ジャストシステムは、同社が提供するマルチデバイスに対応した日本語入力サービス「ATOK Passport」に、3月1日から上位プランを提供すること発表しました。
ATOK Passportは、Windows版・Mac版・Android版を合算して最大10台まで利用可能なサービス。使用する組み合わせは自由で、同期サービスを利用することで、登録した単語をデバイス間で同期したり、パソコン同士で学習情報や確定履歴まで同期が可能です。
今回発表された上位プランの「ATOK Passportプレミアム」は月額利用料が500円に上がりますが、ATOKクラウド辞典サービスとして「スーパー大辞林3.0」や「ウィズダム英和辞典 第3版」を利用することができます。
また、「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」により、入力中の言葉を日本語以外の言語に翻訳することも可能です。これらはATOK連携電子辞典を参照する形での利用になりますが、ジャストシステムは電子辞典も含め、提供するWebサービスの拡充を予定しているとのことです。
ATOK Passport | ATOK Passport プレミアム |
ATOK 2013 for Windows ベーシック |
ATOK 2012 for Mac ベーシック |
|
ATOK | ○ | ○ | ○ | ○ |
ATOK Syncアドバンス | ○ | ○ | ○ | ○ |
ATOK キーワードExpress | ○ | ○ | ○ | ○ |
利用可能台数 | 10台まで | 10台まで | 3台まで | 3台まで |
ATOK クラウド辞典サービス | ○ | ○※1 | × | △※2 |
8カ国語クラウド クラウド翻訳変換 for ATOK |
× | ○※1 | × | × |
※1 提供はWindows版のみ。ATOK 2013プレミアムとは収録している機能・辞典に違いあり
※2 公式に記載されてませんが「ATOK 30周年特典辞書」が利用可能
ATOK Passportのメリット
筆者自身もATOK PassportをMac1台、Windows3台(うち1台はMacの仮想化)、Android1台で利用しています。ATOK Passportを利用するメリットはいくつかありますが、一番のメリットは価格です。
ATOKはこれら3つのプラットフォームで別個に販売もされていますが、パソコン向けのものはジャストシステム直営のJustMyShopでは最安価格でも4,725円します。筆者の場合だとパソコン向けを両方とも優待版にしても1万円を超えてしまいます。
それに対し、ATOK Passportではバージョンアップに費用がかかりません。Android版でもバージョンアップの費用はありませんが、パソコン向けのソフトはメジャーアップデートごとに購入するのが一般的です。バージョンアップに費用がかからないのは大きなメリットだと思います。
もう一つのメリットはATOK Syncアドバンスによる同期機能です。日本語入力ソフトは「Google日本語入力」によって無料で精度の高いものが手に入るようになりました。Google日本語入力も学習内容の同期が可能ですが、現在は開発版限定の機能となっています。また、Google日本語入力はiOSで利用できません。その点でATOKには「ATOK Pad for iOS」があります。ATOK Passportに含まれていないのが悔やまれますが、ATOK PadともATOK Syncアドバンスによる登録単語の同期が可能です。
今回発表された上位プランは利用台数などサービス根幹よりも、連携サービスを拡充してより使いやすい環境を提供しようというものです。競合するGoogle日本語入力は利用台数に関する制限は特にないので、その部分で競争せず使いやすさで勝負しようという狙いがあるのではないかと思います。
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