脳は睡眠中に「ゴミ捨て」をしている…米グループが実証

2013年10月19日 11:32 │Comments(28)

Written by くまむん

米ロチェスター大学のMaiken Nedergaard氏らのグループはこのたび、脳は神経活動などによって生じた老廃物を睡眠中に排出していることを明らかにしました。これは、物質輸送を伴う脳の「リフレッシュ機能」を実証した世界でも初めての成果で、18日付けの科学誌 “Science” に論文が掲載されています。

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脳は頭骨内に満たされた脳脊髄液という透明な液体の中に浮かんでいます。この脳脊髄液が脳細胞に栄養を運んだり、神経細胞の活動によって生じる老廃物を排出する機能を持っていることは以前からわかっていましたが、その作動メカニズムについては明らかになっていませんでした。

Nedergaard氏らは昨年、マウスの脳には老廃物を脳髄から排出するための “glymphatic system(グリンパティック系)” という脳脊髄液の循環システムが存在していることを発見しています。今回、同グループはマウスの脳脊髄液に色素の溶液(脳にとって有害なモデル物質として使用)を混入させて、覚醒状態のマウスと睡眠状態のマウスでグリンパティック系のはたらきの違いを観察しました。

以下の動画はその結果を示すものです。左が睡眠中のマウスで右が目覚めているものですが、眠っているマウスでは、目覚めているマウスに比べて色素の流れが60%も増大していたとのこと。これはつまり、睡眠によってグリンパティック系が活性化され、有害物質の排出が促進されたことを示しています。

論文では、マウスの生物学的特徴は人間のそれと非常に似通っているため、今回確認された現象と同様のことが人間の脳でも起きているものと考えられるとしています。

実験では、睡眠によってアルツハイマーの原因と言われているβアミロイドというタンパク質の排出も促進されることが確認されていることから、今回の成果は脳の神経性疾患や精神疾患のメカニズムを解明するための大きなヒントになるものとのこと。

これまでにも、睡眠が記憶の定着や神経細胞のシグナル安定化に大きく影響していることを示す研究結果は数多く報告されていましたが、実際の物質輸送を可視化したのはこれが初めてのケースとなります。徹夜明けの朝は頭がボーっとしてモヤがかかっているような感覚を覚えるものですが、脳の中では実際に老廃物がたまっていたんですね。

[NIH via BBC News] [Sciencedaily]
[Sleep Drives Metabolite Clearance from the Adult Brain(Science)]

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