米アップルは29日(現地時間)、同社のiOSソフトウェア担当上級副社長のスコット・フォーストール氏が2013年に退社することを公式に発表しました。退社までの期間はティム・クックCEOのアドバイザーとして活動するとのことです。

同氏は故スティーブ・ジョブズが設立したNeXTの社員として働いており、ジョブズを含めたNeXTの買収によってアップルに入社した人物です。同氏はMac OSの立ち上げに関わっており、Mac OS復活の象徴だったインタフェース「Aqua」を設計した人物でもあります。

日本でも一時期「スケルトン・シースルー」が流行しましたが、それはAquaインターフェースとボンダイブルーのiMacに影響されたものであり、同氏の功績がいかに世界中にインパクトを与えたか分かっていただけるかと思います。

その後はiOSソフトウェアの開発に従事し、Mac OS Xとコアを共有する先進的なモバイルOSとして2007年にiOSをデビューさせました。

当時iPodの成功により社内で勢力を強めていたグループとiOSの設計を巡って対峙。iPhoneにMax OS XベースのOSを採用させることを強く推進したのも彼です。2007年、初めてiOSが発表された際に「Mac OS Xがベースになっている」とスティーブ・ジョブズが発表した途端に沸き立った会場のどよめきを記憶している方も多いのではないでしょうか。結果的に彼の主張は成功だったとみて良いでしょう。この功績は今後10年以内に訪れるであろう「OS X」と「iOS」の統合でさらに実を結ぶものと思われます(現時点では強く否定されていますが)。

家庭用途において、タブレット端末が将来的にリードすることを読むことができていた人物の1人かもしれません(補足:iPhoneよりも先にiPadが開発されていた)。

なお、リテール事業を担当していたジョン・ブロウェット氏の退社も併せて発表されています。今年2月に欧州の小売からアップルに参加した人物でしたが、わずか9か月で去ることになりました。

これらのことを踏まえて、アップルは大規模な組織改革を発表しています。

具体的には、ジョナサン・アイブ氏がヒューマンインタフェースを率います。エディー・キュー氏がSiriと地図事業の統括、iOSとOS Xの統括にはクレイグ・フェデリーギ氏。ボブ・マンスフィールド氏は、非公開の新規に立ち上げるテクノロジー開発グループを統括するとのことです。このグループは半導体と無線技術の開発チームを統合した、将来の計画を執行するとしています。

スコット・フォーストール氏の退社は、まさに衝撃ともいえる事態ですが、スティーブ・ジョブズを支え続けたキーマンの1人として、仕事をやり終えたといったところなのかもしれません。

[Apple via AppleInsider]