ジャパンディスプレイ、シャープ液晶事業買収に向け交渉へ ―500億円以上規模

日本経済新聞は19日(日本時間)、ジャパンディスプレイ(JDI)がシャープに対して、液晶パネル事業の買収を提案すると伝えています。

シャープの液晶事業については、JDIに出資している産業革新機構が出資を含む支援策を提示する予定でしたが(過去記事)、日本勢の競争力を強化したい同機構は官庁主導になることを懸念し、シャープとJDIの民間企業のみで再建する案に傾いたとのことです。なお、産業革新機構は液晶パネル事業のほかに、シャープの白物家電や複写機事業などについても支援策を提示する予定で、今月22日の産業革新委員会で具体策を協議していくことになるとのこと。

IHSテクノロジーの調査では、スマートフォンやパソコン向けの中小型液晶パネル市場におけるJDI(16.2%)とシャープ(14.7%)のシェアを単純に統合した場合、日本勢が韓国LG(17.1%)から首位を奪取することになります。スマートフォンや車載向け液晶パネルでは特にシェアが高まる可能性があり、JDIは独占禁止法に抵触しないよう、2016年1月末を目処に具体的な買収対象を詰めていくとしています。買収額は500億円以上になる見込みで、1000億円を超える可能性もあるとのことです。

JDIの買収提案が受け入れられれば、日本の国際的な競争力を高めることができますが、韓国のほかに台湾や中国のパネルメーカーも同市場で鎬を削っており、今後供給過多となる可能性も考えられます。

また、スマートフォン市場で新技術採用を主導するアップルは、韓国勢が得意としている有機ELディスプレイに興味を示しており(過去記事)、2018年以降はスマートフォン向けパネルの主流が変わる可能性もあります。なお、JDIとシャープはそれぞれ有機ELディスプレイの研究開発を進めており、JDIは2018年の量産を目指していると伝えられています。

シャープの中小型液晶パネルについては、すでに台湾鴻海(ホンハイ)も買収案を提示していると報道されています。ホンハイは、大型液晶パネルを生産する堺工場を引き継いだ堺ディスプレイプロダクト(SDP)をシャープと共同運営しており、これを含めた液晶事業全体の買収を交渉しているとのことです。

JDIとホンハイの折衷案として、シャープの中小型液晶パネル事業はJDIが、大型液晶パネル事業はホンハイがそれぞれ取得することになる可能性もあります。なお、SDPの設備については、SDPの最大顧客である韓国サムスンも興味を示していると伝えられています。シャープは、産業革新機構や取引銀行などとそれぞれの提案内容を協議し、JDIとの交渉に入る見込みです。

[日本経済新聞]

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