脳の「回路」は男女でここまで違った…米大学が可視化に成功

2013年12月3日 18:07 │Comments(0)

Written by くまむん

米ペンシルバニア大学のRagini Verma氏らの研究グループはこのたび、男女の脳内部における神経走行の可視化を実現し、両者に見られる機能差を説明するための構造的な「証拠」を得たと発表しました。この成果は、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されます。

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認知能力や行動特性などの違いから、男性と女性では脳の機能が大きく異なることはかなり以前から知られており、そのことを科学的に分析した研究も数多くなされています。しかし、それぞれの脳の内部でどのような「回路」が形成されており、それらが実際の認知能力の違いとなって現れているのかといった事については、これまで未知の部分が多く残されていました。

今回、研究グループは、8歳から22歳までの被験者949名(男性428人、女性521人)を対象として、拡散テンソル画像法(Diffusion Tensor Imaging, DTI)という、MRIを用いた特殊な検査によって脳内部の神経線維ネットワークを可視化することに成功。

その結果、男性では脳の前後を接続するネットワークが多く見られたのに対し、女性では大部分が右脳と左脳を接続するネットワークとなっており、両者の間には神経走行のレベルでも顕著な違いが見られたとのこと。また、このような男女の違いは13歳以下の児童でほとんど見られず、思春期に差し掛かる15歳ごろから徐々に顕著になってくるとしています。

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上が男性の脳で、下が女性の脳。

この結果についてVerma氏は、男性が一つの物事に集中しがちであるのに対して女性がマルチタスキングが得意なことなど、これまでに知られている、脳機能における様々な性差を良く反映していると語っています。

<ワンポイント>
女性の脳では、脳の右半球と左半球をつなぐ「脳梁」という部分が男性に比べて太いことが解剖学的に知られていましたが、今回得られたマップを見てみると、大脳皮質においても左右を横断する太いネットワークが形成されていることが見てとれます。

ただし、上のマップはあくまで性別ごとに平均化されたものであり、実際は少なからず「男性的な部分」「女性的な部分」が入り混じったパターンを示しているため、今後は個人レベルにおいて平均的な構造からどの程度のバラつきが見られるのか、詳細な分析を進めてゆきたいとのこと。また、こうした構造の違いが機能の違いを生んでいるのか、もしくは先天的な機能差によって異なる構造に別れるのかといったことについても明らかにする必要があるとしています。

近年では、「男性脳」「女性脳」などというワードも存在しているようですが、機能面だけではなく、具体的な構造としてここまで違いがあるというのは非常に興味深いことですね。

[PNAS via Medicalpress] [livescience] [The Atlantic]

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