2015年のノーベル生理学・医学賞、マラリアなどの伝染病に対する画期的治療法の発見に対して

2015年10月5日 18:59 │Comments(0)

Written by くまむん

ノーベル賞委員会は 日、2015年のノーベル生理学・医学賞を、William C. Campbell氏(ドルー神学校)、大村智氏(北里大学)、Youyou Tu氏(中国医学科学院)の三氏に対して授与すると発表しました。

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受賞理由は、Campbell氏と大村氏に対しては “for their discoveries concerning a novel therapy against infections caused by roundworm parasitesWilliam(回虫によって引き起こされる感染症の治療法の発見となっており、Tu氏は “for her discoveries concerning a novel therapy against Malariaラリアに対する効果的な治療法の発見に対して” となっています。

Campbell氏と大村氏は、Avermectin(エバーメクチン)という薬の有効成分を発見することで、象皮症や河川盲目症(River Blindness, オンコセルカ症とも)、リンパ系フィラリア症(Lymphatic Filariasis)などの致死リスクを劇的に低減し、またTu氏はArtemisinin(アーテミニシン)という有効成分の発見によって効果的なマラリア治療法の確立に大きく寄与しました。

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大村氏は、土壌中に生息している細菌の仲間であるストレプトマイセス(Streptomyces属に注目し、独自に開発した培養技術によってStreptomyces avermitilisという細菌を実験室内で大量培養することに成功。この菌が産生する物質の中から、寄生虫に有効と思われる約50の成分の同定を行いました。

Campbell氏は、大村氏が同定した候補物質の中から前述のエバーメクチンを単離し、これを効果成分とする抗寄生虫薬の開発に成功。その後、米メルク社と共同でエバーメクチンを改良し、人間と動物の両方に有効な抗寄生虫薬であるイベルメクチン(Ivermectin)を開発しました。

Tou氏は、中国に古くから伝わる薬草療法に関する文献をもとに、ヨモギ科の植物であるクソニンジン(Artemisia annua)の成分がマラリアに有効であることを見出し、また有効成分であるアーテミシニンを抽出することに成功。この成果により、マラリアの治療法が大きく前進することになりました。

[プレスリリース(英文PDF)]

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