ASUSは18日、東京六本木にある六本木ヒルズにて「PadFone 2」のメディア向け内覧会を行いました。
会場にはこのようなプレイアブルな端末が十数台用意されていた
PadFone 2は単体では「スマートフォン」として、タブレット型ステーションと接続する事で「タブレット」として機能する非常に斬新な端末です。その接続方法は「合体」と呼ぶに相応しく、タブレットの背面へ挿入する形式を取っています。
フォーラムが始まるとエイスース・ジャパンの阿部直人氏が登壇し、PadFone 2の魅力について「私たちはこれをスマートフォンではなくスーパーフォンと呼んでいます」と述べ、用途に応じてスマートフォンスタイルやタブレットスタイルに切り替えられる機動性の高さを強調しました。
ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクトエンジニア 阿部直人氏
プレゼンではPadFone 2の機能やスペックについて触れながら「タブレットとスマートフォンのランニングコストを1つにまとめることができる」と経済性もアピール。PadFone 2をステーションに接続すると約1秒でタブレットとして使えるようになることや、接続時に自動的に充電が始まるなどのメリットも挙げ、高いモバイル性能についても解説していました。
PadFone 2の電源を入れたままステーションとの脱着が可能(左)
バッテリーはステーション接続時には共有される他、自動的にPadFone 2側への充電も開始される(右)
PadFone 2はSIMフリー端末として販売されるため、通信キャリアを自由に選べるのが特徴です。通信方式には3G(W-CDMA 900 / 2100MHz)が採用され、SIMスロットはmicroSIMタイプとなっています。比較的安価なMVNOキャリアのSIMなどが利用できることもまた、ランニングコストを重視する人には大きなメリットとなりそうです。
その他プレゼンではPadFone 2の詳細なスペックや主な機能についての解説があり、特に1300万画素のカメラを利用した連写撮影や60fpsでのHD動画撮影機能、さらに標準で画像加工機能などを備えている点をアピール。カジュアルに使えるスマートフォンとしての性能を強調していました。
下に向かって細くなる楔形を採用した独特の本体デザイン(左)
カメラ機能に標準で付いている画像加工は主にポートレート撮影の見た目を良くするもの(右)
PadFone 2の主な仕様は以下の通りです。
CPU | クアルコム社製 Snapdragon S4 Pro APQ8064 (1.5Ghz クアッドコアCPU) |
OS | PadFone 2本体:Android 4.1.1 |
メインメモリ | PadFone 2本体:2GB |
液晶ディスプレイ | PadFone 2本体:4.7型ワイド TFTカラータッチスクリーン Super IPS+液晶 PadFone 2 Station:10.1型ワイド TFTカラータッチスクリーン IPS液晶 |
表示解像度 | PadFone 2本体:1,280×720ドット PadFone 2 Station:1,280×800ドット |
ストレージ | PadFone 2本体:64GB |
ウェブストレージ | ASUS WebStorageサービス (50GB / 24ヶ月無料体験版) |
Wi-Fi | PadFone 2本体:IEEE802.11a/b/g/n |
Bluetooth | PadFone 2本体:Bluetooth 4.0 |
通信方式 | PadFone 2本体:W-CDMA (DC-HSDPA 900 / 2100MHz) |
各種センサー | PadFone 2本体:GPS(A-GPS&GLONASSサポート)、 近接センサー、電子コンパス、光センサー、 加速度センサー、ジャイロスコープ |
インターフェイス | PadFone 2本体:microSIMスロット×1、 13ピン ドッキングポート×1、 マイクロホン / ヘッドホン・コンボジャック×1 PadFone 2 Station:13ピン ドッキングポート×1 |
カメラ | PadFone 2本体 アウトカメラ:1,300万画素 PadFone 2本体 インカメラ:120万画素 PadFone 2 Station インカメラ:100万画素 |
バッテリー駆動時間 (PadFome 2本体) |
連続待受時間:最長約336時間 連続通話時間:最長約16時間 インターネット時間 :最長約13時間 ビデオ再生時間:最長約9時間 |
バッテリー駆動時間 (PadFone 2本体+ PadFone 2 Station) |
連続待受時間:最長約800時間 連続通話時間:最長約36時間 インターネット時間:最長約7時間 ビデオ再生時間:最長約7時間 |
本体サイズ | PadFone 2本体:137(H)×68.9(W)×9(T)mm PadFone 2 Station:180.8(H)×263(W)×10.4(T)mm |
重量 | PadFone 2本体:約135g PadFone 2 Station:約514g |
プレゼン終了後には端末を触る時間が設けられたので、実機の使用感などを写真や動画と共に解説します。
側面は楔形に整形された金属素材を採用。高級感がある(左)
底面にはmicroUSBポートとステーションとの接続用端子(右)
ステーション側の機能はディスプレイとバッテリー、カメラ程度。
あくまでもPadFone 2のジャケット的存在だ(左)
PadFone 2の接続部分は盛り上がっているが、左右が非常に薄いため厚みを感じさせない(右)
ステーション接続時にはPadFone 2の背面カメラがそのままステーションの背面カメラとして使用される(左)
ステーション接続時はハンズフリー通話が可能(右)
実機の操作感は非常に滑らかで、クアッドコアCPUの恩恵が感じられます。動画ではウェブページの読み込みに多少時間が掛かっていますが、会場内で多数の端末がアクセスしていたことや、3G回線である点なども表示速度に影響を与えていた可能性があります。LTEに対応していないことが非常に悔やまれます。
PadFone 2本体の画面サイズは4.7インチですが、5インチ画面では若干大きいと感じていた筆者でもこのサイズはかなり持ちやすく操作も楽に感じました。PadFone 2本体の横幅は68.9mmですが、横幅68mm前後というのが使い勝手を左右する数字のようにも思えます。
クアッドコアCPUはタブレットとして利用した際にも十分な性能を発揮しており、動作が重くなるようなことはありませんでした。画面解像度は1280×800ドットと、最近のハイエンドタブレットと比べると若干見劣りもしますが、ウェブサイトの閲覧などで不便を感じるほどではありません。
PadFone 2はスマートフォンとタブレットのメリットを集約するために生まれたような端末ですが、実際に使用してみても両形態での利用が非常にシームレスに行えるため、ストレスを感じることはほとんどありませんでした。ただ、最近はスマートフォンでのテザリングなども浸透してきており、あえてスマートフォンと接続するギミックが必要なのかどうかは微妙なところです。
また、ステーションと合わせた本体価格が7万9800円と若干高めなのも購入を躊躇させる理由になるかもしれません。家電量販店などでは6万円台程度でも販売しているところがあるようですが、非常に安価なNexus 7などが存在している中で、どれだけの訴求力を持てるのか注目されます。
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