台湾MediaTek、10コアSoC「Helio X20」を正式発表

AnandTechは12日(現地時間)、台湾MediaTekが、モバイル向けチップでは世界初となる10コアSoC「Helio X20」を正式に発表したことを伝えています。

記事65.1

既に先日にはMediaTek製の10コアSoCの存在については伝えられており(過去記事)、近日中の発表が期待されるところとなっていましたが、今回早くも正式にお披露目されることとなりました。

世界初となる「Tri-Cluster」(トリ・クラスター)構造を採用しており、近年のSoCに広く採用される「big.LITTLE」構造よりも優れたパフォーマンスと省電力性能を実現していることが謳われています。

以下は、Helio X20(MT6797)の主なスペック。

CPUコア構成 Cortex A72 × 2 + Cortex A53 × 4 + Coretx A53 × 4
動作クロック 2.3~2.5GHz + 2.0GHz + 1.4GHz
メモリ 32-bit LPDDR3メモリ(@933MHz)
GPU Mali-T8xx MP4(@700MHz)
エンコード 2,160p@30fps(HEVC[H.265] / HDR)
デコード 2,160p@30fps(H.264 / HEVC[H.265] / VP9)
画像処理プロセッサ(ISP) デュアルISP 最大3,200万画素@24fps
通信モデム LTE Cat.6対応(下り:最大300Mbps/上り:最大50Mbps)
2 × 20MHz キャリアアグリゲーション 対応
製造プロセス 20nm

従来のMediaTek製品に代表される「Cortex A53 + Cortex A53」のbig.LITTLE構造に、更に2つの最大2.5GHz駆動の最新高性能CPUコア「Cortex A72」を2つ追加。絶対性能の引き上げを図りつつも、省電力性能を向上させることにも成功しているとのこと。

また、GPUには現時点で市場に出回っていない英ARM製の最新GPUファミリー「Mali-T800」シリーズ過去記事を採用。具体的なモデルナンバーには言及されませんでしたが、「Helio X10」に搭載される「PowerVR G6200」と比較して、パフォーマンスと省電力性能においてそれぞれ「40%」改善されていることが明らかにされました。

そのほか、コプロセッサとして「Cortex-M4」を搭載し、煩雑なバックグラウンド処理をこのチップにオフロードすることで消費電力を低減させ、より長いバッテリーライフの実現に寄与します。

記事65.2

さらにTri-Cluster構造に並び、このHelio X20において実装された最も革新的な要素として、統合されている新型通信モデムが「CDMA2000」への対応を果たしている点が挙げられます。

このことはつまり、米国(を含む各国市場)への出荷準備が整えられたことを意味しており、これまで主に中国などのアジア市場以外にばかり販路を拡大させていたMediaTek製が、今後よりグローバルな展開を見せることが期待されます。

記事65.3

「Helio X20」で実現された性能および機能向上の一覧

そのほか、デコードおよびエンコードに関しては、それぞれ「30%」と「40%」の省電力性能の向上を達成。またこのTri-Cluster構造を実現させるにあたっては、独自の内部接続技術「MediaTek Coherent System Interconnect」(MCSI)が実装されたとのことです。

Helio X20は2015年下半期中にサンプル出荷が開始され、2016年第1四半期中に出荷が開始される見込みです。数日前には、米Qualcomm製の10コアSoC「Snapdragon 818」の存在を指摘する情報も伝えられており(過去記事)、モバイルSoCの分野においてはついに本格的に「8コア」の壁が打ち破られることになりそうです。

[AnandTech via Phone Arena]

ソーシャルシェア

コメント投稿