追記あり: リウマチの治療薬によって脱毛症が完全に回復する

2014年6月23日 22:26 │Comments(0)

Written by くまむん

FDAの認可も得ているリウマチの薬によって全身脱毛症と乾癬の症状が一挙に改善されたとする興味深い研究結果が、 専門誌Journal of Investigative Dermatologyに報告されています。

この効果は、体中の体毛が抜け落ちる「全身脱毛症(alopecia universalis)」と、肌の一部に赤斑が現れる「尋常性乾癬(plaque psoriasis)」の両方にかかった25歳の男性患者に、トファシチニブクエン酸塩(tofacitinib citrate, 以下トファシチニブ)という物質を投与したことで明らかになったもの。

この患者は尋常性乾癬の治療のためにイェール大学の病院を訪れていた人物ですが、彼の治療を行ったBrett A. King氏は、以前にコロンビア大学のAngela Christiano氏によって「マウスの円形脱毛症にトファシチニブが有効である」とする報告をもとに、トファシチニブを処方することに決めたとのこと。

1日10mgのトファシチニブ投与(経口)を2ヶ月間続けたところ、期待したとおりに患者の顔や頭には毛髪が徐々に生え始め、脇毛などの体毛も通常どおりに発毛するように。その後、1日の投与量を15mgに増やして経過を観察したところ、8ヶ月後には全身の発毛が回復したそうです。

患者はトファシチニブの投与に伴う副作用を感じておらず、またラボテストでも特に身体的な異常は検出されなかったとのこと。

tofacitinib-citrate-bring-hair

左から、初期状態、トファシチニブ投与から3ヶ月後、5ヶ月後、8ヶ月後の様子。

King氏は、毛の “もと” となる毛包を攻撃する免疫反応をトファシチニブが停止させたことでこのような発毛回復が起こったものと考えられるとしており、同様の脱毛症にかかっている患者の中には、この治療によって発毛の回復が期待できるケースもあるとのこと。

上の写真を見てみると、驚くべき回復効果が見て取れるかと思いますが、こうした効果が発毛に全く関係がないように思われるリウマチの薬によってもたらされたというのは、非常に興味深いことですね。

2014/6/24 9:47追記
トファシチニブの安全性については不透明な部分もあるようで、昨年には日本リウマチ学会理事会からファイザー社へ、トファシチニブ(この場合はゼルヤンツ錠)の承認申請に対する要望書が提出されています。 詳細は以下のリンク先をご参照ください。
http://www.ryumachi-jp.com/info/news130402.html

[Journal of Investigative Dermatology via Sciencedaily]

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