米グーグルは、Google I/Oの基調講演において新OS「Android 4.1 Jelly Bean」を発表した。
Android 4.1 Jelly Beanは「Project Butter」というプロジェクトを通じて、滑らかに動作することに注力されている。すべての動作で60FPSの描画を実現しているとのこと。さらにタッチパネルの精度にもこだわっており、より滑らかな動作が可能になった。負荷をミリ秒単位で検知しCPUパワーを動的に制御するという。
ウィジェットに関しても改良が加えられている。従来、ウィジェットのサイズは固定であったが、対応してるものについてはサイズ変更が可能になる。例えば、2×2マスしかないところに3×3のウィジェットを置いた場合、自動的に2×2のものにリサイズされるという。
音声認識・入力機能にも改良が加えられ、従来はサーバに送信して解析していたものを本体に内蔵しているという。これにより、通信環境が悪い場所でも音声入力が可能になった。オフライン音声認識は、現時点で英語のみの提供となるが、今後拡大を予定しているという。
言語関係としては、新たな言語としてアラビア語とヘブライ語をサポートする。
視覚に障害を持つ人向けに、アクセシビリティも向上した。
写真アルバムにも改良が加えられており、写真を上下にスワイプすることで削除することが可能になった。いちいちゴミ箱ボタンを押す必要がなくなる。アンドゥ(やり直し)にも対応しており、誤って削除したものを復活させることが出来る。
通知機能も大きく改良されている。不在通知の下には再コールボタンが用意されており、即座に電話を掛けることが可能になった。また、Gmailの通知にはメールの本文概要が表示される。
検索機能では、音声検索を強化を行っている。処理を高速化を図っただけでなく、自然言語処理にも対応した。デモでは「日本の首相は誰ですか?」という問いに対して「野田佳彦首相」を即答していた。返答には野田首相の写真も表示された。「ロボットの定義は?」「スペースニードルの高さは?」「ピグミーマーモセットの写真を見せてよ」などの言葉にも正確に反応する。
注目すべき機能は「Google now」機能だ。
従来は渋滞情報を知りたい際には、現在地を入力して渋滞情報をいちいち調べる必要があった。ところが、この機能を用いれば、GPS情報から利用者の行動を推測して自動的に様々な結果をフィードバッグする。
渋滞を回避したルートを提案、駅への到着時間を推測して次の電車の時間を自動的に表示するなど、まさに人工知能さながらの機能が提供される。
イベントでは、その他に次のような機能が紹介されていた。
- 利用者の好みを推測し、好きなスポーツチームの試合結果を表示する機能
- 昼食後にジムに行くといういつもの行動を推測して情報を提供
- 飛行機が遅れているという情報を受け取り、Google now上で「まだジムの時間を長く楽しむことができる」といったスケジューリング機能が提供される
「Google now」はウィジェットのような形式で提供され、検索ボタンを押下するか下からスワイプして引っ張りだす形で利用を開始する。
Jelly Beanは一般向けには7月にOTA経由で提供、SDKは本日から提供される。
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