日本で電気自動車(EV車)への期待と関心が高まりつつある中、さらにその流れを後押しするニュースが飛び込んできました。

茂木敏充経済産業相は11日、日本経済の再生を掲げた緊急経済対策の柱の1つとして、日本全国に充電スタンドを10万ヶ所新設することを明らかにしました。2012年度の補正予算で実現する見通しです。

今回の案は、約30分以内に容量の80%を充電をする急速充電スタンドを3万5700基、約7時間以内に容量の100%を充電する普通充電スタンドを7万4000基用意するというもの。急速充電スタンドは主に高速道路のサービスエリアやパーキングエリアに、普通充電スタンドは集合住宅をはじめとした月極駐車場などに設置する予定です。なお、現在、全国に設置されている充電スタンドはわずかに1400基程度。

予算の地方補助率は1/2を予定していますが、地方自治体の取り組み次第では2/3まで引き上げることも検討しているとのことです。充電スタンドの設置完了時期については明らかにされていません。

これまでEV車は次世代の交通手段として期待されながらも、航続距離の短さ、充電時間の長さなどがネックとなり、なかなか普及への道筋が開かれないままに今日まで来ました。

特に充電時間の長さは致命的とも言われ、ガソリン車であれば2~3分の給油によって500km程度走れるところが、EV車は数時間充電しても100km~200km程度しか走れないなど、実用性に欠けるという弱点があります。

今回の拡充策によって充電時間が30分程度に短縮されれば、より使い易く現実的な移動手段として検討できるようになると思われますが、それでも充電に30分掛かるのはやはりかなりの負担。1分1秒を争って活動している商業ベースでは利用を躊躇される長さです。

一方、さらに次の世代の自動車開発も徐々に進みつつあります。それは燃料電池車です。

現在有力視されているのは「水素燃料電池車」と「メタノール改質型燃料電池車」、そして「ダイレクトメタノール燃料電池車」などです。これらの燃料電池車のメリットは、自動車内で発電しそのエネルギーで動くことにあり、長時間の充電が必要なEV車と異なり、メタノールなどの補給時間はガソリン車と大差がありません。

特にメタノールを利用した燃料電池車の場合、燃料となるメタノールをメタンハイドレートなどから容易に精製できるということもあり、近年日本近海で次々に発見されているメタンハイドレート層からの採掘なども併せ、将来的にはメタノールを燃料とした燃料電池車がEV車に取って代わる交通手段となるのではないかという観測が強まっています。

ガソリンに代わる新たなエネルギー源の確保は不可避であり、現在開発が進められているEV車もその流れの一環です。さらには現在ブームとなりつつあるハイブリッド車なども、起源を辿ればガソリン依存からの転換への第一歩でもあります。

EV車普及の促進策も重要ですが、さらなる未来を見据えたエネルギー施策にも期待したいところです。

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