次世代CPUコア「Zen」、Excavatorコア比で40%高いIPCを実現へ

米AMDは6日(現地時間)、ニューヨークで開催したカンファレンス「2015 Financial Analyst Day」において、次世代CPUコア「Zen」の更なる詳細に関する多くの情報を開示しています。

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AMDが明らかにしたところによると、Zenは「Carrizo」に採用される「Excavator」コアと比較して、IPC(Instructions Per Clock)を「40%」も向上させることに成功しているとのこと。また、製造には「FinFETプロセス」を使用することが明らかにされましたが、14nmと16nmのどちらとなるかについては言及されませんでした。

さらに、Zenコアにおいては、同社初となる「SMT(Simultaneous Multithreading)」技術を導入したことにより、米Intelの高性能CPU群と同様に ”1つの物理コアで、複数のスレッドを実行可能” となりました。加えて、「Bulldozer」ファミリーの決定的な弱点として指摘され続けてきた「キャッシュ周りのパフォーマンスの低さ」においても、大幅な改善が施されているそうです。

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そのほか、今回AMDは2016年の製品ロードマップも公開。2012年に発売された「Vishera」を最後に新製品の登場が滞っていた「FX」シリーズが、ついに2016年に復活を遂げることが明らかにされたほか、デスクトップ向けの新プラットフォームとして「AM4」が予定されていることも発表されました。

このAM4は、「AM3」と「FM2+」という2つの現行プラットフォームを統合させるものとなり、Carrizoの後継モデルとなる ”第7世代デスクトップ向けAPU” もこのAM4を採用することになります。なお、モバイル向けプラットフォームとしては、Carrizoに採用される「FP4」が「FT3b」プラットフォームを吸収する形で引き続き継続されることになる模様。

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更に興味深いことに、2017年にはより一層高い電力効率とIPCを誇る「Zen+」コアが計画されているほか、ZenベースのFXファミリーも第7世代APUも共に「DDR4メモリ」を新たにサポートします。

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非常に登場が待ち遠しい限りですが、1つ気になるのは、FinFETプロセスを使用して製造されるチップの駆動周波数についてです。仮にこれまでの情報にあるように14nm FinFETプロセスが採用されるとするならば、モバイルチップ向けに最適化された設計の半導体である以上、あまり高クロックでの動作には期待できません。

現時点での最上位モデル「FX-9590」においては「定格4.7GHz(Turbo Core時:5.0GHz)」、より一般的な「FX-8350」においても「定格4.0GHz(Turbo Core時:4.2GHz)」を達成しており、おそらくはせいぜい「3GHz台」に留まると思われる次世代FXシリーズが、はたして最終的にどの程度の性能向上を実現できるのかが気がかりです。

とはいえ、驚異的なIPCの向上と「32nm」プロセスからの半導体プロセスの大刷新に加え、SMTの新実装やキャッシュ周りの強化が施されていることを勘案するに、まず間違いなく総合的なパフォーマンスが向上しているものと思われます。1日も早い登場に期待です。

[WCCFtech]

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