ハイテクブログWCCFtechは11日(現地時間)、米インテルが72個の物理CPUコアを搭載した「Xeon Phi」チップの投入を計画していることが判明したと伝えています。

Xeon PhiはHPC(High Performance Computing)分野をターゲットしたものであり、一般的に思い浮かぶマザーボードに載せるCPUとは異なり、演算ボードとしてPCI Express規格を通じて提供されています。ライバル製品となるNVIDIA TeslaやAMD FireProのGPGPUと競合する製品ではありますが、x86系命令をそのまま利用できるため汎用性が高い点もメリットの一つとして挙げられます。

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「Knight’s Landing」の構造解説図

現在、HPCの分野においてはGPGPUが「並列計算」の分野で飛躍を見せており、次世代モデル「Knight’s Landing」においては、従来モデルと比較してパフォーマンスと電力効率において大幅な向上を実現することになる模様です。

Knight’s Landingは、1コアあたり4スレッドの処理を可能にする「Silvermont」コアを「72個」、合計36MBのL2キャッシュと最大「16GB」のHBM(High Bandwidth Memory)を搭載。また新たにサポートするDDR4メモリ(~2,400MHz)のチャネル数は「6チャネル」となり、最大「384GB」という大容量を実現することを可能にしています。

さらに興味深いことに、”次世代メモリ” の筆頭として本格的な普及を目前に控えるHBMが16GBも搭載されていますが、あくまでL3キャッシュとしてのみ使用されることになるとのことです。

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なお、残念ながら今回このKnight’s Landingの具体的な演算処理性能に関しては明らかにされませんでしたが、おそらくは「3.0TFlops」前後に達する見込みです。しかし、今月7日から10日かけて中国・深川において開催された、Intel Developer Forum 2015(IDF 2015)関連のインテル公式資料においては、先代モデルと比較してシングルスレッド処理性能と電力効率の双方で、最大「300%」の性能向上を果たしていることが明らかにされています。

冒頭でも触れたように、Xeon Phiのようなx86ベースのプロセッサとGPGPUとの間で勃発した覇権争いは現時点では後者に軍配が上がっていますが、これまで両者は互いに自身の「短所」を補うと同時に、相手の「長所」を取り込むような形で進化を続けてきました。現在の版図がこの先どのように塗り替わることになるのか、あるいは変わらないのか。中々に興味深いところです。

[WCCFtech / Intel(PDF)]