の発生は確認されていないという点です。

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この事実は、Cortex A50シリーズそのものに問題があるというよりは、Qualcomm自身のチップデザインや配線技術に、この問題が根差している可能性を示唆するもののように思われます。あるいは、Exynos 5433とExynos 7420にはサムスン製の20nmプロセスが使用されているという点を鑑みるに、もしかしたらTSMCの20nmプロセスに何らかの欠陥が存在している可能性なども考えられそうです。

また、今回興味深いデータがAndroid Authorityによって公開されることとなりました。そのデータとは、CES 2015にてデモ展示されていた「LG G Flex 2」を使用して計測した、「AnTuTu 5.5」のベンチマークスコアです。

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競合他社製のSoCとの比較はさておいて、同社製の前世代モデルであるSnapdragon 805やSnapdragon 801に対してすら、ほぼ全ての項目においてスコアが下回ってしまっています。唯一、GPU性能を図る項目3D Graphicsにおいてのみ、最新モデルの意地を見せていますが、それでもSnapdragon 805に劣る始末に。

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とはいえ、このあまりに期待外れなベンチマークスコアが、果たして本当にオーバーヒート問題によって引き起こされたものなのか、それとも単純に各種ドライバなどのソフトウェア面での最適化不足などに起因するものなのか。残念ながら、現時点ではそれを知る術はなく、続報を待つよりほかありません。

なお、米国に籍を置く世界有数の投資銀行として知られるJ.P.Morganが明らかにしたところによると、Snapdragon 810の抱える熱処理問題の解決には、チップの再デザインや電子回路配線の改良などを含めて、最低でも「3ヶ月」程度は必要になるとのこと。3月頃の登場が期待されている「Galaxy S6」を始めとする各社の次期フラッグシップモデルの登場次期にも悪影響を及ぼすことになりそうですが、果たして。

さておき、今回お伝えした情報は幸運にも、あくまでもすべて ”推測” の域をでません。既にQualcommは問題を解決しており、あるいはそもそもそんな問題など存在しておらず、当初の予定通りに最新フラッグシップSoCの出荷を開始することになるかもしれません。きっと、今回のLG G Flex 2のベンチマークも、デモ展示機ゆえの最適化不足が招いたものなのでしょう。そうであることを心から願いつつ、続報の到来を待ち構えたいと思います。

[Android Authority]

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